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2021年10月 5日 (火)

AEROSMITH『O, YEAH! ULTIMATE AEROSMITH HITS』(2002)

2002年7月2日にリリースされたAEROSMITHのコンピレーションアルバム。日本盤は同年7月3日発売。

80年代後半にGeffen Recordsから『PERMANENT VACATION』(1987年)『PUMP』(1989年)『GET A GRIP』(1993年)とメガヒット作を連発させ、90年代後半に再びSony Recordsへと移籍したバンドが、初めてレーベルの枠を超えて制作したベストアルバム。シングルヒット、ライブの定番曲を中心にセレクトし、新曲「Girls Of Summer」「Lay It Down」、そしてRUN D.M.Cとのコラボカバー「Walk This Way」をエアロ名義の作品に初収録した初のコンピ作品となっています。

70年代の選曲はまあこんなもんかな?という無難な内容に。一応黄金期のメンバー(ジョー・ペリー&ブラッド・ウィットフォード在籍時)での楽曲に限られているので、70年代は5thアルバム『DRAW THE LINE』(1977年)まで。80年代は再ブレイクを果たす「Dude (Looks Like A Lady)」以降で、『DONE WITH MIRRORS』(1985年)はスルーされています。仕方ない。

Geffen時代のヒットシングルはほぼ網羅かな。「Blind Man」や「Walk On Water」といった、Geffen時代のシングル曲をまとめた『BIG ONES』(1994年)からの楽曲は外されていますが。Sony復帰後のシングルは「Hole In My Soul」「Full Circle」(ともに『NINE LIVES』(1997年)収録)、「Fly Away From Here」「Sunshine」(ともに『JUST PUSH PLAY』(2001年)収録)がカットされています。「Hole In My Soul」はまだしも、それ以外はTOP100入りしていないので仕方ないですが。それに、「Hole In My Soul」を入れちゃうとDISC 2は本当にバラードばかりになっちゃいますしね。

「Pink」はシングル用のリミックスが施されたバージョン、そして初の全米No.1シングル「I Don't Want To Miss A Thing」、ラジオオンエア用に“4 letter words”が変更された「Just Push Play」はエアロ名義のまとまった作品に初収録。特に「I Don't Want To Miss A Thing」に関してはそれまで、映画『アルマゲドン』のサウンドトラックか同曲シングルを購入するしかなかったので、にわかファン ビギナーにはありがたい措置ではないでしょうか。

新曲2曲は、まあおまけ程度の内容かな。サイケポップ調の「Girls Of Summer」は「Pink」以降の流れを狙ったものなのかな。「Lay It Down」はお約束のパワーバラード。これもありきたりっちゃあありきたりかな。相変わらず高品質ですが。

日本盤CDにはここにボーナストラック4曲を追加収録。ライブの定番曲「Train Kept A Rollin'」(スタジオバージョン。できればライブバージョンがよかった)、「Toys In The Attic」、ビートルズのカバー「Come Together」、そして本作と同じ2002年公開の映画『スパイダーマン』サントラに収録された「Theme From Spider-Man」カバーというセレクトで、レア感が強いのは「Theme From Spider-Man」くらいかな。せっかく時代を追って曲が進んでいくのに、最新曲のあとにいきなり「Train Kept A Rollin'」で30年くらい逆戻りするのもねえ。考えものです。

なお、本作は2011年9月に『THE ESSENTIAL AEROSMITH』とタイトルを変え、アートワークも変更され再発に。同年11〜12月の来日公演にあわせて、日本では『マキシマム・ベスト』と題した3枚組仕様で発売されています。

そういえば、最近AEROSMITHはSony時代を含むすべてのカタログをUniversal Recordsに集約させることを発表したばかり(ソース)。これまで各種ストリーミングサービスでは、レーベルの枠を超えたコンピは歯抜け状態のものが多く、本作もApple MusicではGeffen時代の音源が聴けず、Spotifyではフルで聴けるという状況でした。近々こういった不都合も解決することになるのかと思うと、リスナーとしてはありがたいかぎりです。

 


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(amazon:国内盤2CD / 海外盤2CD / MP3

 

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