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2021年9月 6日 (月)

DANKO JONES『POWER TRIO』(2021)

2021年8月27日にリリースされたDANKO JONESの10thアルバム。日本盤未発売。

日本では『FUJI ROCK FESITVAL '03』の前夜祭での衝撃的ライブ、そして初日でTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのあとにGREEN STAGEで繰り広げた熱演で一気に注目を集め、その直後に発表された2ndアルバム『WE SWEAT BLOOD』(2003年)(とそのインパクトの強いアートワーク)で知名度を高めた、カナダ出身の3人組バンド。バンド名のDANKO JONESはフロントマンのダンコ・ジョーンズ(Vo, G)の名前でもあるので、ソロプロジェクトのように思われがちですが、今作のタイトルにもあるように強烈なインパクトを放つ“パワートリオ”であることをお忘れなく。ドラマーの出入りが激しいバンドですが、現在はダンコ、ジョン・カラブレーゼ(B)のオリメン2人にリッチ・ノックス(Dr)を加えた編成で8年にわたり活動中です。

前作『A ROCK SUPREME』(2019年)から2年4ヶ月ぶりに届けられた今作は、新たに地元のSonic Unyon Recordsからのリリース(ヨーロッパではMate In Germany / About Us Recordsから)。ブルースを下地にしたパンク経由のシンプルなハードロックは、古くはAC/DCTHE STOOGES、あるいはTHE HIVESを中心とする2000年代のガレージロックリバイバルとリンクする部分も多く、先陣たち同様に特別新しい試みを見せることなく、初期作から一貫したスピードチューンとグルーヴィーなミドルナンバーを交互に展開していきます。

随所に適度なソウルフィーリングを感じさせるという点では、先のTHE HIVESや同じく北欧出身のTHE HELLACOPTERSなどとの共通点も見受けられますが、こちらのほうがよりカラッとした音色/質感かな。おそらくそのへんはダンコのボーカルによるものが大きいのかな。また、タイトでファットなサウンドプロダクションが印象的な前作『A ROCK SUPREME』よりも生々しさを強調したミックスも相まって、ライブ感がより強調されており、ぶっちゃけこっちのほうがこのバンドの方向性に合っているような気がします(前作は前作で悪くなかったけどね)。

スピードナンバーはどれも文句なしのカッコよさ。ただ、この手のバンドはミドルチューンでどれだけ変化をつけていくかが重要となってくると思っていて、その中では「Blue Jean Denim Jumpsuit」や「Let's Rock Together」、そして「Raise Some Hell」のようにそれぞれ違ったカラーを見せる変化の付け方は好印象。中でも「Raise Some Hell」で見せるパワーポップ感は個人的にど真ん中で、もう1曲くらいこの手の楽曲があってもよかったなと思ったほどでした。そういった意味でも、本作は非常に評価の高い1枚ではないでしょうか。

2003年のフジロックでのインパクトがかなり強かったので、また生で観たいなと思いながらしばらく経ってしまいましたが、平和な世の中が再び訪れた際にはまた苗場の大自然で爆音を浴びたいものです。

 


▼DANKO JONES『POWER TRIO』
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