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2021年10月 9日 (土)

TRIVIUM『IN THE COURT OF THE DRAGON』(2021)

2021年10月8日にリリースされたTRIVIUMの10thアルバム。日本盤はボーナストラック2曲(ライブ音源)を追加し、同年10月20日発売予定。

昨年4月に2年半ぶりの新作『WHAT THE DEAD MEN SAY』(2020年)を発売したばかりのTRIVIUMですが、新型コロナウイルスの影響でライブ活動がままならず、気づけば同年6月から次作の楽曲制作に突入していたとのこと。そのまま秋にはレコーディングに入り、過去2作を担当したジョシュ・ウィルバー(GOJIRALAMB OF GODSONS OF TEXASなど)をプロデューサーに迎え、締め切りを気にすることなくじっくり作り上げたとのことです。

今回のアルバムはアートワークや曲名から、なんとなくファンタジックな神話性を感じさせますが、実のところは架空の神話を昨年世界中に起こった大きな出来事=コロナ禍に照らし合わせて制作していったんだとか。ただし、「In The Court Of The Dragon」というタイトル自体は、アメリカの作家ロバート・W.チャンバースのショートストーリーから名付けられたそう。そのストーリー自体、恐怖や不確実性に満ちたもので、まさに我々が昨年から直面している出来事とリンクすることから、それを直接的に描くのではなく別のルートで表現したそうです。

そういったテーマやメッセージ性の強さに比例するように、サウンド自体も非常にアグレッシヴさに満ちたものに仕上がっています。前作『WHAT THE DEAD MEN SAY』でさまざまな経験を得た上での原点回帰を試み、見事な形で作品化させたTRIVIUMでしたが、本作ではその経験をさらにブラッシュアップさせることで、よりブルータルさを増し、よりドラマチックにスケールアップした楽曲群を制作。アルバム冒頭を飾るインスト「X」では、7thアルバム『SILENCE IN THE SNOW』(2015年)のオープニングトラック「Snøfall」を制作したイーサーンEMPEROR)が再び作曲・トラック制作を手がけており、アルバムの不穏さを際立たせます。そこからアルバムを象徴するタイトルトラック「In The Court Of The Dragon」へとなだれ込むのですが、これがもう最高の一言。2ndアルバム『ASCENDANCY』(2005年)や4thアルバム『SHOGUN』(2008年)の頃を思わせるアグレッションとプログレッシヴさを兼ね備えた良作で、この時点でガッツポーズを取ってしまったリスナーは少なくないはずです。

その後もブラストビートを多用したブルータルな楽曲、王道ヘヴィメタルらしいメロディアスなナンバーなどが豊富に用意。アルバム中盤に置かれた“いかにも”なメタルバラード(と呼んでいいですよね?)「The Shadow of The Abattoir」のドラマチックさも文句なしですし、前のめりな楽曲で終わると思いきや、ラストはヘヴィ&メロディアスで後半にかけてドラマチックに展開するミドルチューン「The Phalanx」で豪快に締め括る。この少し余韻を残すエンディングもさすがの一言です。

全体を通してスクリームとクリーンボーカルのバランスも絶妙ですし、これはアグレッシヴなTRIVIUMが好きなリスナー、メロウなテイストのTRIVIUMが好きなリスナー両者を納得させる1枚ではないでしょうか。本作はコロナ禍がなければ生まれなかった作品かもしれませんが、10作目という節目に最高傑作と呼ぶにふさわしいアルバムを完成させたのですから、世の中悪いことばかりじゃないなと少しだけ思ってしまいました。

2021年という時代に「ヘヴィメタルとは?」と問われたら、真っ先に提示したいアルバムです。

 


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