BLACK LABEL SOCIETY『DOOM CREW INC.』(2021)
2021年11月26日にリリースされたBLACK LABEL SOCIETYの11thアルバム。
間にセルフカバーアルバム『SONIC BREW (20TH ANNIVERSARY BLEND 5.99 - 5.19)』(2019年)を挟んだものの、オリジナルスタジオアルバムとしては『GRIMMEST HITS』(2018年)以来3年10ヶ月ぶり。期間的に考えると、コロナ禍で一番大変だった時期を外しているように映りますね。
デビュー20周年を経て初めて届けられる今作は、「1998年の結成時からバンドを支えているツアー・クルー、そして世界中のファンに捧げるもの」(リリース文より)とのこと。レコーディングにはザック・ワイルド(Vo, G, Piano)、ジョン・ディサルヴォ(B)、ジェフ・ファブ(Dr)、ダリオ・ロリーナ(G)というここ数年お馴染みのメンバーで実施しています。『GRIMMEST HITS』や『SONIC BREW (20TH ANNIVERSARY BLEND 5.99 - 5.19)』と同じ布陣ですね。ですが、過去2作はレコーディングではギターパートをすべてザックが担当していたため、ダリオはツアーのみ参加という形でした。ところが、今作ではダリオもレコーディングに参加。その影響か、今作ではツインギターバンドであることを強調するようなプレイやフレーズが随所に散りばめられています。
オープニングを飾る「Set You Free」の“これぞオープニング曲”といったドラマチックな曲構成は、正直BLSにしては品が良すぎないか?と最初に感じました。これは全体を通して言えることですが、今作の楽曲は整合性の強い、完成度の高い楽曲が並んでおり、まるでオジー・オズボーンのアルバムみたい……と感じる瞬間も多い。ぶっちゃけ、来たるオジーの新作から弾かれた曲が多く含まれているんじゃないか?とすら疑ったほどです。そういった点も踏まえ、オジーソロっぽいもの、BLACK SABBATHっぽいもの、そしてBLSらしいもの、そのどれかひとつが突出することなくバランス良くミックスされるとこうなるんだ、というよなアルバムとでも言えばいいんでしょうかね。
曲によってザックのボーカルがダブルでレコーディング(同じように歌ったテイクを重ねてレコーディング)されているものもあり、そこまで含めてオジー的。ただ、ギターソロになった途端に荒れ狂うプレイが飛び込んできて「あ、間違いなくBLSだ(笑)」と安心するんですよね。
あと、先に書いた「ツインギターバンドであることを強調するような」という点ですが、ツインリードやハーモニーを強調したギタープレイが随所に用意されており、このへんはレコーディングをギタリスト2人体制で行ったことによる変化であることは間違いないでしょう。こういったプレイはオジーの作品ではまずないでしょうから、BLSならではといったところでしょうか(といっても、BLS的にも新たな試みなんですが)。同じ布陣で複数のアルバムを制作する機会の少なかった彼らですが、こういった変化も同編成で良好な関係が築けている証拠でしょう。
あと、今作をオジーのソロっぽいと称したもうひとつの理由として、バラードタイプの楽曲が多く含まれていることも挙げられます。M-4「Forever And A Day」にM-8「Love Reign Down」、M-12「Farewell Ballad」と本編のみでも3曲。さらに日本盤はCROWDED HOUSEのカバー「Don't Dream It's Over」とEAGLESのカバー「I Can't Tell You Why」もボーナストラックとして追加され、アコースティックバラード2曲が増えたことでその要素がさらに強まっています。正直、この手のカバーはソロ名義の作品でやればいいのに、と思わずにはいられませんが……良い出来なので目を瞑ります(苦笑)。
個人的には中盤の「Ruins」「Forseke」あたりからいつもの空気が漂い始め、初期サバスを彷彿とさせるダウナー&サイケデリックな「Gospel Of Lies」からラストの「Farewell Ballad」にかけた流れがお気に入り。従来のらしさに新しさが加わった、バンドの明るい未来が想像できる楽曲群&構成ではないでしょうか。そういった意味では本作、20周年を経て次の一歩を歩み始めたBLSにおいて過渡期的1枚なのかもしれません。
……なんてことを数回聴いて書いたものの、あれからさらにリピートしてみたら「やっぱり良い! ザック大好き!」という結果に(笑)。そりゃザックヲタクなんだから仕方ないか。これはこれでアリな1枚です。
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