NEMOPHILA『REVIVE』(2021)
2021年12月15日にリリースされたNEMOPHILAの1stアルバム。
NEMOPHILAは2019年に結成された女性5人組メタルバンドで、メンバーはmayu(Vo)、SAKI(G/Mary's Blood、AMAHIRU)、葉月(G/ex. Disqualia)、ハラグチサン(B)、むらたたむ(Dr)の5人。YouTubeでの“演奏してみた”動画などで注目を集めつつ、2020年にはシングル「OIRAN」「雷霆 -RAITEI-」をリリースし続けます。僕自身、「OIRAN」リリースのタイミングだったか、それと前後してYouTubeでIRON MAIDEN「The Trooper」の“演奏してみた”動画を偶然見つけたかでNEMOPHILAを知り、以降音源とYouTubeを追いかけ続けて今日に至ります。
待望のフルアルバムとなる本作は「OIRAN」「雷霆 -RAITEI-」、そして今年発表された「DISSENSION」という3枚のシングルからの5曲に、新曲6曲を加えた全11曲を収録。マスタリングにはスウェーデンの人気エンジニア、イェンス・ボグレン(SOILWORK、OPETH、DIR EN GREYなど)を起用し、既存の「DISSENSION」「SORAI」「雷霆 -RAITEI-」には新たにリマスタリング、「Life」「OIRAN」はボーカルとギターを再録&リマスタリングと、新曲に合わせた音作りが施されています。
2010年代のモダンメタルをベースにしつつ、国内ラウドロックからグランジまでハード&ヘヴィなサウンドを落とし込んだ楽曲群はどれもクール。かつ、メロディも非常にキャッチーなものが多く、そのモダンな音像含め非常に“今の耳”にジャストなものばかりで好感が持てます。その楽曲群もヘヴィを軸にしつつ、非常にバラエティに富んだ内容となっており、かつ「Life」のようなじっくり歌を聴かせる曲も含まれていることから、聴き手をまったく飽きさせることがありません。
これまで発表されてきた楽曲は作詞をmayuが手がけているものの、作曲はサウンドプロデューサーの秋山健介が担当したものが大半でしたが、新曲群では葉月が作詞、作曲がハラグチサンという「HYPNOSIS」や、mayu&むらたたむ作詞による「GAME OVER」、SAKI作曲の「Rollin' Rollin'」も含まれており、当初のプロジェクト感が少しずつ払拭され、よりバンドとしての色合いを強め始めています。すべての楽曲をメンバーが手がける必要はないかもしれませんが、今後はそのバランス感にも注目していきたいと思います。
楽器隊のバカテクぶりは相変わらずですが、やはりこのバンドはmayuの圧倒的なボーカル力に注目してもらいたいところ。オープニングを飾る「RIVIVE」での性別を超えたスクリームや、随所で聴くことができる野太さと、それと相反するスウィートさ、時には艶やかさ漂う歌声は近年登場したガールズメタルバンドの中でも随一の個性&テクニックの持ち主ではないでしょうか。
「REVIVE」から始まり「OIRAN」で締め括る構成にも強い意図が感じられるし、1stアルバムとしては純粋によく作り込まれた良作だと思います。上出来すぎでしょ。むしろ、このバンドの場合は2作目以降で持ち味のうちのどこを特化させるかで、その後の方向性が変わっていきそうな気がします。どんな方向に進んでも対応できるだけの実力の持ち主が揃っていますし、ハード&ヘヴィかつメロウという地盤さえ失わなければ大丈夫のような気もしますが……まあ、まずは本作ですよね。普段メタルは聴かないというラウド系リスナーにも十分響く内容なので、ぜひ広く伝わってほしいものです。
年明け1月9日には早くもLINE CUBE SHIBUYA(旧・渋谷公会堂)でのワンマンライブも決まっていますし、海外展開も気になるところ。ここからどう化けていくのか、見守っていきたいと思います。
▼NEMOPHILA『REVIVE』
(amazon:国内盤CD / 国内盤CD+DVD / MP3)
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