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2021年10月 3日 (日)

ASKING ALEXANDRIA『SEE WHAT'S ON THE INSIDE』(2021)

2021年10月1日にリリースされたASKING ALEXANDRIAの7thアルバム。日本盤未発売。

前作『LIKE A HOUSE ON FIRE』(2020年)から約1年5ヶ月という短いスパンで届けられた本作は、デビュー以来在籍してきたSumerian Recordsを離れ、新たにBetter Noise Musicとの契約第1弾アルバム。プロデューサーに過去2作を手がけたFROM FIRST TO LASTのマット・グッド(G, Vo)を三度迎えて制作した、王道スタジアムロック風メタルコア作品に仕上がっています。

前作で“わかりやすくてメロディアス”な作風を追求し、メタルコアやポストハードコアから(良くも悪くも)脱却を図ったASKING ALEXANDRIA。今作はその延長線上にある1枚なのですが、若干メタルコア側に舵を切り返したようなテイストが増えています。要するに、80年代のハードロック黄金期を思わせるシンプルでわかりやすい作品にまとめあげられていた前作のテイストを残しつつ、現代的なヘヴィさが復調した作風へとシフトしている。聴く人が聴いたら……言い方は悪いですが、後戻りしているのです。

ですが、この後戻りは戦略的撤退のようにも感じられるし、もっと言えばライブがままならない2020年を通過したことによる、鬱積した心の暗部がそのまま音に凝縮された作品とでもいいましょうか。『LIKE A HOUSE ON FIRE』が新境地を見せたセルフタイトル作(にしてフロントマンのダニー・ワースノップ復帰作)『ASKING ALEXANDRIA』(2017年)で試した方向性の、ひとつの到達点だとしたら、今作はそのガワをブラッシュアップさせつつ、軸足を原点回帰させたとでも言えばいいのかな。バンドのルーツも垣間見えるし、かつ現在の“らしさ”も失っていない。コロナ禍が導き出した、過去と現在のハイブリッド作というのが正しいのかはわかりませんが、僕にはそう感じられました。

ちょっと行き過ぎた感もあった前作でしたが、あれはあれで素晴らしい完成度でしたし、リリース後もしばらくはよくリピートした1枚でした。しかし、“ASKING ALEXANDRIAらしさ”を強く感じさせるという点においては、実はダニー復帰後の3枚中、本作がもっとも色が濃いのではないか。そんな気がしています。要は、リリース順が悪かったよね、と。

でも、それもこれも結果論でしかなく、本作も前2作を通過していなかったら生まれていなかったかもしれない。そういう意味では、然るべき過程を経て2021年に届けられた1枚なのでしょう。実験的な過去2枚も好きだけど、本作はそれ以上に好き。今はシンプルにそれでいいかなと思っています。

 


▼ASKING ALEXANDRIA『SEE WHAT'S ON THE INSIDE』
(amazon:海外盤CD / MP3

 

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