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2021年12月 5日 (日)

CONVERGE『BLOODMOON: I』(2021)

2021年11月19日にリリースされたCONVERGEの10thアルバム。

前作『THE DUSK IN US』(2017年)から4年ぶりのオリジナルアルバムは、チェルシー・ウルフと彼女のバンドメンバーでありソングライティングパートナーのベン・チザム、そしてCAVE INのステファン・ブロズキー(Vo, G)をコラボレーターに迎えた異色作。2019年末から制作がスタートしたものの、その後のパンデミックによるロックダウンを受け、一部リモートにて制作が進められたとのことです。

アルバム冒頭を飾るヘヴィな抒情的ナンバー「Blood Moon」が本作を象徴する1曲だと思うのですが、いかがでしょう。スピードや瞬発力を重視したカミソリの刃のような殺傷力を重視するのではなく、重さや陰鬱さを強調したハンマーでぶん殴るような破壊力にシフトすることで、油断した瞬間に叩き込まれる一撃の攻撃力がハンパない。かつ、その一撃を喰らうまで/食らったあとの余韻作りも非常に考えられており、死が迫る中で目の前に陽炎のように浮かぶ走馬灯を思わせる世界観が展開されている(自分で書いていてちょっと意味がわかりませんが、でもこれ以外に表現のしようがないのです)。

「Viscera Of Men」などのようにスピード感の強い曲もあるにはあるけど、曲全体をその勢いで通すのではなく、途中から重苦しくドゥーミーなスタイルへとシフトしていく。また、アコースティック色を強めた「Coil」のようなスタイルは、前作『THE DUSK IN US』でも試みた方向性のひとつでもあり、あの時点でのトライが次作で(コラボレーションという形を取りながら)開花しているのも興味深いところ。個人的にはこのスタイルへのシフト、大歓迎です。

随所でチェルシー・ウルフが加わった強み、ステファンが参加した強みも感じられるものの、全体を通して思うのは「やっぱり、どこからどう聴いてもCONVERGE」だということ。もちろん、過去のアルバムとの違いを至るところに見つけられ、聴いていて驚きの連発なのですが、1枚聴き終えて思うのはバンドとしての個性が確立された結果、軸にある“らしさ”はまったくブレることがない。10作目にしてこういう挑戦を試みること自体、非常に勇気のいることだと思うのですが、このバンドに関しては勇気とかプライドとかつまらないことにこだわることなく、常に革新的なことに挑み続けたい。それだけのことなのかもしれません。

数あるカードの中からひとつを選んで、そこに特化させた作品を気心知れた外部の友人たちと作り上げる。その結果、新鮮味を強めつつも軸足はまったくブレない自分たちらしいアルバムを完成させた。気づけば傑作『JANE DOE』(2001年)から20年、そりゃCONVERGEも同じ場所にとどまってはいられないわけです。

CONVERGEやCAVE INのファンはもちろんのこと、個人的にはチェルシー・ウルフのリスナーにこそ届いてほしい1枚だと感じています。いやあ、すごいアルバムを完成させたもんだ。

 


▼CONVERGE『BLOODMOON: I』
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