BRYAN ADAMS『18 'TIL I DIE』(1996)
1996年6月4日にリリースされたブライアン・アダムスの7thアルバム。日本盤は同年6月1日に先行発売。
「(Everything I Do) I Do It For You」という世紀のメガヒット曲を生み出した前作『WAKING UP THE NEIGHBOURS』(1991年)からは計6曲ものヒットシングルが生まれ、2年近くにわたるロングヒット作となりました。また、1993年にはこのヒットを受けて初のベストアルバム『SO FAR SO GOOD』も発表され、同作からの新曲「Please Forgive Me」も大ヒット。さらに映画のために制作されたロッド・スチュワート、スティングとのコラボ曲「All For Love」も各国で1位を獲得するなど、しばらくは話題に事欠かないブライアンなのでした。
1995年に入ると、再び映画のために新曲「Have You Ever Really Loved A Woman?」を制作。この曲も世界各国で1位という大記録を樹立。そこから1年を経て、ついに届けられた5年ぶりのアルバムが“死ぬまで18歳(=青春)”と題されたいかにも彼らしい1枚でした。
プロデューサーには前作から制作に加わったジョン・マット・ラングを再起用。ソングライティングでもジョンとがっつりタッグを組み、前作ではジム・ヴァランスなど外部ライターも複数曲で関わっていたところを今作ではほぼブライアン&ジョンの2人で制作しています。
前作はモロにジョン・マット・ラングらしい音(=DEF LEPPARD的の機械的な硬さ)でしたが、今作はそれ以前のラフで軽やかなロックンロールを軸にしており、前作がなんとなく苦手だったというリスナーも本作のナチュラルさにホッとするのではないでしょうか。
一方で、楽曲面に目を向けると前作から5年という歳月の重みが強く伝わる、非常に落ち着いたトーンの楽曲が中心。リードシングル「The Only Thing That Looks Good On Me Is You」やタイトルトラック「18 Til I Die」「We're Gonna Win」「It Ain't A Party... If You Can't Come 'Round」のようにアンセミックなロックチューンも複数含まれているものの、「Let's Make A Night To Remember」や「Star」「I Think About You」「You're Still Beautiful To Me」などのように穏やかなミディアム/スローナンバーも数多く用意されている。しかも、これらの楽曲を覆う空気感がみずみずしさというよりは大人のほろ苦さといったアダルトなもので、“死ぬまで青春”と言いながらも若さ全開というわけではなく、大人になったブライアンが青春時代を振り返りつつこのまま前進していくというスタイルに近いのかな。そう考えると、ロックンロールナンバーの多くが若干大人びているトーンなのも納得がいきます。
今作をリリースした時点ですでに37歳。人生折り返しに近づいてきたブライアンが掲げる“生涯青春宣言”的ロックアルバム。グランジやヒップホップ主導の1996年においては前作ほど響くものではなく、第二の故郷であるイギリスでは1位を獲得したものの、本国カナダでは4位、アメリカにおいては31位止まり。シングルに関しても「The Only Thing That Looks Good On Me Is You」(全米52位/全英6位/カナダ1位)、「Let's Make A Night To Remember」(全米24位/全英10位/カナダ1位)、「Star」(全英13位)、「18 Til I Die」(全英22位/カナダ21位)と中ヒットで終わっています。が、本作発表後にリリースしたバーブラ・ストライサンドとのデュエット曲「I Finally Found Someone」は全米8位、全英10位という好成績を残しているので、まだまだ人気が下火というわけでもなさそうですね。
70分以上の長尺作だった前作と比べると、今作は全13曲で52分と比較的コンパクト。それもあってか、当時はドライブなど含め移動のお供として重宝した1枚でした。
▼BRYAN ADAMS『18 'TIL I DIE』
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