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2021年12月 7日 (火)

NIRVANA『NEVERMIND (30TH ANNIVERSARY SUPER DELUXE)』(2021)

2021年11月12日にリリースされた、NIRVANAの2ndアルバム『NEVERMIND』(1991年)発売30周年を記念したボックスセット。日本盤は同年12月1日発売。

本作は『NEVERMIND』の最新リマスター盤に加え、未発表のライブ音源CD4枚とライブ映像Blu-ray1枚、そして秘蔵写真満載のフォトブックなどで構成。『NEVERMIND』のリイシューは2011年の20周年のときにも豊富なアイテムが発表され、さすがにここで打ち止めだろ?と思わせておいて、さらに貴重な音源をぶっ込んでくるという鬼のような仕打ち。10年前、高額なボックスセットを購入した筆者にとっても悩ましいアイテムです(苦笑)。

さて、リマスターに関しては今回は割愛。もともと音の良いアルバムでしたし、正直20周年リマスターのときもそこまで大きな変化をしておらず、今回も聴き流す限りでは大きな変化は得られなかったので。

となると、気になるのは未発表ライブ音源の数々。今回は1991〜92年という『NEVERMIND』リリース以降のノリにノッた4公演をまるまる楽しむことができます。その内訳は、①オランダ・アムステルダム公演(1991年11月25日)、②アメリカ・カリフォルニア公演(1991年12月28日)、③オーストラリア・メルボルン公演(1992年2月1日)、④日本・東京公演(1992年2月19日)。Blu-rayにはこのうち、アムステルダム公演の映像がまるまる収められています。

アムステルダム公演からは「School」「Been A Son」「Lithium」「Blew」が、カリフォルニア公演からは「Drain You」「Aneurysm」「Smells Like Teen Spirit」がライブアルバム『FROM THE MUDY BANKS OF THE WISHKAH』(1996年)で過去に発表済みですが、今回はすべてのライブ音源が新たにリマスタリングを施されているとのこと。そういった意味では、すべての音源が初出みたいなものなのかな。

公演によって音の質感はまちまちですが、それぞれ臨場感は強く、特に『NEVERMIND』がチャートを駆け上って全米1位まで到達する時期の①と②のライブからは、バンドの勢いが思う存分に感じられるはず。そんな状況に対してカート・コバーン(Vo, G)が嫌悪感マシマシのスタンスになり始めた1992年初頭の③と④、中でも唯一の来日公演となった1992年2月のジャパンツアーから最終日の中野サンプラザ公演の模様は、間に挿入されるMCなどからもバンド(というかカート)の当時の姿勢が伝わってきます。

ここはやはり④の日本公演が音源化されたことがうれしい限り。音質的には4公演中もっとも良好とは言い難いものですが(そもそも①と②はラジオなどでのオンエアを目的に収録された音源ですしね)、その音質含めバンドのラフさが伝わるものになっており、一周回ってアリに思えてくるはず。ライブハウスではなく座席指定のホールでのライブというのもバンドにとって違和感のひとつだし(ダイブやモッシュ、クラウドサーフができませんしね)、観客に対しての警備の厳しさも同様だったみたいですね(このへんは当時音楽雑誌に掲載されたライブレポートなどで確認できます)。

僕はこの公演と2月17日のクラブチッタ公演のチケットを確保していたのですが、購入前後に確定したイギリス留学のため友人に託し、結局一度も彼らのライブを生で体験することはできませんでした。だからこそ、この④のライブを会場で目にしていたら、当時20歳の自分はどんなことを感じたんだろう?と思うのです。曲中に飛び込んでくる熱狂的な歓声のファン同様、僕も叫び散らしていたのかな。あるいは、前々日のチッタ公演で散々暴れられたのに、サンプラザでは身動き取れずにフラストレーションが溜まっていたとか。今となっては「if」の話ですが……。

さすがに商品として世に出せるライブ音源はもうほとんどないでしょうし、40周年の頃にはフィジカル自体がこの世から消えている可能性だってゼロではないので、こういったアニバーサリー商品はこれが打ち止めかな?という気がします。そういった意味では、何をしてでも確保しておくべきアイテムかもしれませんね。

 


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