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2021年10月30日 (土)

DURAN DURAN『FUTURE PAST』(2021)

2021年10月22日にリリースされたDURAN DURANの15thアルバム。日本盤は同年10月27日発売。

前作『PAPER GODS』(2015年)で本国イギリスでは『ASTRONAUT』(2004年)以来11年ぶり、アメリカでは『DURAN DURAN (THE WEDDING ALBUM)』(1993年)以来22年ぶりのトップ10入りを果たしたDUNRA DURAN。約6年という過去最長のスパンを経て届けられた本作は、バンドの原点ともいえるニューウェイヴ/ニューロマンティック的なサウンドを現代的に昇華させた意欲作に仕上がっています。

全体を統括するプロデューサーとしてエロール・アルカン、ジョルジオ・モロダー、そして過去数作でタッグを組んできたマーク・ロンソンを迎えた今作。フィジカル通常盤およびデジタル版は12曲、海外デラックス版CDは15曲、日本盤はデヴィッド・ボウイ「Five Years」のカバーを加えた16曲入りという、前作を継承した構成となっています。

固定のギタリストを置かない現在のDURAN DURANですが、今回はレコーディングメンバーとしてBLURのグレアム・コクソンをフィーチャー。グレアムはギタープレイ以外にも、「All Of You」「Give It All Up」など9曲でソングライターとしてもクレジットされています。意外な人選に驚きを隠せませんが、タイトルトラック「Future Past」で耳にすることができるシンプルなギターソロを聴く限りではマッチしているように映ります。が本作、そこまでギターを全面に打ち出していない現代的な作風なので、グレアムの色はそこまで濃く出ていません。BLURファンはそのへんご注意を。

サウンドメイクやちょっとしたアレンジには初期3作を彷彿とさせるものがありますが、メロディの運びや楽曲の軸部分はマーク・ロンソンががっつり絡んだ前々作『ALL YOU NEED IS NOW』(2010年)や前作の延長線上といったところでしょうか。つまり、今のDURAN DURANを80年代初頭なアプローチで表現した、と。前作が黄金期(80年代半ば)を思わせるテイストだったことを考えると、デビューから40年を経ての原点回帰と言えなくもありません。

それでも、サイモン・ル・ボン(Vo)のボーカル含め大人になった彼ららしい深みも随所から伝わり、そのへんは軽薄さが売りだった初期との大きな違いなか。まあ、音的には今作も十分に軽薄ではあるんですが。

また、先のグレアムに加えトーブ・ロー(Vo)、アイヴォリアン・ドール(Vo)、日本のバンドCHAIがそれぞれゲストボーカルとして参加。アルバムのラストを締め括る「Falling」にはデヴィッド・ボウイとの共演で知られるマイク・ガーソン(Piano)をフィーチャーしています。特に日本盤ではこの曲の前にボウイ「Five Years」カバーが置かれているので、一部ファンにはたまらないものがあるのではないでしょうか(個人的にはこのボートラ、なくてもいいんですけどね)。

12曲バージョンはシンプルでスルッと聴ける流れで、15曲バージョンはインストの「Velvet Newton」は流れを作る上でもよかったけど、残りの2曲(特に「Laughing Boy」)は90年代のDURAN DURANっぽかったので、蛇足だったかな。そういう意味ではデジタル配信されている12曲バージョンのほうが構成はベストだと思います。

前作もなかなかの内容でしたが、今作はそれ以上の仕上がりでは。個人的には『ALL YOU NEED IS NOW』が大好きだったので、そことの共通点が多い今作は近年でベストな1枚でした。

 


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