OZZY OSBOURNE『NO MORE TEARS (30TH ANNIVERSARY EXPANDED EDITION)』(2021)
2021年9月17日に配信リリースされた、オジー・オズボーンの6thアルバム『NO MORE TEARS』(1991年)30周年記念エディション。
80年代後半にバンドに加わったザック・ワイルド(G, Vo)参加2作目のオリジナルアルバムにして、1stアルバム『BLIZZARD OF OZZ』(1980年)にも匹敵する売り上げを誇る名盤。特に今作からは「No More Tears」(全米71位/全英32位)、「Mama, I'm Coming Home」(全米28位/全英46位)というヒットシングルに加え、「Time After Time」「Road To Nowhere」「Mr. Tinkertrain」というラジオヒットも生まれるほどで、以降の音楽活動においてひとつの基盤となった“多彩なサウンド/音楽性を詰め込んだハードロックアルバム”としても知られています。
なにげに30年前のリリースも9月17日だったようで、正真正銘の30周年を祝福する本作は全25トラックから構成されています。オリジナル盤に収録された11曲に加え、2000年代以降のリマスター盤にボーナストラックとして追加された「Don't Blame Me」「Party With The Animals」(この2曲は日本盤初出時からボーナストラックとして収録されていたので、日本のファンにはお馴染み)、『NO MORE TEARS』制作時のデモ音源6曲、アルバムリリースツアーからのライブ音源5曲、そして今回のアニバーサリー盤のために新編集された「Hellraiser」のオジー&レミー(MOTÖRHEAD)デュエットバージョンという内容。
まず、デモ音源6曲は1992年にプロモ用に制作された『THE NO MORE TEARS DEMO SESSIONS』という限定CDが初出で、のちに「Mrs J.」を除く5曲がボックスセット『PRINCE OF DARKNESS』(2005年)で一般流通されました。ストリーミングサービスでは今回が初出のようですね。どの曲もノーマルチューニングで録音されており、ザックのギタープレイも現行版とは若干異なっていたり、「I Don't Want To Change The World」の冒頭にオジーのハーモニーが追加されていたりと、違いを見つけるのも楽しいです。あと、個人的にはデモでのランディ・カスティロ(Dr)のドラム音が好み。
「Mrs J.」はザックによるアコースティックインスト。なんとなく『BLIZZARD OF OZZ』におけるランディ・ローズの「Dee」を彷彿とさせるものがありますが、「Mrs J.」のほうはもっとメロディアスで、このまま歌を乗せても成立する仕上がり。ドラムとシンセがかぶさっていることもあって、箸休め感が薄まっているのも好印象。ただ、アルバムに入れるスペースがなかったのもわかります。バラード多いですものね、『NO MORE TEARS』。
そして、ライブ音源。こちらはDVD『MEMOIRS OF A MADMAN』(2014年)に収められていた1992年のサン・ディエゴ公演(4曲)とMTVでのライブ(1曲)。音源化はこれが初となります。どれも今日までライブの定番ばかりなので、新鮮味は薄いかな。しっかりボーカルに修正(ダブルボーカル)も加わってますしね。
で、問題なのがラストナンバー「Hellraiser」。この曲はもともとオジー/ザック/レミーの共作曲で、レミーも『MARCH ÖR DIE』(1992年)にMOTÖRHEADバージョンを収録しています。今回の新バージョン、バックトラックはオジー版がベースで、若干リミックスも施されているようです(ドラムの出音やベースの質感が違いますしね……ってもしかして、ベースはレミーのプレイをミックスしてる?)。MOTÖRHEAD版もキーやアレンジがほぼ一緒なので、オジーのボーカルとミックスしたり、歌い分けているように編集したりしても違和感ゼロ。むしろ、このバージョンをもっと早くに聴いていてもおかしくなかったんじゃないの?というくらい自然な仕上がりなのです。オジーは健在だけど、レミーはすでに旅立って5年以上経ちますしね……「勝手なことをしやがって!」と向こうでニヤニヤしているといいな。
この「Hellraiser」新バージョンは年末にアナログ盤のリリースも予定されているようなので、ファンアイテムとしてそちらも手に入れておきたいところ。まずは名盤を改めて振り返りつつ、貴重なデモ音源と新たな共演曲(ライブはおまけ)を中心に楽しめたらと思います。
▼OZZY OSBOURNE『NO MORE TEARS (30TH ANNIVERSARY EXPANDED EDITION)』
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