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2021年11月16日 (火)

KORN『THE PARADIGM SHIFT』(2013)

2013年10月7日にリリースされたKORNの11thアルバム。日本盤は同年10月9日発売。

EDMに接近し、曲ごとにリミキサー/コラボレーターが異なるという異色ぶりを見せた前作『THE PATH OF TOTALITY』(2011年)から1年10ヶ月ぶりの新作。同年バンドに復帰したブライアン・“ヘッド”・ウェルチ(G)が『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』(2003年)ぶりにレコーディングに参加した、記念すべき1枚でもあります。

新たなプロデューサーとしてドン・ギルモア(BULLET FOR MY VALENTINELINKN PARKアヴリル・ラヴィーンなど)を迎えた本作は、『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』(2005年)以降の歌メロ重視メタルコア路線を踏襲した内容。ただ、『THE PATH OF TOTALITY』というクラブミュージックを通過した作品のあとだけに、「What We Do」や「Spike In My Veins」「Never Never」などの楽曲ではそれらしい味付けも散りばめられており、一筋縄ではいかないサウンドメイクを楽しめます。

「Love & Meth」や「Mass Hysteria」「Punishment Time」などで聴ける不穏なリフワークは1990年代後半から2000年代初頭の彼らを思わせる、ヘヴィさを強調したものが多く、良い意味で「従来のKORNらしさ」を維持している。一方で、先にも書いたように『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』でのポップ/メロディアス路線を踏襲しつつ、『THE PATH OF TOTALITY』で見せたEDMテイストもしっかり織り交ぜており、「新たなKORNの魅力」もしっかり伝わる。という意味では、どちらか一方に振り切るわけではなく、両者の魅力をバランスよく配分したハイブリッド作と言えるのではないでしょうか。これこそが「2013年版のKORN最新形」なんだと。

KORNのリスナーはどちらかといえば1stアルバム『KORN』(1994年)での衝撃、最大のヒット作となった3rdアルバム『FOLLOW THE LEADER』(1998年)でのキャッチー&グルーヴィーなスタイルを好む傾向があり、これらこそがKORNのすべてと狂信しているイメージが少なくありません。しかし、プログレッシヴ志向の『UNTOUCHABLES』(2002年)やモダン路線の『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』、EDM寄りの『THE PATH OF TOTALITY』など、時に実験に振り切った作品も少なくなく、それらがファンの反感を買うこともあります。しかし、こういった実験があるからこそバンドは“進化”を続け、“無題”アルバム(2007年)や今作のように充実した作品を増産することができるのです。と同時に、その間には『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』や『KORN III: REMEMBER WHO WE ARE』(2010年)のように原点に立ち返ろうとする作品が存在することも忘れてはなりません。

この『THE PARADIGM SHIFT』はヘッドを再び迎え、新たなディケイドへと突進するKORNの所信表明であり、何度目かのデビューアルバムである……と言えるのではないでしょうか。そう考えると、本作のあとに『THE SERENITY OF SUFFERING』(2016年)、『THE NOTHING』(2019年)と続くのも頷けるものがあるはずです。

 


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