JINJER『WALLFLOWERS』(2021)
2021年8月27日にリリースされたJINJERの4thアルバム。日本盤未発売。
JINJERは紅一点のタチアナ・シュメイリューク(Vo)を擁する、ウクライナ出身のテクニカル・メタルコアバンド。現在のメンバーはタチアナ、ロマン・イブランカリロフ(G)、ユージーン・アブダカノフ(B)、ヴラド・ユラセヴィチ(Dr)の4人で、2019年4月にはOBSCURA、MASONとともに日本公演も行なっており、ライブアルバム『ALIVE IN MELBOURNE』(2020年)は日本盤も発売されました。
来日公演〜初の日本盤(しかもライブ盤)(※訂正:よく調べたら、初期の作品が2作ほど日本リリースされていました。すみません!)という良い流れを作りながらも、実現しなかったオリジナルアルバムの国内発売。しかも、非常に良質な作品にもかかわらず……ただただ残念でなりません。
さて、気になるJINJERの新作ですが、実は僕自身このアルバムで初めて彼らの音に触れました。なので、過去作との比較をせずに聴いた感想を述べていくと……まず、存在感が強烈なボーカルとMESHUGGAH以降のDjentを通過したプログメタル/テクニカルメタル、GOJIRA以降のメタルコアのテイストが一丸となり、狂気を伴い全速力で攻めてくるような、そんな恐怖と心地よさ(笑)を感じました。ボーカルのタチアナ、すごいですね。性別を超越したゴリゴリのグロウルと、クリーントーンでしっかり歌い上げるメロウなパートとの対比。男性ボーカルのとき以上のその落差が激しく、ふとした瞬間に心を奪われてしまう。ズルいなあ。
演奏もかなりゴリっとしており、スピード感の強いアレンジ(「Mediator」冒頭の〈Stop...Go!〉のカッコよさといったら!)からストーナー風のヘヴィ&スローな展開まで、変幻自在のアレンジ力で全11曲/47分まったく飽きさせません。また、ドラムの音色もこの手のバンドにしては軽やかさを備えており、特に高音寄りにチューニングされたスネアの抜けの良さは、往年のPANTERAを彷彿とさせます。そこに低音を強調したギター&ベースのうねりが加わることで、他の同系統バンドとは異なる質感を生み出すことに成功。軸足の軽さと全体像の重さが絶妙なバランスでミックスされたこともあってか、意外と耳が疲れないんですよね。
曲構成/アレンジ力が巧妙で、かつメタルやヘヴィロック以外からの影響も随所から伝わる。これが最後まで飽きさせず聴かせる技なのでしょうか。この手のアルバムにしては、ついつい何度もリピートしてしまいたくなる、貴重かつ異色の1枚です。これはなかなかの完成度ではないでしょうか。ホント、日本盤出ないのが勿体ないよ。
▼JINJER『WALLFLOWERS』
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