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2021年11月12日 (金)

BULLET FOR MY VALENTINE『BULLET FOR MY VALENTINE』(2021)

2021年11月5日にリリースされたBULLET FOR MY VALENTINEの7thアルバム。

Universal傘下のSpinefarm Records移籍第1弾となった前作『GRAVITY』(2018年)から3年4ヶ月ぶりの新作。本来は10月22日発売予定でしたが、新型コロナウイルスの影響による製造の遅れで発売を2週間延ばしたとのことです。

先鋭的なヘヴィメタルから後退し、モダンなメタルコアや日本でいうところのラウドロック的なアプローチを採ったことで賛否を呼んだ前作『GRAVITY』でしたが、続く今作のプロデューサーも前作や前々作『VENOM』(2015年)を手がけたカール・ボウン(WHILE SHE SLEEPS、FIGHTSTAR、BUSTEDなど)が続投。それもあってか、音(サウンドメイキングやミックス)の質感的には過去2作との共通点も見つけられます。

一方、楽曲自体は再びアグレッシヴなメタル度が復調。冒頭を飾る「Parasite」の攻撃性は初期を思わせるものであると同時に、以降繰り返してきた変化があったからこそのモダンな質感もしっかり備わっており、それは続く「Knives」も同様。スクリームを多めに用いているものの、サビではしっかりメロウに歌い上げる曲作りはこれまでの流れにある。若干落ち着いたというかまとまりが良くなった作風は3作目『FEVER』(2010年)以降の彼らそのものであり、やはり代表作となった2作目『SCREAM AIM FIRE』(2008年)までとは違うものだと再認識させられます。

とはいえ、これはこれで非常に収まりの良い仕上がりで、“BFMVらしさ”がしっかり伝わる内容にまとめられている。マット・タック(Vo, G)は本作を指して「これはBullet 2.0の始まりだ」と述べていますが、コロナ禍で思うように身動きが取れなかった時期にしっかりと曲作りと向き合ったことで、前作での経験をしっかり消化した“次”を見定めることができたんだろうなと感じました。これがツアーに次ぐツアーを経て作られた作品だったら、同じアグレッシヴさでもまた違った形になったでしょうし。

初期の彼らとはまったく異なるアグレッションではありますが、『FEVER』で確立させた“モダンメタルバンドとしてのBFMV”を追求しつつ、しっかり時代に則したメタル感を反映させ続ける。と同時に、スタジアムバンドとしての矜持が伝わる楽曲(「Bastards」など)も用意し、ストリートからスタジアムまで通用する緩急に富んだ楽曲を並べる。そういうアーティストとしての進化と流行との対峙、そしてこれまでのスタイルを維持することなどのバランスが今作はもっとも優れているように映ります。2021年を生きる現在進行形のバンドとしてはこれが正解なんだと実感させられる、問答無用の1枚。間違いなく、彼らが目指すべく方向性においては本作が最高傑作だと思います。セルフタイトルを用いるくらいですから、彼らの覚悟も伝わってきますしね。

あとは、BFMVのファンが今の彼らに何を求めるのか。バンドの姿勢とそこが乖離していないことを願うばかりです(しっかり受け入れられるといいな)。

 


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