KNOCKED LOOSE『A TEAR IN THE FABRIC OF LIFE』(2021)
2021年10月13日にデジタルリリースされたKNOCKED LOOSEの最新EP。フィジカルリリースは同年12月17日予定。日本盤発売は未定。
2ndアルバム『A DIFFERENT SHADE OF BLUE』(2019年)に続く新作音源は、コール・クラッチフィールド(G)に代わる新メンバーのニコ・カルデロンを迎えて初めて制作された6曲入りEP。なんの事前情報などの前触れもなく突如配信され、ファンを驚かせました。
本作は過去2枚のアルバム同様、プロデューサーにウィル・パットニー(THY ART IS MURDER、AFTER THE BURIAL、PIG DESTROYERなど)を迎えてレコーディング。全体を通じての統一感やストーリー性が感じられる構成となっており、冒頭の車に乗り込んでカーラジオを再生するという穏やかな雰囲気から、突如スリリングで暴力的な轟音へとなだれ込む「Where Light Divides The Holler」での構成や、そのまま間髪入れずに「God Knows」へと続く演出、さらに同曲ラストで再びカーラジオの演出へと戻るなど、かなりコンセプチュアルな作りとなっています。
そういった作り込みはこの2曲のみ突出しているものの、3曲目「Forced To Stay」以降の流れも短い曲間で続くことから、アルバム並みのこだわった作り込みが伝わるはずです。また、このコンセプチュアルな構成はYouTubeで公開された、EPと同タイトルのアニメーション・ショートフィルムにも引き継がれており、EPに収録された全曲を使用した21分にもおよぶ見応えある作風は、数ヶ月前にTURNSTILEがEP『TURNSTILE LOVE CONNECTION』(2021年)で試みたチャレンジに通ずるものがあります。同じ時代に共闘する2バンドが似たテイストで作品づくりに注力する姿勢、お見事としか言いようがありません。
ただ、TURNSTILEが進化したサウンドで前進を続けるのに対し、こちらのKNOCKED LOOSEは深化したサウンドで前進している。グルーヴィーなミドルテンポを軸にヘヴィさを追求するそのスタイルは、まさに90年代以降のグルーヴメタルやハードコアの延長線上にあるものであり、その歴史的に重要なサウンドをよりディープに追求。しかし、ただ歴史をなぞるだけではなく、現代的に進化/深化した音を提供する。そのKNOCKED LOOSE流の最新形がこのEPでのトータル性なのかな、と感じました。
どこか20分超の組曲にも感じられるこの6曲入りEP。1曲1曲を取り上げるよりも塊としてまとめて聴くことをオススメします。そういった意味では、先のショートフィルムはうってつけの作品であり、個人的にもサブスクで聴くよりは映像作品とともに楽しむべき内容だと思います。
これがニューアルバムへの前触れなのか、それともアルバムとは別の形の表現なのか。いろいろ気になるものの、まずは本作を思う存分楽しんでおきたいところです。
▼KNOCKED LOOSE『A TEAR IN THE FABRIC OF LIFE』
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