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2021年11月25日 (木)

DEPECHE MODE『EXCITER』(2001)

2001年5月14日にリリースされたDEPECHE MODEの10thアルバム。日本盤は同年5月30日発売。

デイヴ・ガーン(Vo)、マーティン・ゴア(G, Key)、アンディ・フレッチャー(Key)の3人体制となって初のアルバム『ULTRA』(1997年)から4年ぶりのオリジナルアルバム。前作はヒップホップのテイストを取り入れつつも精神的なダークサイドが反映された内容でしたが、全英1位/全米5位という好記録を残すことに成功しました。

続く今作では、新たなプロデューサーとしてLFOのメンバーであり、ビョークとのコラボレーションでも知られるマーク・ベルを起用。ブリープテクノ界の重鎮として知られるマークですが、本作ではそのテイストを随所に散りばめつつも、いかにもDEPECHE MODEらしい重厚なエレクトロサウンドを構築することに成功しています。

全体を覆うダークさは若干薄れ、サウンド的には先のようなテイストを取り入れつつも『VIOLATOR』(1990年)『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』(1993年)でのオルタナティヴロックを彷彿とさせる色合いも復調。オープニングを飾る「Dream On」のアコースティックギターからは、あの頃の空気を多少なりとも感じることができるのではないでしょうか。ブルージーな作風の「The Dead Of Night」もまさに同様ですが、そこに現代的なテイストが加えられることでバージョンアップしていることも伺えます。

かと思えば、「When The Body Speaks」のように荘厳なストリングスとオルタナロック、そしてブリープテクノが融合したかの如く、ダウナーなサウンドスケープが展開されている。また、デイヴのボーカルも前作での悲壮感たっぷりなテイストから抜け出し、穏やかさの中に優しさと棘を隠しもった唯一無二の歌声を聴かせてくれる。「そうそう、これこれ!」と言いたくなる要素が至るところに散りばめられた、まさにDEPECHE MODE以外の何者でもない作品に仕上げられています。

……なんてポジティブなことを書いていますが、実はリリース当時はこのアルバム、素直に受け入れられなかったことも付け加えておきます。『ULTRA』の精神に迫り来るダーク&ヘヴィなテイストにどうしても馴染めず、しばらくこのバンドと距離を置いていた自分。今作リリース後もしばらく手にすることなく、実際にCDを購入したのは発売から半年近く経ってからのことでした。20年前はこのブリープテクノを通過したサウンドにどうにも馴染めず、一度聴いてしばらく放ったらかしにしていたのです。

でも、そこから5年くらい経ってからかな。たぶん次作『PLAYING THE ANGEL』(2005年)が発売されたあとだったと思うけど、ここで久しぶりにDEPECHE MODE熱が盛り上がり、過去作を振り返ろうとしたとき真っ先に手にしたのがこの『EXCITER』だったのです。時間を置いてから再び触れたことで、フラットな気持ちで本作と向き合えたことは言うまでもなく、当時の心境と見事にリンクしたこともよく覚えています。

今思えば、『ULTRA』でバンドとして再スタートを切ったDEPECHE MODEですが、あれはリハビリ期間に他ならず、真の意味で第2章の幕開けを切ったのはこの『EXCITER』からだったのではないか。発売から20年経った今、そんなことを考えています。思えばこのバンド、『MUSIC FOR THE MASSES』(1987年)以降は毎作(良い意味で)おかしなことになっており、そこに拍車が掛かったのが『EXCITER』だったのではないでしょうか。古くからのファンの間では賛否ある1枚ですが、個人的には前作『ULTRA』同様に2021年の今だからこそ聴くべき隠れた名盤のひとつだと断言しておきます。

 


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