MOTLEY CRUE『TOO FAST FOR LOVE (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』(2021)
2021年11月10日にリリースされた、MOTLEY CRUEの1stアルバム『TOO FAST FOR LOVE』(1981年)最新リマスター盤。現時点ではフィジカルでの発売なしの、デジタル限定作品となっています。
今年6月に4thアルバム『GIRLS, GIRLS, GIRLS』(1987年)と3rdアルバム『THEATRE OF PAIN』(1985年)、9月には5thアルバム『DR. FEELGOOD』(1989年)、そして10月に2ndアルバム『SHOUT AT THE DEVIL』(1983年)の最新リマスター盤を立て続けにリリースしたMOTLEY CRUE。これらはバンド結成40周年の記念企画の一環として制作されたもので、今春のRecord Store Dayではこれら5作品のカセットテープが限定販売され話題を集めたばかりです。
これにて初期作品の最新リマスター盤企画はひとまず完結かな。最後にこの1stアルバムが選ばれたのは、リリース日の11月10日が40年前に今作が初めてリリースされた日だから。つまり、真の意味での40周年企画クライマックスなわけです。
さて、その40年前の音源の2021年最新リマスターの効果についてです。今回リマスターされた音源は、1981年初出時のオリジナルLeathürバージョンではなく、1982年のメジャーデビューに際してロイ・トーマス・ベイカーがリミックスを施したElektraバージョン。そもそもLeathürバージョンはすでにマスターテープが存在していないようなので、こうなりますわな(なので、過去ボックスなどでCD化された際のLeathürバージョンは、アナログ盤から起こした音なのです)。
気になるリマスタリング効果ですが、過去に触れてきた4作品同様に“音量をできる限りあげてコンプをかけて均一化したようなバランス感”でまとめ上げられています。なので、オリジナル版やその後のリマスターバージョンほど、ギターの尖った感が抑えられており、耳障りはだいぶ良いのではないでしょうか。「Starry Eyes」あたりを聴くと、そのへんの効果がよりわかりやすい気がします。
一方で、ドラムの低音がかなり効いており、イマドキのサウンドメイクに寄せられている印象も。「Live Wire」冒頭のツーバスでドコドコ突進するパートや、「Come On And Dance」でのドラムはこの効果がもっとも強く表れているような気がします。
まあ1981年のラフな録音をその後の作品と違和感なく聴かせること自体困難を極める作業ですし、ましてや『DR. FEELGOOD』のように鉄壁なサウンドと比較されたらたまったものじゃない。そう、この頃の音はオリジナルのチープさこそが売りであって、そこをなかったことにして現代的にドーピングするのはちょっと違うんじゃないかと思うんです。
なもんで、個人的には最初のLeathürバージョンの音が一番好きなんですよ。もっとも、僕がこれまで聴いてきた同作の音はレコード起こしの海賊盤と、正規版ながらも同様の起こしで若干のミックスを加えたバージョン。もしかしたら、レコードを通じて響く音がお気に入りなのかもしれません。『SHOUT AT THE DEVIL』のときにも
以前、レギュラーで出演しているDJイベントで本作のアナログ(1983年当時の日本プレス盤)を大音量で回したのですが、そこで耳にした音がこれまで聴いてきた『SHOUT AT THE DEVIL』の中ではベストだった、という一言だけは付け加えておきます。
と書きましたが、本作に関しても同様のことが言えると思います。だってこれ、CDが存在していなかった時代の作品ですからね。
まあ、なにはともあれ。これからMOTLEY CRUEのカタログに手を出そうとしている奇特な方(笑)には、ぜひこのデビュー作から順を追って彼らの進化を追体験してみてください。
▼MOTLEY CRUE『TOO FAST FOR LOVE (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』
(amazon:MP3)
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