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2022年1月

2022年1月31日 (月)

2021年12月のアクセスランキング

2021年総括はこちらから

ここでは2021年12月1日から12月31日までの各エントリーへのアクセスから、TOP30エントリーを紹介します。内訳は、トップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位30記事。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたらと。

ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日公開/↑●位)」の表記は、「更新日/2021年11月のアクセスランキング順位」を表しています。

 

1位:1991 in HR/HM & Alternative Rock(※2021年12月21日公開/NEW!)

2位:NIRVANA『NEVERMIND (30TH ANNIVERSARY SUPER DELUXE)』(2021)(※2021年12月7日公開/NEW!)

3位:THE DARKNESS『MOTORHEART』(2021)(※2021年12月8日公開/NEW!)

4位:CONVERGE『BLOODMOON: I』(2021)(※2021年12月5日公開/NEW!)

5位:CYNIC『ASCENSION CODES』(2021)(※2021年12月6日公開/NEW!)

6位:楠木ともり『narrow』(2021)(※2021年11月13日公開/↓1位)

7位:THE HELLACOPTERS『REAP A HURRICANE』(2021)(※2021年12月18日公開/NEW!)

8位:DAVE GAHAN & SOULSAVERS『INPOSTER』(2021)(※2021年12月1日公開/NEW!)

9位:GAMMA RAY『SIGH NO MORE』(1991)(※2021年12月22日公開/NEW!)

10位:DAMON ALBARN『THE NEARER THE FOUNTAIN, MORE PURE THE STREAM FLOWS』(2021)(※2021年12月2日公開/NEW!)

 

11位:EMMA RUTH RUNDLE & THOU『MAY OUR CHAMBERS BE FULL』(2020)/『THE HELM OF SORROW』(2021)(※2021年12月3日公開/NEW!)

12位:ENUFF Z'NUFF『NEVER ENUFF: RARITIES & DEMOS』(2021)(※2021年9月7日公開/Re)

13位:VOLBEAT『SERVANT OF THE MIND』(2021)(※2021年12月13日公開/NEW!)

14位:EMMA RUTH RUNDLE『ENGINE OF HELL』(2021)(※2021年12月4日公開/NEW!)

15位:LUCIFER『LUCIFER IV』(2021)(※2021年12月18日公開/NEW!)

16位:MANIC STREET PREACHERS『I LIVE THROUGH THESE MOMENTS AGAIN AND AGAIN: DUETS 1992-2021』(2021)(※2021年12月11日公開/NEW!)

17位:WALTARI『3RD DECADE: ANNIVERSARY EDITION』(2021)(※2021年12月12日公開/NEW!)

18位:THE LURKING FEAR『DEATH, MADNESS, HORROR, DECAY』(2021)(※2021年12月14日公開/NEW!)

19位:2021年総括:HR/HM、ラウド編(※2021年12月31日公開/NEW!)

20位:TORRES『THIRSTIER』(2021)(※2021年12月9日公開/NEW!)

 

21位:NEMOPHILA『REVIVE』(2021)(※2021年12月29日公開/NEW!)

22位:HYPOCRISY『WARSHIP』(2021)(※2021年12月16日公開/NEW!)

23位:2021年上半期総括(※2021年7月4日公開/Re)

24位:WHITECHAPEL『KIN』(2021)(※2021年12月17日公開/NEW!)

25位:COURTNEY BARNETT『THINGS TAKE TIME, TAKE TIME』(2021)(※2021年12月10日公開/NEW!)

26位:RADIOHEAD『KID A MNESIA』(2021)(※2021年11月10日公開/↓3位)

27位:OF MICE & MEN『ECHO』(2021)(※2021年12月19日公開/NEW!)

28位:SeeYouSpaceCowboy『THE ROMANCE OF AFFLICTION』(2021)(※2021年12月27日公開/NEW!)

29位:IMMINENCE『HEAVEN IN HIDING』(2021)(※2021年12月20日公開/NEW!)

30位:LOCK UP『THE DREGS OF HADES』(2021)(※2021年12月15日公開/NEW!)

2022年1月のお仕事

新年あけましておめでとうございます。本年も当サイトをよろしくお願いいたします。さて、2022年1月に公開されたお仕事の、ほんの一例をご紹介します。随時更新していきます。(※1月26日更新)

 

[紙] 1月26日発売「CONTINUE」Vol.75にて、「ラブライブ!」シリーズカウントダウンライブ(2021年12月31日)レポートを担当しました。(Amazon

[WEB] 1月18日、「ホミニス」にてライブレポート楠木ともりが2年ぶりの有観客ワンマンライブで思いを語る「今、目の前に皆さんがいる」が公開されました。

[WEB] 1月11日、「リアルサウンド」にてライブレポート櫻坂46、『3rd Single BACKS LIVE!!』が生み出した新たなドラマ 16名の決意が込められた渾身のステージが公開されました。

[WEB] 1月10日、「Pop'n'Roll」にてライブレポート櫻坂46[ライブレポート]多彩なパフォーマンスで希望あふれる2022年の幕開けを飾った<BACKS LIVE!!>「この経験をこれからの櫻坂全体の活動にも活かしていきたい」が公開されました。このほかにもさまざまな媒体で掲載中です。

[WEB] 1月7日、「ホミニス」にてイベントレポート村上まなつ、雨宮天、「明日ちゃんのセーラー服」の衝撃的な出会いのシーンに自分たちなら...が公開されました。

[WEB] 1月5日、「ホミニス」にてイベントレポート内田雄馬&斉藤壮馬の「オリエント」生アフレコに共演者からも感嘆の声!が公開されました。

[紙] 1月4日発売「日経エンタテインメント!」2022年2月号にて、乃木坂46齋藤飛鳥インタビュー、櫻坂46菅井友香の連載「いつも凛々しく力強く」および日向坂46渡邉美穂の連載「今日も笑顔で全力疾走」の各構成を担当しました。(Amazon

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2021年12月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップしたプレイリストをSpotifyにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 2112号』。レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

THE BEATLES『THE BEATLES: GET BACK - THE ROOFTOP PERFORMANCE』(2022)

2022年1月28日からストリーミング配信がスタートした、THE BEATLESのライブアルバム。デジタルリリース、およびフィジカルリリースは今のところ予定なし。

本作は1969年1月30日、ロンドンのサヴィル・ロウにあるApple Corps Ltd.本社の屋上で行われた、THE BEATLESの事実上ラストライブの模様を完全収録したもの。昨年秋に公開されたドキュメンタリー映像作品『THE BEATLES: GET BACK』の中にも同シーンは登場しますが、その際にジャイルズ・マーティンとサム・オケルによって初めてステレオ&ドルビーアトモス・リミックスが施されています。

大勢の聴衆が集まってしまったことで警察が介入し、約40分で中断/終了したこの“ルーフトップ・コンサート”と呼ばれるラストライブ。ビートルズにとって人前でライブ演奏を披露するのは、1966年8月29日のサンフランシスコ公演以来2年5ヶ月ぶりのことでした。ここで演奏された全10曲(複数テイクがあるので、実質5曲+英国歌「God Save The Queen」のセッション)はすべてラストアルバムとなった『LET IT BE』(1970年)のセッションから生まれたものですが、スタジオテイクよりも生々しくドライブ感の強い演奏/パフォーマンスは「これぞ“ライブバンド・THE BEATLES”」と呼べるものばかりではないでしょうか。

オープニングを飾る「Get Back」からして重心の低い、うねるようなグルーヴを思う存分に堪能することができる。同曲はテイク3まで収録されていますが、個人的にはポール・マッカートニーのボーカルが冴え渡る一発目のテイクが一番良いかな。以降もジョン・レノン&ポール・マッカートニーのハモリが鳥肌モノの「Don't Let Me Down」や「One After 909」、ロックバンド然としたパフォーマンスの「I've Got A Feeling」「Dig A Pony」と、どれもアルバム音源以上の仕上がりです。

曲間のちょっとしたやりとりや音出しの様子、メンバーの掛け声などもそのまま残されており、ライブアルバムというよりはスタジオセッションの模様をそのまま残したような音源でもある。かつ、観客との距離があることから歓声も含まれていないことから、その生々しさと緊張感がダイレクトに伝わる。そうそう、こういうビートルズの演奏が聴きたかったのよ……と思ったファンも少なくないはずです。音の分離やミックスのバランスもちょうどいい塩梅で、とても53年前の音源とは思えないほどのクオリティですし。ピーター・ジャクソンがこのタイミングにあのドキュメンタリーを完成させていなかったら、この先も黙殺されていたかもしれない貴重な音源、本当にありがたいです。

CDやアナログ盤などフィジカルリリースも熱望されている本作ですが、おそらく映像版『THE BEATLES: GET BACK』のソフト化にあわせて改めて販売されるのではないでしょうか。そんな気がしてなりません(そもそもソフト化の可能性があるのかどうかも謎ですけど)。なので、今のところは気軽に楽しめるストリーミング版で飽きるまでリピートしてやろうと思います(いや飽きないと思いますが)。

 


▼THE BEATLES『THE BEATLES: GET BACK - THE ROOFTOP PERFORMANCE』
(amazon:Amazon Music

 

T. REX『THE SLIDER』(1972)

1972年7月21日にリリースされたT. REXの3rdアルバム。TYRANNOSAURUS REX名義を含めると、通算7作目。

前作『ELECTRIC WARRIOR』(1971年)で初の全英1位を獲得し、アメリカでも初のTOP100入り(最高32位)を果たしたマーク・ボラン(Vo, G)率いるT. REX。翌1972年春に発表したコンピ盤『BOLAN BOOGIE』も全英1位を記録し、「Hot Love」(全英1位、全米72位)、「Get It On」(全英1位、全米10位)、「Jeepster」(全英2位)、「Telegram Sam」(全英1位、全米67位)、「Metal Guru」(全英1位)と本国イギリスでは飛ぶ鳥を落とす勢いの中このアルバムがドロップ。イギリスでは最高4位と前作には及びませんでしたが、アメリカでは最高17位とキャリア最高位を記録しました。

当時のマーク・ボランの勢いがそのまま反映された、オープニングを飾る「Metal Guru」のいかがわしさ&ゴージャスさこそがこのアルバムのすべて。「グラムロックとは何ぞや?」という問いに最適な答えを与えてくれるのが、このアルバムではないでしょうか。ハットを被ったマークのモノクロ写真に赤字のバンドロゴという、シンプルなんだけどどこかセクシーさを感じさせるアートワークもグラムロックの持つ猥雑さを伝えるに十分。セールス的には『ELECTRIC WARRIOR』がもっとも売れた1枚ですが、個人的には『ELECTRIC WARRIOR』以上に当時の世相とブームの熱がダイレクトに伝わる1枚だと感じています。

代表曲といえる「Telegram Sam」や「Metal Guru」はもちろん、タイトルトラック「The Slider」のルーズさ、のちにGUNS N' ROSESもカバーしたヘヴィな「Buick Mackane」、アコースティック調の穏やかさの中にもエロさが伝わる「Spaceball Ricochet」、重心の低いリズムの割りに軽快さがしっかり伝わる「Baby Strange」、タイトルのみならずサウンドや曲調からも同時期のデヴィッド・ボウイとイメージが重なる「Ballrooms Of Mars」、グルーヴィーなリズムと独特の浮遊感が気持ち良い「Chariot Choogle」、アルバムをラストを飾るにふさわしいアコースティック調のミディアムナンバー「Main Man」など、とにかく良曲揃い。今聴いてもまったく色褪せない内容です。

ボウイの『THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS』(1972年)ROXY MUSICのデビュー作『ROXY MUSIC』(1972年)と並んでグラムロックブームを代表する1枚。特にT. REXはアルバム未収録のシングルヒット(「Hot Love」や「Children Of The Revolusion」「Solid Gold Easy Action」「20th Century Boy」など)が多いため、初心者はグレイテストヒッツ・アルバムから聴くのが正しいのかもしれませんが、グラムロックというムーブメントの空気を追体験するという意味においては、この『THE SLIDER』から手を伸ばすのが正解のような気がしています。

バンドとしてのピークを本作で迎えたT. REXは、続く『TANX』(1973年)あたりまでその人気を維持しつつも、徐々に失墜。マーク・ボランは1977年9月16日に交通事故に遭い、29歳という若さでこの世を去ることになります。

 


▼T. REX『THE SLIDER』
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2022年1月30日 (日)

DAVID BOWIE『TOY (TOY:BOX)』(2022)

2022年1月7日にリリースされたデヴィッド・ボウイの3枚組未発表音源集。日本盤は同年1月12日発売。

本作は当初、『TOY』というタイトルで2001年3月にリリースを予定していたものの、当時のレーベル(Virgin Records)から発売を拒否されたことからお蔵入りに。その後Virginを離れ、本作に収録されたトラックのいくつかを元にしながら、新たなアルバムとして完成されたのがトニー・ヴィスコンティをプロデューサーに迎えた『HEATHEN』(2002年)でした。

『'hours…'』(1999年)で原点回帰とも言えるスタイルに立ち返り、同作を携えて2000年初夏の『Glastonberry Festival』でヘッドライナーを務めたボウイは、その手応えを抱えたままツアーメンバーと同年夏〜秋にスタジオ入り。活動初期の楽曲(主に「Space Oddity」でのブレイク前中心)を今のボウイの技術とこのバンドメンバーの演奏/アレンジ力で表現したらどうなるか……それが『TOY』と題されたアルバムのテーマでした。

アルバムのプロデュースを手がけたのは、『'hours…'』から引き続きマーク・プラティとボウイ自身。レコーディングにはアール・スリック(G)、ゲイル・アン・ドロシー(B)、マイク・ガーソン(Key)、スターリング・キャンベル(Dr)とお馴染みの面々が参加し、ストリングスアレンジではトニー・ヴィスコンティの名前も見つけることができます。作品のテイスト的には『'hours…'』と『HEATHEN』の中間と言えるもので、まさにこの2作の間に制作されることがわかる、両作の橋渡し的内容と言えるもの。シンプルなバンドアンサンブルで表現された良曲の数々は、確かにボウイらしい革新的な要素や派手さこそ皆無ですが、制作から20年以上経った今聴いてもまったく色褪せることのないものばかり。もっと言えば、楽曲自体は50年以上前に制作されたものなわけで、そこを差し引いても正真正銘のエヴァーグリーンな名曲集と言えるでしょう。

ボウイは本作を“サプライズリリース”したかったようですが、当時の体制では今みたいにノンプロモーションで突然市場にアルバムを出荷することは不可能に近かった。さらに、当時のレーベルは枯れに枯れまくった本作をどう売っていいかわからなかった。いろんな意味で“早すぎた”アルバムだったのかもしれませんね。しかし、当時53歳のボウイにとって音楽人生および一人の人間として折り返しに入ったタイミングに、ある種懐古的な作品に着手したというのも興味深い話であり、真の意味での次のステップを踏み出す前に絶対的に必要な作業だったのかもしれません。

収録された12曲の大半は、すでに『HEATHEN』のデラックス盤やシングルのカップリング、ベストアルバム『NOTHING HAS CHANGED』(2014年)などで公開されてましたし、2011年にリークされたバージョンとは内容が少々異なります。ですが、(ボウイ死後の編集されたとはいえ)今回の12曲入りバージョンこそが真の意味での『TOY』として受け取ることにしておきます。

なお、本作は3枚組ボックスに先駆けて、アルバム本編(12曲)が2021年11月26日にボックスセット『BRILLIANT ADVENTURE (1992-2001)』の一部として先行リリース。今回発売されたのはアルバム本編を収めたDISC 1、本編から漏れた「Liza Jane」「In The Heat Of The Morning」のほか『TOY』収録曲の別バーションを収めたDISC 2、アコースティック楽器と歌のみでシンプルに表現された『TOY』収録曲にエレクトリック楽器を新たオーバーダブした“Unplugged & Somewhat Slightly Electric”バージョンで構成されたDISC 3の3枚組となっています。DISC 2の“Alternatives & Extras”はマニア向けかもしれませんが、アルバム本編(DISC 1)とあわせてDISC 3はぜひとも聴いてもらいたいところ。同じ曲でも味付け次第でまったく別モノになるんだということがわかるし、どちらもボウイらしさに満ち溢れた内容なので……ゆっくり、じっくりと味わってほしいです。

ボウイのキャリアを総括したボックスセットシリーズも、残すところ『HEATHEN』、『REALITY』(2003年)、『THE NEXT DAY』(2013年)、『★ (BLACKSTAR)』(2016年)までをまとめた最終章のみ。今のところ2023年発売を予定しているそうですが、『★』完成後に着手したデモ音源が日の目を見るのかを含め、その内容が気になるところです。

 


▼DAVID BOWIE『TOY (TOY:BOX)』
(amazon:国内盤3CD / 海外盤3CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年1月29日 (土)

STEVE VAI『INVIOLATE』(2022)

2022年1月28日にリリースされたスティーヴ・ヴァイの10thアルバム(1998年の『FLEX-ABLE LEFTOVERS』、2016年の『MODERN PRIMITIVE』含む)。日本盤は海外に先駆け、同年1月26日発売。

『PASSION AND WARFARE』(1990年)の25周年記念盤に同梱される形で発表された前作『MODERN PRIMITIVE』は、『PASSION AND WARFARE』制作当時から書き溜めていたアイディアを正式に形にすべく新たにレコーディングした新作音源集だったので、純然たる完全書き下ろしの新作となると『THE STORY OF LIGHT』(2012年)以来実に9年7ヶ月ぶり。ずいぶん空いたように映りますが、ヴァイはその間もライブアルバム&映像作品『STILLNESS IN MOTION: VAI LIVE IN L.A.』(2015年)や、トーシン・アバシ(ANIMALS AS LEADERS)、ヌーノ・ベッテンコート(EXTREME)、ザック・ワイルドBLACK LABEL SOCIETYOZZY OSBOURNE)、イングヴェイ・マルムスティーンによるGENERATION AXEのライブアルバム『THE GUITARS THAT DESTROYED THE WORLD: LIVE IN CHINA』(2019年)などで忙しくしていたので、正直10年も経ったという感覚はゼロなんですよね。

特に近年は肩の手術やばね指発症による手術など、心配になる情報も多々ありましたが、そんな中でもサポーターを装着した状態で左手のフィンガリングのみでプレイする「Knappsack」(本作にも収録)の動画を公開し、その奇才ぶり健在をアピール。そんなこんなでようやく届けられたのが本作なわけです。

そもそもは「クリーントーンのギターによる作品」「通常の歪ませたギターによる作品」「8弦ギターを使ったヘヴィな作品」の3作品の制作を想定していたそうですが、コロナによるロックダウンを受け複数のミュージシャンでスタジオに集まることが困難になり頓挫。まずは「Candlepower」(2020年配信リリース)から取り掛かり、その後はボーカルアルバムを想定していたようですが、上記のように幾多のトラブルが発生し、紆余曲折を経て当初の3作品をひとつにまとめたような内容に仕上がったとのこと。ボーカルアルバムはまたこの次に……ということで、まずは今年予定されているツアーを想定したドライブ感があり、かつプログレッシヴで、ヴァイらしいサイケデリック感も強い1枚に仕上がりました。

レコーディングは曲ごとに異なるバンド編成で実施されており、そのメンツもベースはブライアン・ベラーやヘンリック・リンダー(DIRTY LOOPS)、ビリー・シーン(SONS OF APOLLOMR. BIGなど)、フィリップ・バイノー、ドラムはジェレミー・コルソン、テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタと名手ばかり。中でもテリー・ボジオとはVAI名義での『SEX & RELIGION』(1993年)以来の共演実現とって、非常にワクワクするものがあります。

オープニングを飾る「Teeth Of The Hydra」は、アルバムジャケットでヴァイが手にするトリプルネックの最新アックス“The Hydra”を用いた、まさにこのアルバムを象徴するような1曲。このThe Hydraは「7弦と12弦ギター、4弦3/4スケールのベース、13弦のハープ弦、シングルコイル、ハムバッキング、ピエゾ、MIDI、サスティナー・ピックアップ、フローティングおよびハードテイルのトレモロ・ブリッジ、フェイズ・スプリッターなど」を備えた想像を絶する1本(1本?)で、これひとつで1曲の中で非常に多彩なサウンドを響かせています。ホント、これを披露したいがために作ったアルバムなんでしょうね(笑)。

以降は、これまでのヴァイらしさを凝縮した多彩なナンバーがずらりと並びます。オリジナルバージョンは打ち込みだったところを新たにヘンリック・リンダー&テリー・ボジオのリズム隊で再録音した「Candlepower」や、気心知れたビリー・シーンとのハードドライヴィングナンバー「Avalancha」、ヴァイらしい味付けでブルースが展開される「Greenish Blues」、ムーディーなスローバラード「Sandman Cloud Mist」など、この手のギターインストアルバムがそこまで得意ではない筆者にしては最後までスルスル聴き進められ、バラエティ豊かな良作ではないでしょうか。

ヴァイのギタープレイは感情を揺さぶったりエモさを味わったりというタイプではなく、どちらかといえばそのテクニックを楽しむタイプの人なのかなと。その一方で、ソングライティングに関してはしっかりしている人でもあるので、毎回肩肘張らずに楽しむことができる。そういった意味では、今回も我々の期待を裏切らない1枚です。

 


▼STEVE VAI『INVIOLATE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年1月28日 (金)

LAMB OF GOD『RESOLUTION』(2012)

2012年1月24日にリリースされた、LAMB OF GODの6thアルバム(前身バンドBURN THE PRIEST時代の作品を含めると7枚目のオリジナルアルバム)。日本盤は同年1月18日に先行発売。

Roadrunner Records移籍第1弾アルバムとなった『WRATH』(2009年)は、全米2位という過去最高記録を残すことに。バンドとしても最高潮といえる時期を迎えていたものの、2010年5日にチェコ共和国プラハで行ったライブで当時19歳の少年が公演後に死亡。この死因が、少年がステージに上がってきたところをランディ・ブライ(Vo)に押し返され、落下した際に負った傷が元であるとされ、今作のツアーで再びチェコを訪れた際の2012年6月にランディが傷害致死罪で逮捕され、2ヶ月ほど勾留されるというトラブルもありました(その後、裁判により2013年3月に無罪が確定)。

そんな不穏な時期にドロップされた本作ですが、『WRATH』からの勢いを引き継ぐヘヴィかつグルーヴィーなモダンUSメタルをたっぷり堪能することができます。ドゥーミーな「Straight For The Sun」からじわじわと盛り上がっていき、続く「Desolation」で一気に爆発するという流れも最高ですし、「Guilty」などでみせるグルーヴ感はPANTERAから引き継いだ伝統芸を感じるし、適度なアップテンポさに加え気持ち良いリフワークとメロウなギターソロ、クリス・アドラー(Dr)の足技が圧巻なドラミングが織りなす絶妙のハーモニーが問答無用のカッコよさを表現する「The Undertow」など、アルバム序盤から聴きどころ満載。

中盤はマーク・モートン(G)&ウィリー・アドラー(G)のアコギ&フィードバックギターが作り出す不穏さがたまらないインスト「Barbarosa」から、ブルータルなリフワークで問答無用の世界観を築き上げる「Invictus」へとつないでいく構成も文句なし。聴き手を思考停止させるファストナンバー「Cheated」や、適度なメロウさが新鮮に響くグルーヴチューン「Insurrection」、正統派ヘヴィメタル的側面を垣間見せるムーディー&ドラマチックな「King Me」など、後半にかけても非常に良い流れを作っており、バラエティに富んだ楽曲群含めこのバンドにとっての集大成とも言える仕上がりではないでしょうか。

全14曲/56分という尺を妥当とするか、長すぎると受け取るかで本作の評価は大きく変わる気もします。集大成として受け取ると、これくらいのボリュームはギリギリ“アリ”のラインだけど、この手のスタイルは正直言えば50分前後がベストかなと思わなくもない。前作『WRATH』が44分、出世作となった前々作『SACRAMENT』(2006年)が46分だったことを考えると、少々やりすぎかな?という気もしてきます。その後の『VII: STURM UND DRANG』(2015年)、『LAMB OF GOD』(2020年)が50分以下とコンパクトなので、やはり後々「やりすぎた」と感じたのかもしれませんね。

集大成的内容にもかかわらず彼らにとってのベスト作とはちょっと断言できないところもある本作、ビギナーにはちょっとハードルが高い1枚かもしれません。だって、日本盤や配信されているデジタルバージョンはさらにボーナストラックが追加された60分超の長尺さですから(苦笑)。もちろん悪いアルバムではないですし、むしろ仕上がりは良好なので、60分前後あっても飽き足りないと感じられるダイハードなリスナーには打って付けかもしれませんよ。

 


▼LAMB OF GOD『RESOLUTION』
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2022年1月27日 (木)

GOJIRA『L'ENFANT SAUVAGE』(2012)

2012年6月26日にリリースされた、GOJIRAの5thアルバム。日本盤は『ランファン・ソヴァージュ〜野性の少年〜』の邦題で、同年6月20日に先行発売。

前作『THE WAY OF ALL FLESH』(2008年)から約3年半ぶりの新作。Roadrunner Records移籍第1弾作品であると同時に、全世界へと彼らを広めるきっかけの1枚に。ここ日本でも本作がデビュー作となりました。

本国フランスでは最高7位、アメリカでも34位という好成績を残した本作。プロデューサーにはメンバーのジョー・デュプランティエ(Vo, G)に加え、ジョシュ・ウィルバー(LAMB OF GODHATEBREEDTRIVIUMなど)を迎えて制作した意欲作は、リリースから10年経った今聴いてもまったく色褪せない、強烈なテクニカル&ブルータルメタルアルバムです。

オープニングを飾る「Explosia」やタイトルトラック「L'Enfant Sauvage」でのクセの強いピッキングハーモニクスやトレモロリフ、グルーヴィーだけどどこか変則的に感じられるリズムワーク、そしてジョーのパワフルな咆哮からは、プログメタルとテクニカルデスメタルを掛け合わせたような魅力が伝わり、この1曲だけでも魅力が十分に伝わるはず。かと思えば、「The Wild Healer」のように浮遊感の強い楽曲で心洗われたり、それに続く豪快な「Planned Obsolescence」で再び後頭部を殴られた気分に陥ったりと、問答無用の殺傷力を誇る1枚ではないでしょうか。個人的には「Liquid Fire」や「Mouth Of Kala」のような、どこかゴシックテイストを漂わせたヘヴィチューンがど真ん中で、ドスの効いたグロウルと淡々としたメロウなボーカルがミックスされた歌唱パートとの相性も抜群です。

序盤は圧迫感の強いヘヴィさが際立ちますが、後半からは「The Gift Of Guilt」や「Pain Is A Master」などメランコリックさが散りばめられた楽曲がその空気感を一変。特に「Born In Winter」に見られるテイストは、どことなくフランスのバンドらしさが伝わってきます。先のゴシックテイスト含め、僕自身はこのダークなメランコリックさが特に大好物なので、序盤のブルータルさとのバランス感含めて最高の1枚と言えるでしょう。

この後半のスタイルは続く傑作『MAGMA』(2016年)や最新作『FORTITUDE』(2021年)でさらに磨きがかけられ、結果彼らは唯一無二の存在へと成長していくことになります。そういった意味では、初期の彼らと現在の彼らとを結ぶ橋渡し的役割を果たした重要な作品と言えなくもないのかな。何にせよ、大きな転機を作った重要作なわけです。

ちなみに彼らは約3年後の2015年10月、(当時)国内最大級のメタルフェス『LOUD PARK 15』出演を通して初来日が実現。同タイミングにSLAYER東京単独公演のサポートアクトも務めました。僕もこの際に初めて彼らのライブを体験して、一発でノックアウト。ライブと前後してこのアルバムの輸入盤(2009年のフランスでのロックフェス出演時のライブ映像DVD付きスペシャルエディション)を購入したのでした。

Roadrunder移籍後の3作中、アグレッシヴさにおいては本作がマックス。まだGOJIRAに触れたことがない方はこの『L'ENFANT SAUVAGE』から入るのもよいけど、別に最新作から入ってもよし。要はどのアルバムも最高なので、どこから入っても何ら問題なくGOJIRAのことを理解できるはずです。

 


▼GOJIRA『L'ENFANT SAUVAGE』
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2022年1月26日 (水)

GHOSTEMANE『ANTI-ICON』(2020)

2020年10月21日に配信リリースされたGHOSTEMANE(ゴーストメイン)の8thアルバム。フィジカルでは同年12月18日にアナログ盤のみ発表、日本盤未発売。

昨日紹介したUNDERØATHの最新作『VOYEURIST』(2022年)にて、「Cycle」という楽曲にフィーチャリングされていたGHOSTEMANE。同名義やエリック・ゴーストなどの通り名を使用する彼は、2010年頃から音楽活動を開始し、2014年にはミックステープを発表しているようです。フルアルバムのほかに多数のEPやコンピレーションアルバム、ILL BIZやGASM、SWEARRとしても作品を発表しています。

そのサウンドはヒップホップやトラップミュージックのみならず、ハードコアやブラックメタル、ドゥームメタル、インダストリアルメタルなど“こちら側”との親和性が高いもので、今回紹介する『ANTI-ICON』というアルバムもトラップを通過したポストハードコア/インダストリアルメタルという印象の、リズムに特化したエクストリームミュージックが展開されています。

全体を通して感じられるのは、90年代半ばから後半にかけてのNINE INCH NAILSマリリン・マンソンなどのインダストリアル寄りのオルタナティヴメタルではないでしょうか。そこにラップボーカルが乗ることで現代的なスタイルと受け取ることができますが、聴く人が聴けば「懐かしい!」と感じる作品かもしれません。

例えば、「Hydrochloride」で聴くことができるアンサンブル/アレンジは『BROKEN』(1992年)『THE DOWNWARD SPIRAL』(1994年)の頃のNINを彷彿とさせるし、「Anti-Social Mascochistic Rage [ASMR]」でのドープな作風は『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996年)『MECHANICAL ANIMALS』(1998年)期のマンソンと重なるものがある。そこに「AI」などを筆頭とした重低音を強調させたモダンなサウンドメイクが加わることで、単なる過去の焼き直しでは済まされない刺激を体験することができるわけです。

また、「Melanchoholic」などで見せるムーディーかつダークなボーカルも彼の持ち味のひとつで、それこそトレント・レズナーがもっとも繊細だった時期のボーカルとリンクするものがある。また、「The Winds Of Change」や「Falling Down」のようにアコギをフィーチャーした楽曲も含まれており、こういったゴシック調ナンバーで見せる艶やかさは本当に往年のNINと重なるものがあります。これはたまらんですわ。

アートワーク(特にジャケットで掲げた鉄仮面を実際に被った裏面)のカッコよさ含め、ぜひメタル系リスナーにまで届いてほしい1枚。ヒップホップに対していまだに偏見を持っている方なら、なおさら本作に触れていただきたいものです。

なお、現時点での最新作EP『FEAR NETWORK II』(2021年)もメタル/ラウド系リスナーに響く内容ですので、あわせてチェックしてもらえるとうれしいです。

 


▼GHOSTEMANE『ANTI-ICON』
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2022年1月25日 (火)

UNDERØATH『VOYEURIST』(2022)

2022年1月14日にリリースされたUNDERØATHの9thアルバム。日本盤未発売。

約7年半ぶりに発表された再始動第1弾アルバム『ERASE ME』(2018年)に続く、3年9ヶ月ぶりの新作。初めてメンバーが全面的にプロデュースに参加した本作は、ポストハードコア/メタルコアに適度なエレクトロ風味を織り交ぜたスタイルの前作をさらに推し進めた、良い意味で“極端な”仕上がりです。

アグレッシヴなバンドサウンドをベースにしつつも、それらにデジタルエフェクトを加えたりすることでどことなく機械的なイメージを強め、そういった要素がバンドの持つ暴力性をより強化させることに成功。アーロン・ギレスピー(Dr, Clean Vo)によるメロウなクリーンボーカルパートは完全にBRING ME THE HORIZON以降の“それ”をなぞりつつも、スペンサー・チェンバーレイン(Vo)のスクリームが加わることでライト/ソフトサイドに偏ることなくバランスを整えてくれる。この2人のシンガーの役割分担、このバンドにおいて非常に重要ですよね。

よりモダン化が進んだ本作、いろいろ聴きどころは多いものの、個人的には今もっとも旬なラッパー、ゴーストメイン(GHOSTEMANE)をフィーチャーした「Cycle」や、アルバムの中央に構えた浮遊感の強い「(No Oasis)」とそこから一気になだれ込むモダンヘヴィネス「Take A Breath」、エモさが爆発する「We're All Gonna Die」などは特筆すべきポイントかもしれません。

もちろん、アルバム冒頭を飾るハードコアな「Damn Excuses」やヒップホップ色を加えたメタルコア「Hallelujah」、前半〜中盤は穏やかながらも後半一気に爆発する「I'm Pretty Sure I'm Out of Luck and Have No Friends」とった序盤の流れも素晴らしいですし、独特のグルーヴ感がたまらない「Numb」からひんやりとしたエレクトロテイストがたまらないエピカルな「Pneumonia」へと続く終盤の構成もお見事。全10曲/39分のトータルランニングがあっという間に感じられる、濃厚に作り込まれた傑作です。

アルバムごとに変化/進化を続けているUNDERØATHですが、アーロン脱退後に制作された唯一のアルバム(にして活動休止前の1枚)『Ø (ISAMBIGUATION)』(2010年)は唯一“普通”な出来だったこともあり当時はがっかりしたのですが(今聴くと、これはこれでアリなんですが)、そのアーロンが復帰した復活作『ERASE ME』で完全なリハビリを終え、ようやくこの『VOYEURIST』で新たな進化が始まった……個人的にはそう受け取っています。

オープニングからエンディングまでの構成が完璧とさえ言える本作。年始早々、2022年のシーンの盛り上がりを期待させてくれた最高の1枚でした。

 


▼UNDERØATH『VOYEURIST』
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2022年1月24日 (月)

EUROPE『BAG OF BONES』(2012)

2012年4月18日にリリースされたEUROPEの9thアルバム。

本国スウェーデンで4thアルバム『OUT OF THIS WORLD』(1988年)以来21年ぶりのチャート1位を記録した『LAST LOOK AT EDEN』(2009年)に続く、2年半ぶりのオリジナルアルバム。再始動後4作目のアルバムとなりますが、今作はプロデューサーにケヴィン・シャーリー(IRON MAIDENDREAM THEATERAEROSMITHJOURNEYなど)を迎えて制作されあした。それもあってか、レコーディングにはジョー・ボナマッサ(G)が「Bag Of Bones」でスライドギター、アントン・フィグ(Dr)がパーカッション、ジェフ・ボヴァ(Key)がオーケストレーションでそれぞれゲスト参加しています。

基本的な路線は前作『LAST LOOK AT EDEN』の延長線上にあり、再結成後初のアルバム『START FROM THE DARK』(2004年)から脈々と続くシンプルなブルースロック路線(に適度なヨーロピアンテイスト)が貫かれています。要するに、メガヒット作『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)やその前後の作品……2ndアルバム『WINGS OF TOMORROW』(1984年)や『OUT OF THIS WORLD』などのメロディアスハードロックを期待する、少々肩透かしを喰らう可能性が高い1枚でもあるわけです。

しかし、『START FROM THE DARK』や続く7thアルバム『SECRET SOCIETY』(2006年)で多少なりとも迷いを見せていたスタイルは『LAST LOOK AT EDEN』で焦点が定まったことで、このアルバムではより純度の高い“第2期EUROPE”を楽しむことができます。実際、シンプルで地味ながらも味わい深い楽曲の数々は、巧みなアレンジ力で聴き手を飽きさせることなく、聴き返すたびに新たな発見があるクオリティの高さは特筆に値するものがあります。

オープニングを飾る「Riches To Rags」といい続く「Not Supposed To Sing The Blues」といい、聴き始めたときは「うわっ、地味!」と腰砕けそうになりますが、聴き進めていくうちにそのアレンジの多彩さには驚かされるものがある。特に「Riches To Rags」後半の展開は手に汗握るスリリングさがあり、再結成から10年前後経ったこともありバンドが円熟期に突入したことが伝わるのではないでしょうか。

かと思えば、タイトルトラック「Bag Of Bones」やイントロダクション「Requiem」から続くヘヴィバラード(という呼び方がふさわしい)「My Woman My Friend」でのディープな表現力は、80年代の彼らには感じられなかったものであり、(若干の衰えは致し方ないものの)その艶やかさはピークに達しつつあるジョーイ・テンペスト(Vo)のボーカルも聴き応え満点。しかし、ここで声を出しにして伝えておきたいのは、ジョン・ノーラム(G)の生き生きとしたギタープレイではないでしょう。

本作の直前にはブルースに傾倒したソロアルバム『PLAY YARD BLUES』(2010年)を発表していたこともあり、てっきり今作のソングライティング面で主導権を握っていたのかと思いきや、アルバムの大半はジョーイ主導で執筆されており、ジョンが関わったのは12曲(日本盤ボーナストラック含む)中2曲(「Demon Head」「Mercy You Mercy Me」)のみ。意外といえば意外ですが、ジョンは与えられた環境下でギタリストに徹することで、そのプレイヤーとしての才能を遺憾なく発揮したということなのでしょうか。なんにせよ、このバランス感が当時のEUROPEにとってちょうどよかったのかもしれませんね。

本作は本国スウェーデンで最高2位を記録。また、イギリスでは5thアルバム『PRISONERS IN PARADISE』(1991年)以来21年ぶりにTOP100入り(最高56位)という数字を残しています。リリース翌年(2013年)にはデビュー30周年という節目だったこともあり、同年6月開催の『Sweden Rock Festival 2013』ではマイケル・シェンカー(G)、スコット・ゴーハム(G/THIN LIZZY)をゲストに迎えた大掛かりなパフォーマンスを展開。10月には国内HR/HMフェス『LOUD PARK 13』への出演も実現しました。

 


▼EUROPE『BAG OF BONES』
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2022年1月23日 (日)

RUSH『CLOCKWORK ANGELS』(2012)

2012年6月12日にリリースされた、RUSHの19thアルバムにして最後のオリジナルアルバム。日本盤は同年6月13日発売。

16thアルバム『TEST FOR ECHO』(1996年)以降、ほぼ5年というスパンで創作活動を続けてきたRUSH。もちろんその間には大掛かりなライブツアーが存在し(当然のように日本は外されていましたが)、そういったツアーの映像作品&ライブアルバムを定期的に発表し続けていたので、意外と“空いた”という感覚は少ないのかもしれません。特に前作『SNAKES & ARROWS』(2007年)のあとには『SNAKES & ARROWS LIVE』(2008年)、『TIME MACHINE 2011: LIVE IN CLEVELAND』(2011年)と2枚のライブアルバムと『WORKING MEN』(2009年)と題したライブベストアルバム、そして1989年から2008年のスタジオ音源で構成されたコンピレーションアルバム『RETROSPECTIVE III: 1989-2008』(2009年)と、編集・企画盤が相次ぎましたからね。

結果的にはラストアルバムとなってしまった本作ですが、実はそれまで所属したAtlantic RecordsからRoadrunner Recordsへと移籍して最初(にして最後)のオリジナルアルバムでした。プロデューサーは前作『SNAKES & ARROWS』から引き続き、バンドとニック・ラスクリネクツ(MASTODONKORNCODE ORANGEDEFTONESなど)が担当。低音をブーストさせた、非常に現代的なサウンドメイキングで表現された“モダンなRUSH”を堪能することができます。

メタリックな質感は前々作『VAPOR TRAILS』(2002年)以降のテイストをそのまま引き継いだものですが、今作はプログメタル的な側面とTOOLにも通ずるひんやりとした幾何学的アレンジが随所から伝わる作風で、これが70年代から活動を続けるバンドの音か!?と驚かされるものがあります。この“攻め”の姿勢こそが彼らの醍醐味であり、その変化の方向は時に従来のファンにそっぽを向けるものかもしれません。しかし、それでも“守り”に入ることなく道の領域へと突き進む姿勢には感服させられるものがある。そういった意味では、このアルバムで示される音や方向性は賛否を生むものなのかもしれません。

ですが、自分のようなリスナーにとって作品ごとに進化を繰り返し、時代の変化を瞬時に察知する彼らの才能は特筆に値するものがあると思うし、だからこそ毎回驚かされることはあってもがっかりさせられることはない。このアルバムを初めて聴いたときも「うわっ、今の音じゃん!」とびっくりしながら、夢中になってリピートしたものです。

オープニングを飾る「Caravan」から伝わる緊張感にはゾクゾクさせられるし、「The Anarchist」にみられるエキゾチックさ(と同時にこのタイトルよ)、オープニングで若干リラックスさせつつアレックス・ライフソン(G)が極太ヘヴィリフを繰り出す「Carnies」、ゲディ・リー(Vo, B)&ニール・パート(Dr)による極上のリズムアンサンブルが冒頭からうねりをあげる「Seven Cities of Gold」、本作ではポップ寄りな「The Wreckers」や「Wish Them Well」、その疾走感にぐいぐい引っ張られる「Headlong Flight」など印象的な楽曲も多数。全12曲/約66分と、過去最長だった『VAPOR TRAILS』(約67分)に次ぐ長尺さですが、最後まで飽きずに楽しめる充実度の高さを誇る1枚ではないでしょうか。

本作を携えたツアーを経て、2015年にはデビュー40周年記念ツアー『R40』を開催。ニールの腱鞘炎悪化を理由の、これがバンドとしては最後のツアーとなりました。さらに、2018年にはニールが引退したため、バンドとしての活動を完全停止。そこから約2年後の2020年1月7日、脳腫瘍のためニールがこの世を去ってしまい、真の意味でのRUSH解散を迎えるのでした。

 


▼RUSH『CLOCKWORK ANGELS』
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2022年1月22日 (土)

MEAT LOAF『BAT OUT OF HELL』(1977)

1977年10月21日にリリースされたミートローフ(MEAT LOAF)の1stアルバム。

言わずと知れたロック界のレジェンド的アルバムにして、現在までに世界中で4000万枚以上のセールスを記録し、「人類史上5番目のセールスを記録する不朽の名盤」(日本盤CD帯より)。日本では『地獄のロック・ライダー』の邦題でお馴染みの本作はリリースから45年経った今も愛され続け、アメリカだけでも1400万枚以上を売り上げているそうですが、実はチャート的には最高14位止まり(イギリスでも最高9位)。ちょっと意外な数字ですが、続編アルバム『BAT OUT OF HELL II: BACK INTO HELL』(1993年)が初の全米&全英1位を獲得するのは本作がロングヒットを続けていた結果でもあるわけです。

アルバムジャケットの一番下に「SONGS BY JIM STEINMAN」(一部CDやデジタル版はアーティスト名のすぐ下)と記されているように、本作はミートローフのアルバムであると同時に、ジム・スタインマンのアルバムでもあることがおわかりいただけるはず。プロデュースこそかのトッド・ラングレンが手がけていますが(レコーディングにはトッドや彼のバンドUTOPIAの面々、エドガー・ウィンターなども参加)、本作のメガヒットの功績は間違いなくジムのソングライティング力とミートローフの圧倒的な歌唱力/表現力によるものが大きいのではないでしょうか。

僕はリアルタムで『BAT OUT OF HELL II: BACK INTO HELL』からミートローフに触れた世代で、第1弾となる本作は完全に後追いでした。なもんで、1977年という時代の音が凝縮された本作は90年代前半の耳には「スカスカで薄っぺらい」というのが第1印象で、いわゆるハードロック度も低めかなという評価(その頃の自分は『BAT OUT OF HELL II: BACK INTO HELL』をハードロックアルバムのひとつとして受け取っていたので)。しかし、楽曲の完成度やアレンジ力、ミートローフの若々しい歌声(リリース当時は30歳!)の素晴らしさに気づくには、そう時間はかかりませんでした。

ハードロックというよりは当時のプログレッシヴロック的な側面の強い演奏/アレンジと、アルバム全体を通してひとつの戯曲を表現したかのような構成と、その1つひとつの楽章が軽やかなロックンロールや変幻自在なオペラチューンで構築された濃度の高い楽曲。例えばQUEEN「Bohemian Rhapsody」と接するような感覚で触れたら、このアルバムの凄みがより理解できるのではないでしょうか。オープニングを飾る「Bat Out Of Hell」の10分近くにわたるドラマチックな演奏と構成は、これぞ名演と呼べるもの。このハードロックとプログレを掛け合わせたようなスタイルは、同時期にデビューしたBOSTONとの共通点も見出せるはずです。

かと思えば、映画のようなナレーションを冒頭に挿入したきらびやかなバブルガムポップ風ロックチューン「You Took The Words Right Out Of My Mouth (Hot Summer Night)」(全米39位)や、ひたすら美しいピアノバラード「Heaven Can Wait」、サックスの音色が軽快さを強調する「All Revved Up With No Place to Go」(終盤の転調も最高です)、ミートローフの透明感の強い歌声に惹きつけられる名バラード「Two Out Of Three Ain't Bad」(全米11位)、ブギウギからファンク、ストレートなロックンロールと次々に変化を続けるバンドアンサンブルが特徴的な大作「Paradise By The Dashboard Light」(全米39位)、そして本作のクライマックスと呼ぶにふさわしい約9分にわたるオペラバラード「For Crying Out Loud」……全7曲/47分という程よい尺の長さも手伝い、濃厚な内容ながらもさらりと聴くことができるのも本作の良い点でしょう。

あえてアナログ2枚組の大作にせず、当時のアナログ盤のフォーマットに沿った45分前後のトータルランニングでコンパクトにまとまったのも功を奏し、一切中弛みすることなく楽しめ。かつ、捨て曲がまったく存在しないクオリティの高さと、歌や演奏における表現力の高さも相まって、完璧な1枚に仕上がった本作。発売から45年後の2022年に聴いてもまったく色褪せることなく、むしろこれを超える良作がほかにどれだけ存在するのか?と気になるほど。1993年の自分、聞いてるか?(苦笑)

2021年4月にジム・スタインマンがこの世を去り、これに続くかのように2022年1月21日(現地時間20日)にミートローフも亡くなったことが発表されました。近年は体調不良に悩まされ、ライブ中に何度か倒れることもあったそうですが、できることなら一度は『BAT OUT OF HELL』完全再現ライブを生で体験したかったものです。

改めて、故人のご冥福をお祈りいたします。

 


▼MEAT LOAF『BAT OUT OF HELL』
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MUSE『THE 2ND LAW』(2012)

2012年9月28日にリリースされたMUSEの6thアルバム。日本盤は『ザ・セカンド・ロウ〜熱力学第二法則』という邦題で同年10月3日発売。

3作連続全英1位のみならず、初の全米TOP3入り(最高3位)という好記録を残した前作『THE RESISTANCE』(2009年)から3年ぶりの新作。バンドの勢いはそのままに、今作も全英1位&全米2位と記録を更新し続け、アメリカでも100万枚以上を売り上げました。また、「Madness」(全英25位、全米45位)、「Supremacy」(全英58位)というヒットシングルも生まれています。さらに、本作収録の新曲「Survival」は2012年ロンドン五輪の公式ソングに採用。まさにノリにノったタイミングの1枚と言えるでしょう。

ただ、本作を最初に聴いたときの印象はそこまで良くなかったことはここに記しておきます。オープニングを飾る「Supremacy」でのクラシカルなシンフォニックメタル調アレンジ、1分に満たないイントロダクション「Prelude」から続く「Survival」へのクラシック調な作風などが妙に鼻につき、リード曲「Madness」の穏やかなエレクトロサウンドも、骨太ファンクロック「Panic Station」も最初は取って付けたようにしか感じられなかったのです。

ただ、本作の印象が大きく変化したのは2013年1月のさいたまスーパーアリーナ単独公演と、同年8月の『SUMMER SONIC 2013』でのヘッドライナー公演を観て以降。幸運にも僕はどちらも現地で観ることができたのですが、特に最初のたまアリ公演でのスケールの大きなアリーナライブと、本作で鳴らされる無駄にスケールの大きな音が見事にマッチしていることを実感したことで、先のクラシカルな楽曲群はもちろん、新たなアンセムにまで成長したダンサブルな「Follow Me」も、初期の彼らを彷彿とさせる「Animals」、ドリーミーなポップチューン「Explorers」、一時期のU2のダンサブルさと重なる「Big Freeze」、クリス・ウォルステンホルム(B, Vo)がリードボーカルを担当した「Save Me」「Liquid State」の2曲、そしてアルバムのハイライトとなる組曲「The 2nd Law: Unsustainable」「The 2nd Law: Isolated System」……そうだった、このバンドってもともとすべてが無駄に過剰だったじゃないかと気付かされたのです。前2作(4thアルバム『BLACK HOLES AND REVELATIONS』(2006年)と前作『THE RESISTANCE』)でのワールドワイドな成功で忘れかけていたけど、このすべてに全振りな大袈裟さこそMUSEの真髄じゃないか、と。

もしQUEENというバンドが2012年現在もフレディ・マーキュリー健在のまま続いていたら、ここまでとは言わないまでも、これに近い破茶滅茶で過剰すぎるミクスチャー感たっぷりのロックアルバムを作っていたはず。つまり、MUSEがこのアルバムで挑戦したことは古き良き時代のブリティッシュロックの伝統継承だったのです(それは言い過ぎか)。そこにEDMといった当時の流行を見事にミックスさせることで、伝統継承しつつも適度にモダナイズされ、2012年の耳で聴いても過剰すぎると思える1枚を完成させた。たったそれだけのことだったんですよね。

クラブミュージックに全振りもすればHR/HMにも全振りする。ダンスロックもあればオルタナティヴロックもあるし、クラシックやムード音楽、モダンポップもある……ちょっと早すぎる“プレイリスト的な”アルバムだったんですよね、これ。そう思って聴き返すと、すべてが腑に落ちるんじゃないでしょうか。実際、僕自身このアルバムはリリース当時より、そこから10年経った今のほうが理解できている気がするし、むしろ今の耳に非常にフィットするんです。

続く『DRONES』(2015年)ではとうとう全米1位まで獲得し、人気的には頂点に達したといっても過言ではないMUSEですが、音楽的な充実度における頂点こそ実はこの『THE 2ND LAW』という怪作だったのではないでしょうか。

 


▼MUSE『THE 2ND LAW』
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2022年1月21日 (金)

TONY MARTIN『THORNS』(2022)

2022年1月14日にリリースされたトニー・マーティンの3rdアルバム。日本盤未発売。

1987年のBLACK SABBATHのアルバム『THE ETERNAL IDOL』に参加したことで、そのキャリアが一気に開けたトニー・マーティン。『FORBIDDEN』(1995年)を最後にバンドを離れて以降は、さまざまなプロジェクトに参加してきましたが、純粋なソロアルバムとしては『SCREAM』(2005年)以来実に16年2ヶ月ぶりとなります。

レコーディングにはVENOMのダニー・“ダンテ”・ニーダム、元HAMMERFALLのマグナス・ルセーン(B)、RAINBOWなど数々のバンドで活躍するセッションプレイヤーのグレッグ・スミス(B)、アルバムの曲作りにも貢献したスコット・マクレラン(G)、前作『SCREAM』にも参加したトニーの息子ジョー・ハーフォード(G)、DARIO MOLLO / TONY MARTINとしての活動でも知られるダリオ・モロ(G)などが参加。トニー自身もギターやベース、バイオリンで演奏面にも加わっています。

基本的にはこれまでトニーが関わってきたバンド(主にサバス)やソロ作の延長線上にある、こってりした様式美メタルを展開。そこに演奏面で若干モダンな味付けが加えられていますが、特段目くじらを立てるような突拍子もないことはやっていないのでご安心を。オープニングを飾る「As The World Burns」からしてめくるめく様式美HR/HMの世界を堪能することができるはずです。

そんな中、アコースティックギターを軸にすることで様式美メタルというよりはラテン調の空気が強まった「Crying Wolf」や、語り風の歌唱でアーシーさを強調した「This Is Your Damnation」のような変化球も用意されています。特に後者は、ちょっとアルバムの流れからは外れる空気感があり、ラストに控えた壮大なタイトルトラック「Thorn」の序章と呼ぶにはちょっと軽すぎるかな……という印象も。いろいろやりたかったのはわかるんですが、さすがにこれはボーナストラック的に最後の最後に置くのが良かったんじゃないかという気がします。

しかし、それ以外の楽曲は良くも悪くもトニー・マーティンのイメージから外れることのない、期待通りのヘヴィメタルで聴き手を楽しませてくれることでしょう。「期待通り」ということは、それ以上でもそれ以下でもないので、“Something Special”を求める方にはちょっと肩透かしを喰らう内容かもしれませんが、ダウンチューニングで低音が強調された作風や、「Black Widow Angel」中盤でのブイブイ唸るベースフレーズ、「Thorn」でのDISTURBEDを彷彿とさせるボイスパーカッション(フェイク)などニューメタル以降のテイストも少々含まれているので、そのへんをアクセントとして受け入れられたら問題なく楽しめる1枚かと思います(個人的には突拍子もないアクセントに最初は困惑しましたが、慣れたらそこまで気になりませんでした)。

現時点で64歳という高齢ながらも、ここまでしっかりハイトーンを聴かせることができるという点では評価に値するものがありますし、楽曲もこの手のしたいるが好きなリスナーには問答無用の1枚ではないでしょうか。あと、これを機にトニー在籍時のサバスの諸作品(『HEADLESS CROSS』『TYR』『CROSS PURPOSES』『FORBIDDEN』)の再発およびストリーミング解禁を早急にお願いしたいところです。

 


▼TONY MARTIN『THORNS』
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2022年1月20日 (木)

MY CHEMICAL ROMANCE『I BROUGHT YOU MY BULLETS, YOU BROUGHT ME YOUR LOVE』(2002)

2002年7月23日にリリースされたMY CHEMICAL ROMANCEの1stアルバム。当初はTHURSDAYなどが所属したインディーズのEyeball Recordsからの発表でしたが、のちにバンドがメジャー契約したことで2009年2月にReprise Recordsから再発され、2009年3月25日には日本盤も初リリースとなりました。

2001年、9.11を境に自身の生き方を考えたジェラルド・ウェイ(Vo)が初代ドラマーのマット・ペリシアーとバンドを結成。そこにジェラルドの実弟マット(B)、マット経由でレイ・トロ(G)が加わりデモテープを制作すると、それがEyeball Recordsの目に留まり契約に至ります。そして、同レーベル所属のPENCEY PREPのフランク・アイイアロ(G)が同バンド解散後にジェラルドらの元へと合流し、ようやく初期MY CHEMICAL ROMANCEの5人が集結するわけです。

アルバムはTHURSDAYのフロントマン、ジェフ・リックリー(Vo)のプロデュースにより制作。レコーディング開始時はフランクはまだメンバーではなく、レコーディング終盤に加わったことで実際には「Honey, This Mirror Isn't Big Enough For The Two Of Us」と「Early Sunsets Over Monroeville」の2曲にしかタッチしていません。そういった意味では、バンドの真のデビュー作は続くメジャー第1弾アルバム『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』(2004年)であり、今作はそこへ向けた処女作/習作と言えるかもしれません。

『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』へと続く片鱗はたっぷり見つけることができ、やりたいことをただやり尽くした結果無軌道なまでにはちゃめちゃなポストハードコア/エモ(と呼んだらジェラルドに怒られそうですが)アルバムに仕上がった。そんな初期衝動たっぷりな、デビュー作らしいデビュー作と言える内容は、この時点ですでに光るものが感じられる良曲ばかりです。オープニングの「Romance」(お馴染み「禁じられた遊び」のカバー)に一瞬「?」となるものの、続くアグレッシヴな「Honey, This Mirror Isn't Big Enough For The Two Of Us」で「あ、マイケミだ!」と納得させられるし、「Our Lady Of Sorrows」のキャッチーさはすでに以降の彼らさしさに満ち溢れている。

かと思えば、THE SMITHSあたりを彷彿とさせるUKロック的な「Early Sunsets Over Monroeville」にニヤリとしたり、疾走感溢れる「This Is The Best Day Ever」のカッコさに痺れ、プログレッシヴな展開を持つ6分強の「Demolition Lovers」に以降のコンセプチュアルな作風との共通点を見つけられる。そう、次作以降の作風はここから分岐していったと考えると非常に納得がいくものがあるのです。

こうやって聴くと、すでに処女作の時点で何者にも似ていないオリジナリティを確立していることにも気付かされますし、この1枚でメジャーと契約できたのも合点がいきます。当然ながら、僕が本作に触れたのは『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』でのブレイク以降(おそらく2005年の最初の再発時)でしたが、当時聴いたときよりも今聴くほうが本作の魅力をより深く理解できる気がします。

 


▼MY CHEMICAL ROMANCE『I BROUGHT YOU MY BULLETS, YOU BROUGHT ME YOUR LOVE』
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2022年1月19日 (水)

THE USED『THE USED』(2002)

2002年6月25日にリリースされたTHE USEDの1stアルバム。日本盤は同年12月18日発売。

THE USEDは米・ユタ州オレムで結成された4人組ポストハードコア/スクリーモバンド。正式な結成タイミングは2001年となっていますが、実は90年代半ばから前身バンドとして活動を続けており、結成から1年でメジャーデビューというポッと出の新人というわけではないのでした。

適度なハード&ヘヴィさとメロディアスさ、そしてエモの流れを汲む激情的アンサンブルはパンクとモダンメタル/ニューメタルの中間に位置するもので、同時期にシーンを席巻したLINKIN PARKのようなヒップホップからの延長線上にあるニューメタル勢とは一線を画するものでした。が、FINCHらとともにゼロ年代初頭のラウドシーンを牽引するという意味でも、このデビューアルバムは当時非常に高く評価された記憶があります。

今の耳で聴くとそこまでメタリックというわけでもなく、むしろエモやハードコアパンクの進化系のような印象を受けるサウンド/楽曲群は非常に耳馴染みがよく、そりゃヒットするわなと強く感じさせるものばかり。大半の楽曲が2〜3分台というコンパクトさもパンクロック的で、複雑かつ技巧的な演奏でリスナーを圧倒させるというよりも、強弱のダイナミズムで感情をダイレクトに表現するスタイルも、90年代後半以降のポップパンクの流れを汲むものなのかなと感じました。

とはいえ、20年前はこのスタイルこそが新世代のメタルなんだ、時代はどんどん変化していくんだと感じていた筆者は、旧世代のクラシカルなメタルとこれを同じように受け取ろうと必死だった記憶もあり、今思えば無理していたなあ……なんて懐かしくもなったりします(苦笑)。その後、さらなる進化を遂げるメタル/ラウドシーンですが何周もした結果、無理なくこの時代のバンドと向き合うことができるようになった。そんな今だからこそ、この良質なロックアルバムをしっかり評価できたらと思っています。

ヘヴィでメタリックなアレンジの楽曲よりも、「Poetic Tragedy」や「Buried Myself Alive」のような大らかなノリと親しみやすいメロディを持つ楽曲のほうが強く響くのも、今の耳で聴くからこそなのかな。「The Taste Of Ink」の持つグルーヴィーさも、ピアノをフィーチャーした美しい「Blue And Yellow」やアコギ&ストリングスによるサイケデリックな「On My Own」なども非常に素晴らしく、だからこそ「A Box Full Of Sharp Objects」のようなダイナミックな楽曲がより映える。王道感の強いラウドチューン「Maybe Memories」からシークレットトラックを含むラストナンバー「Pieces Mended」まで、スルスルと聴き進められる良質の1枚です。

本作はデビューアルバムにもかかわらず、全米63位まで上昇。最終的にプラチナディスクに認定されています。チャート的には続く2作目『IN LOVE AND DEATH』(2004年。全米6位)、3作目『LIES FOR THE LIARS』(2007年。全米5位)などには劣りますが、2002年というシーン黎明期を語る上ではFINCHの1stアルバム『WHAT IT IS TO BURN』(2002年)同様に外せない代表作です。

 


▼THE USED『THE USED』
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2022年1月18日 (火)

FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002)

2002年3月12日にリリースされたFINCHの1stアルバム。日本盤は同年8月7日発売。

FINCHは1999年に結成された、米・カリフォルニア州出身の当時5人組のポストハードコアバンド。2001年にDrive-Tru Recordsから発表したEP『FALLING INTO PLACE』で注目を集め、翌年にこのアルバムでメジャーデビューを果たします。なお、本作にはその1st EP収録の「Letters To You」「Perfection Through Silence」の再録バージョンも含まれています。

ハードコアパンクやポップパンクの要素を織り交ぜつつ、随所からエモやスクリーモ的な香りも漂わせているスタイルは非常に2000年代初頭ならではと言えるもので、オープニングを飾る「New Beginnings」あたりから伝わるグルーヴィかつメタリックな質感は90年代後半のニューメタル的と受け取ることもできる(彼らは前身バンドでDEFTONESのカバーをしていたんですよね。納得)。そういったミクスチャー感が時代の節目っぽくもあり、新世代というよりは90年代からゼロ年代への流れを正しく受け継ぐ正統派バンドのようにも感じられます。

メロディは非常にキャッチーで親しみやすいものが多く、適度にスクリームを織り交ぜたボーカルスタイルも耳障りが悪くなる寸前のギリギリを攻めている。そういった意味ではとてもメジャー感が強く、変にアンダーグラウンド臭が強くないのも好印象。「Ender」のように13分超の実験的なナンバーも含まれているものの、全体的にはメタル系リスナーも親しみやすいコンパクトなラウドチューン中心の、スクリーモ入門編にふさわしい1枚です。

本作のプロデュースを担当したのは、JIMMY EAT WORLDの諸作品やBLINK-182、MINERAL、MIDTOWNなどを手がけてきたマーク・トロンビーノ。ポップパンクやポストハードコア、エモなどを中心にプロデュースしてきた方で、アルバムではエフェクティブなプログラミングも担当しています。また、ゲストシンガーとしてGLASSJAWのダリル・パルンボ(Vo)が「Grey Matter」「Project Mayhem」に参加。こういった人選もバンドの当時の立ち位置を表しており、興味深いものがあります。

チャート的には全米99位止まりでしたが、ド新人のわりには成功したほうではないでしょうか。数字的な成功を果たすのは続く『SAY HELLO TO SUNSHINE』(2005年。全米24位)でのことですが、FINCHというバンドの軸を知る上で欠かせないのはこの1stアルバムではないでしょうか。とはいえ、彼らのフルアルバムは3枚しかないので、どうせならその3枚をリリース順に聴いていただきたいものです。

あと、この『WHAT IT IS TO BURN』を完全再現したライブアルバム『WHAT IT IS TO BURN: X LIVE』(2014年)も製作されているので、あわせてチェックしてみることをオススメします。

 


▼FINCH『WHAT IT IS TO BURN』
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2022年1月17日 (月)

STEELHEART『TANGLED IN REINS』(1992)

1992年6月16日(9日説も)にリリースされたSTEELHEARTの2ndアルバム。日本盤は同年6月21日発売。

全米40位まで上昇し、「I'll Never Let You Go」(全米23位)や「She's Gone」(同59位)のシングルヒットも生み出したデビューアルバム『STEELHEART』(1990年)から2年ぶりの新作。プロデューサーにトム・ワーマン(MOTLEY CRUEPOISONL.A. GUNSなど)を迎えて制作された、前作以上に気合の入った1枚。

特にここ日本では泣きのパワーバラード「She's Gone」での、マイク(現ミレンコ)・マティアヴィッチ(Vo)の圧倒的なハイトーンボイスに注目が集まり、これ1曲の一発屋的のように見える彼らですが、この2作目のアルバムでは前作以上にバンド感を全面に打ち出した作風に。特にアメリカでは「She's Gone」よりも「I'll Never Let You Go」がヒットしたこともあり、「All Your Love」や「Mama Don't You Cry」といったバラード系ナンバーも「I'll Never Let You Go」の流れを汲むメジャーキーのアレンジが施されており、“第二の「She's Gone」”を期待した層には若干の肩透かしを与えたのではないでしょうか。

とはいえ、このアルバムにおいての聴きどころはそういったバラード以上に、リード曲としてMVも制作されたストレートでノリの良い「Sticky Side Up」やサイケデリックなミディアムヘヴィ「Electric Love Child」、グルーヴィーなリズムを持つ「Love 'Em And I'm Gone」のようなハードロックナンバー。オープニングを飾る「Loaded Mutha」を筆頭に、マイクの存在感の強いボーカルを全面に打ち出しつつも、ノリの良い演奏でグイグイ引っ張るバンドアンサンブルでしっかりと聴き手を楽しませてくれます。

そんな中、本作最大の注目曲が後半を配置。それがバンド名を冠した圧巻のファストチューン「Steelheart」。序盤、左右に振られたマイクのボーカルの聴きどころではありますが、最大の山場は1分10秒すぎに訪れるハイトーンパート(および後半5分前後に訪れるロングトーン)ではないでしょうか。前作では「She's Gone」というバラードでそのキーの高さを提示しましたが、やはりハードロックバンドは攻めの楽曲でそこをアピールしたいところ。そんなマイク(とバンドメンバー)の意地のようなものが見え隠れする1曲は、間違いなく本作におけるクライマックス。それがあるからこそ、続くピアノバラード「Mama Don't You Cry」がより映えるわけですから。

1stアルバムはアメリカンハードロックらしさも随所に散りばめられていたものの、ヨーロッパのバンド的空気もうっすら漂っていた印象もあり、だからこそ日本のリスナーにも十分に響いたのでしょう。しかし、今作では首尾一貫アメリカンハードロック&ヘアメタル的スタイルを誇示したことで、前作からのファンが離れたような印象もありました。個人的にはアルバム全体を通して聴いたとき、この2作目のほうが好みだったんですよね。それもあって、しばらく廃盤状態で日本ではストリーミング配信すらされていなかった本作は、忘れたころにCDを引っ張り出してリピートしていたものです。

ところが、2022年に入ってからここ日本でもストリーミング解禁、さらに1月26日にはユニバーサルミュージックが企画する『入手困難盤復活!! HR/HM VOL.4:北米編』の一環で、廉価盤として再発されることも決定。グランジ勃発後ということもあり、スルーされることの多いこの時期のB級HR/HMアルバムは少なくありませんが、全体的にもクオリティが高い本作はぜひこの機会に再注目していただきたい隠れた良作です。

 


▼STEELHEART『TANGLED IN REINS』
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2022年1月16日 (日)

FASTER PUSSYCAT『WHIPPED!』(1992)

1992年8月4日にリリースされたFASTER PUSSYCATの3rdアルバム。日本盤は同年8月25日発売。

「House Of Pain」のシングルヒット(全米28位)も手伝い、前作『WAKE ME WHEN ITS'S OVER』(1989年)は最高48位まで上昇し、全米で50万枚以上を売り上げるヒット作に。1990年には所属レーベルElektra Recordsの創立40周年を記念したコンピレーションアルバム『RUBAIYAT: ELEKTRA'S 40TH ANNIVERSARY』に、カーリー・サイモン「You're So Vain」のカバーを提供するなどして、注目を集めました。

そんなヒット作から3年の歳月を経て届けられた今作。プロデューサーには前作から引き続きジョン・ジャンセン(CINDRELLABANG TANGO、LOVE/HATEなど)を迎えたことから「前作の延長線上にあるのかな?」と思いきや……1992年という時代に完全に“乗った”テイストの異色作に仕上がっています。

骨太サウンドをベースにした、スリージーでいかがわしいハードロック色は健在なのですが、そこに時代といいますか、グランジ的なオルタナテイストも散りばめられており、前作以上にダークでモノトーンな雰囲気が強まっています。シングルカットされたオープニングを飾る約7分の対策「Nonstop To Nowhere」といい「The Body Thief」といい、それ以前の彼らとは若干雰囲気が異なることは一聴しておわかりえしょう。

その後もダークさの強い「Jack The Bastard」などはあるものの、ファンキーながらも底抜けに明るいわけではない「Big Dictonary」や「Madam Ruby's Love Boutique」、従来の路線を若干ダークにした「Only Way Out」、グルーヴィーなロックンロール「Maid In Wonderland」、アーシーなミディアムバラード「Friends」(かのニッキー・ホプキンスがピアノで参加)といった前作の流れを汲む楽曲も健在。暗さは気になるものの、これはこれでカッコいい。というか、リリースから30年経った今聴くと、一周回って全然アリなことに気付かされます。リリース当時は「ああ、変わってしまった……」と数回しか聴かなかったんだけど。

1stアルバム(1987年)収録の「Babylon」のサンプリングなどを取り入れたインタールード「Cat Bash」を経て、終盤はファンキーなベースラインがぐいぐい引っ張る「Loose Booty」、1990年に亡くなったアンドリュー・ウッド(Vo/MOTHER LOVE BONE)へ捧ぐサイケデリックなバラード「Mr. Lovedog」、ダーク&ファンキーな「Out With A Bang」で締め括り。久しぶりに聴いたけど、以前ほど印象が悪くなかったのが面白かったです。

EXTREMEというよりは1990年前後のAEROSMITH的なファンキーさを取り入れたハードロックと、ALICE IN CHAINSなどを思わせるダークなグランジを絶妙にミックスすることで、このバンド本来の持ち味が若干薄れてしまっているのは惜しいですが、1枚のハードロックアルバムとしては平均点超えの内容ではないでしょうか。ただ、前2作にあったようなキラーチューンが存在せず、最初から最後までふわふわしたまま聴き終えてしまうのが難点ですが。

チャート的には前作を大きく下回る全米90位を記録したものの、1993年にエリック・ステイシー(B)が脱退。新たなメンバーを加えてツアーを継続するものの、同年にはバンド解散を発表することになります。

 


▼FASTER PUSSYCAT『WHIPPED!』
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2022年1月15日 (土)

ビートルズの初期作品を振り返る②(1964年編)

昨年11月に掲載された「ビートルズの初期作品を振り返る①(1963年編)」に続く第2弾は、1964年に発表された2枚のオリジナルアルバムについてです。その内容もカバー曲中心だった1963年から全曲オリジナル曲(3rdアルバム)へと進化し、かつレコーディングに対する技術(およびアイデア)も格段に進化し始めた時期。と同時に、初の主演映画公開などポップスターとしての人気ぶりも頂点に達し始めます。

 

 

THE BEATLES『A HARD DAY'S NIGHT』(1964)

 

本国イギリスで1964年7月10日、アメリカではひと足先に6月26日に発売されたTHE BEATLESの3rdアルバム。

1964年夏に公開されたビートルズ初主演映画『A HARD DAY'S NIGHT』(日本での邦題は『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』)のサウンドトラック的立ち位置の内容で、アナログA面の7曲(M-1「A Hard Day's Night」からM-7「Can't Buy Me Love」まで)が映画で実際に使用された楽曲、アナログB面の6曲は本作用に新たに制作されたもので構成され、全曲ジョン・レノンポール・マッカートニーの作詞・作曲によるものとなります。なお、ビートルズのアルバムでレノン/マッカートニーのオリジナル曲のみで構成されたオリジナルアルバムは本作のみとのこと。言われて初めて気付きました。

映画を観たことがある人にとってはお馴染みの曲が詰まった前半は、特に親しみやすいものがあるのではないでしょうか。大ヒットシングル「A Hard Day's Night」「Can't Buy Me Love」やジョン歌唱の「I Should Have Known Better」、ポールが歌う「And I Love Her」など人気曲も多いですものね。

かと思えば、後半はジョンのシャウトがいかにもな「Any Time At All」を筆頭に、ポールの歌う勇ましさ漂う「Things We Said Today」、ソウルフィーリングの備わったジョン歌唱の「You Can't Do That」、ジョン&ポールによるハーモニーが心地よい「I'll Be Back」など、隠れた名曲が多い。前半の派手さに隠れてしまいがちですが、この地味めな後半も捨てがたい。

方向性的には過去2作の延長線上にあるR&B経由のポップなロックンロールが中心。ある意味では初期のロックンロール路線を自身の曲だけで完璧に描いた集大成と言えるかも。ここで一区切りつけたことが、続く『BEATLES FOR SALE』での変化の序章へとつながります。

 


▼THE BEATLES『A HARD DAY'S NIGHT』
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THE BEATLES『BEATLES FOR SALE』(1964)

 

1964年12月4日にイギリスでリリースされたTHE BEATLESの4thアルバム。当時は日本やアメリカではそのままの形ではリリースされず。

クリスマスシーズンにちなんだタイトルはいかにも彼ららしい洒落が効いていますが、その内容は非常に凝ったもの。前作では全曲レノン/マッカートニーのオリジナル曲で占められましたが、今作では再びカバー曲を取り入れています。その割合も全14曲中6曲と、初期2作と同様。それ以外のオリジナル曲はすべてレノン/マッカートニーによるものとなります。

溌剌とした前3作と比べると、若干の落ち着きが見られる序盤の流れ(特に「No Reply」「I'm A Loser」「Baby's In Black」の冒頭3曲)にちょっとだけドキっとするのでは。特に「No Reply」や「I'll Follow the Sun」といったジョン歌唱曲の切ない雰囲気はたまらないものがあります。その一方で、ジョンのシャウトが印象的なチャック・ベリー「Rock And Roll Music」やロイ・リー・ジョンソン「Mr. Moonlight」、ポールによる「Kansas City / Hey, Hey, Hey, Hey」といったロックンロールメドレーは問答無用のカッコ良さが伝わります。

また、前作では全曲レノン/マッカートニー歌唱だったのに対し、今回はリンゴ・スターが「Honey Don't」、ジョージ・ハリスンが「Everybody's Trying To Be My Baby」と、ともにカール・パーキンスのカバーを取り上げています。ここではジョージの歌う「Everybody's Trying To Be My Baby」の仕上がりが良好。リンゴもあのヘタウマぶりで良い雰囲気を醸し出しています。

序盤の楽曲に加えシングルヒットも飛ばした「Eight Days A Week」や、「Every Little Thing」「I Don't Want To Spoil the Party」といったアルバム曲含め、やはり全体的にフォーキーさが目立ち、そのその空気感も少し燻った蒼さが際立ち始めていることに気付かされます。ツアーの合間に制作されたものの、その勢いだけで突き進まなかったあたりに、バンドとして、そしてソングライターとしての変化(成長)が伝わる内容ではないでしょうか。

 


▼THE BEATLES『BEATLES FOR SALE』
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2022年1月14日 (金)

LOUDNESS『SUNBURST〜我武者羅』(2021)

2021年12月29日にリリースされたLOUDNESSの29thアルバム(オリジナルフルアルバムとしては28枚目)。

2018年1月発売の『RISE TO GLORY -8118-』以来、実に4年ぶりのオリジナル新作。同作リリース直後に鈴木政行(Dr)の脳梗塞発症に伴い、一時はサポートドラマーに西田竜一を迎えて活動していましたが、2020年以降はコロナ禍の影響もあり、思うように海外での活動ができずにいた彼ら。そんな中でも、鈴木は復帰に向けてじっくりリハビリを続け、2021年末のワンマンライブでは約20曲を叩き切るなど現布陣での完全復活を果たしています。

キャリア初の2枚組スタジオアルバムとなった本作は、海外でのツアーなどが制限されている現状を踏まえてか、日本人であることのアイデンティティを重視した内容に。かつ、2021年は結成&デビュー40周年という節目であったことも影響し、日本語タイトル&日本語詞中心の楽曲で大半を占められています(英語詞ナンバーは「STAND OR FALL」「The NAKIGARA」の2曲のみ)。がっつり日本語で歌われるアルバムって、もしかして『Racing/音速』(2004年)以来かな? ただ、歌詞の雰囲気的には同作以前の、むしろ初期の『DISILLUSION 〜撃剣霊化〜』(1984年)までの彼らに近い印象を受けます。実際、楽曲の質感や方向性も初期のプログロック的なアレンジを含むハードロック的ですしね。

最初、8曲入りディスク2枚で85分というボリュームに対しては、個人的には否定的でした。特にコンセプチュアルな内容でもない限り、今の時代に90分近い長尺の作品を発表するのはリスキーだし、そこまで集中して楽しめるものなのかな?って。それよりは10曲前後にまとめて焦点を絞ったほうが完成度も高まるんじゃないか、と思ったんです。

実際に2枚通して聴いてみると……意外と最後までスルスル聴き進められて、予想以上に満足できた事実に気付かされます。それは、初期のスタイルに回帰しつつも現代的な演奏や味付けを維持していることで、初期のLOUDNESS的でありながら『RISE TO GLORY -8118-』から続く歴史の先でもあると認識しながら楽しめるからではないでしょうか。

最初のインスト「Rising Sun」こそ「若干ユルいかな?」と思ったものの、先行披露されていた「OEOEO」や「大和魂」、そして「Crazy World」「STAND OR FALL」といった“らしい”楽曲を耳にするたびに「そうそう、これこれ!」とニヤニヤしてしまい、中盤以降も「日本の心」のようなファストチューン、「エメラルドの海」などの王道感の強いミディアムナンバー、久しぶりにポップサイドが強調された「天国の扉」など、充実した楽曲が揃っていることで最後まで飽きずに楽しめるんです。ある意味では歴史を総括したかのような内容でもあることから、確かにこれを10曲前後にまとめると散漫さがよい目立ってしまうかもしれない。そういった意味では、16曲というボリュームにしたことは正解だったのかもしれません。

ヘヴィな曲(それも往年のHR/HM的なものからモダンなものまで)、疾走感の強いファストチューン、メロディアスなバラード、そしてポップサイドを象徴するナンバーなど、LOUDNESSというバンドが築き上げてきた40年の歴史を凝縮し、かつバンドの原点である「日本人によるHR/HMバンド」にこだわった歌詞や作風は2021年というコロナ禍でなければ生まれなかったものかもしれない。偶然の産物かもしれませんが、結果としてはこの形で大正解だったと断言できる1作です。ここまで飽きずに何度も聴けるLOUDNESSのアルバム、本当に久しぶりかもしれません。

ただ、唯一の難点を挙げるとするならば、流通の関係などもあるのかデジタルリリースおよびストリーミング配信未実施なこと。もちろんそうしたことが作品の良し悪しに関係するわけではありませんが、YouTubeなど動画サービスにも関連動画がないことからネット上で試聴することができず、フィジカル(CD)以外で本作にじっくり触れることがでいないというハードルの高さが生じてしまう。それは、この時代においてはちょっと厳しいものがあるかもしれません。ただ、そういうこともあってか(かつ年末リリースという新作が少ない時期というのも手伝って)、本作はオリコンデイリーチャートで最高1位、週間ランキングでは『LOUDNESS』(1992年)の2位、『THUNDER IN THE EAST』(1985年)の4位に次ぐ最高5位という好記録を残しています。

なんてことを考慮すると、実は本作の施策ってサブスク主流の現代において「音楽の価値」や「フィジカルのファンアイテム化」など、さまざまな課題を提示するものかのかもしれませんね。

 


▼LOUDNESS『SUNBURST〜我武者羅』
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2022年1月13日 (木)

SCORPIONS『BLACKOUT』(1982)

1982年3月29日にリリースされたSCORPIONSの8thアルバム。日本盤は当時、『蠍魔宮〜ブラックアウト』という邦題で発売されました(蠍魔宮て)。

前作『ANIMAL MAGNETISM』(1980年)発売がちょうどイギリスでのNWOBHM(=New Wave Of British Heavy Metal)ムーブメント拡散期と重なったことで、RAINBOWJUDAS PRIESTらとともに人気を集め、その勢いのまま彼らは本格的にアメリカ進出。今作リリースがUSメタルブーム勃発期だったこともあり、同作は全米10位という大成功を収めます。本作のヒットが、続く『LOVE AT FIRST STING』(1984年)の爆発的ヒットにつながるわけですね。

バンドの代表作のひとつとして知られる本作ですが、ヘアメタルなどのキャッチーさが強まった『LOVE AT FIRST STING』路線のベースが今作の時点ですで完成していることに気付かされるかと思います。アグレッシヴさを強めた疾走チューン「Blackout」や「Now!」「Dynamite」あたりはNWOBHMムーブメントから受けた影響が表れた仕上がりですが、続く「Can't Live Without You」や「Arizona」でのポップさは以降の彼らの作品にも反映されていくことになるし、70年代から備えてきた憂いを満ちたマイナーキーの「No One Like You」や「You Give Me All I Need」もバンドの大きな武器として作用している。次作以降は後者のポップサイドが強調されていくことになるので、今作はSCORPIONSのヘヴィメタルサイドが強めに表出した初期〜中期最後の1枚と言えるかもしれません。

ギタリスト2人のコンビネーション/チームワークはメタルバンドとして最高潮を迎えており、ルドルフ・シェンカー(G)のリフワークが冴えまくっている点や、ウリ・ジョン・ロート(G)の後任として加入したマティアス・ヤプス(G)のソロワークにおける存在感の強さがより増していることは本作の聴きどころのひとつではないでしょうか。もちろん、クラウス・マイネ(Vo)のボーカルも絶頂期と呼ぶにふさわしいものですし、ゲンザイはバンドを離れているフランシス・ブッホルツ(B)&ハーマン・ラレベル(Dr)のリズム隊から生まれる躍動感も次作以降にはあまり感じられないものが含まれているわけですからね。

かつ、先に触れたポップサイド/メロウサイドの充実や、終盤に置かれたミドルヘヴィの「China White」や泣きのバラード「When The Smoke Is Going Down」含め、続く次作での“完璧な作品至上主義”へと到達する前の“ライブバンド然とした存在感”は80年代初頭というタイミングならではのもの。“80年代のSCORPIONS”のパブリックイメージが完成の域に達しつつあるという点でも、実は本作は『LOVE AT FIRST STING』以上に(バンドにとっても、HR/HMシーンにとっても)重要な1枚ではないでしょうか。

国内サブスクリプションでは、つい最近まで5thアルバム『TAKEN BY FORCE』(1977年)から10thアルバム『SAVAGE AMUSEMENT』(1988年)までのバンド充実期の名作たちが未配信でしたが、2021年12月に突然カタログに加わったことを確認。これも2022年2月22日にリリース予定の7年ぶり新作『ROCK FOREVER』へ向けての施策なんでしょうか。だとしたら、こうして代表作の数々が手軽に楽しめるようになった今回の配慮は非常にうれしい限りです。

 


▼SCORPIONS『BLACKOUT』
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2022年1月12日 (水)

BUDGIE『BUDGIE』(1971)

1971年7月にリリースされたBUDGIEの1stアルバム。

BUDGIEは1967年に結成されたウェールズのカーディフ出身トリオバンド。デビュー時のメンバーはバーク・シェリー(Vo, B)、トニー・ボージ(G, Vo)、レイ・フィリップス(Dr)。バンド名はセキセイインコを意味する“Budgerigar”の口語だそうで、それもあって彼らのアルバムジャケットの多くにはセキセイインコが描かれてます。

80年代後半にMETALLICAがカバーした「Crash Course In Brain Surgery」や「Breadfan」を、人間椅子が「Breadfan」を日本語詞でカバーした「針の山」でHR/HMファンにとってはお馴染みのバンドでしょう。このほかにもSOUNDGARDENが「Homicidal Suicidal」を、IRON MAIDENが「I Can't See My Feelings」をそれぞれカバーしていたりするのえ、原曲は知らなくてもカバーなら知っているという方も少なくないはず。特に1980年前後はNWOBHM(=New Wave Of British Heavy Metal)のルーツのひとつとして評価されたこともあり、一時期はここ日本でもMCA Records時代のアルバム(3rdアルバム『NEVER TURN YOUR BACK ON A FRIEND』や4thアルバム『IN FOR THE KILL!』、5thアルバム『BANDOLIER』、および同3作から抜粋されたベストアルバム)が流通していました。

今回紹介するのは、そのMCA移籍前にインディーズレーベルのKapp Recordsから発表したもの(同レーベルのカタログは現在MCAおよびUniversal流通)。特に人気のある3rd〜4thアルバムはここ日本ではストリーミング配信されておらず、現状聴くことができるのはKapp時代のこの1stアルバムと次作『SQUAWK』(1973年)のみとなっています。

BLACK SABBATHの初期3作やJUDAS PRIESTのデビューアルバムなどで知られるロジャー・ベインがプロデュースを手がけた本作は、言われてみると確かにそれらの作品との共通点がみつけられる、長尺なインストゥルメンタルパートを多数フィーチャーした適度にプログレッシヴなハードロックアルバム。オープニングを飾る4分曲の「Guts」と1分前後のインタールード的なアコースティック小楽曲を除けば、ほとんどが6〜8分にもおよぶ長尺ナンバーばかり。トリオ編成ならではの緊張感の強いバンドアンサンブルとバークのハイトーン寄り(だけど適度にダルさがある)ボーカルが織りなすグルーヴ感は、LED ZEPPLEINやサバスなどがもてはやされていた当時のロックシーンとリンクするものがあります。そう考えると、SOUNDGARDENあたりがカバーしたのも頷けるものがあります。

また、演奏でぐいぐい引っ張っていくプログレッシヴなアレンジは、IRON MAIDENをはじめとするNWOBHM勢との共通点も見受けられるし、その手のバンドをルーツとするMETALLICAにまで影響を及ぼしたのも納得できることでしょう。個人的には「ジャズ的アプローチと邪悪な要素が皆無なBLACK SABBATH」的なイメージで、そのクセの弱さが玉に瑕。だけど、楽曲や演奏自体は非常にクオリティが高く、70年代ハードロックの隠れた名盤に挙げたい1枚だったりもします。

「The Author」や「Nude Disintegrating Parachutist Woman」「Homicidal Suicidal」あたりは今聴いても非常にカッコいいですし、その合間に箸休めとして置かれたアコースティックナンバー「Everything In My Heart」「You And I」も良い味を出している。バンドが真の意味で覚醒するのは3rdアルバム『NEVER TURN YOUR BACK ON A FRIEND』以降かもしれませんが、このデビュー作もなかなか侮れないものがあると思いますよ。

なお、バンドは今作リリース後にシングルとして「Crash Course In Brain Surgery」をリリース。同曲はのちに4thアルバム『IN FOR THE KILL!』で再録音され、そちらを通して知ったという方がほとんどかと思います。実はこの1stアルバムの再発CDにはボーナストラックとして、シングル版「Crash Course In Brain Surgery」も追加収録されているので、機会があったらチェックしてみてください(こちらのバージョンはサブスクでも聴くことができます)。

 


▼BUDGIE『BUDGIE』
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2022年1月11日 (火)

THE ALLMAN BROTHERS BAND『SHADES OF TWO WORLDS』(1991)

1991年7月2日にリリースされたTHE ALLMAN BROTHERS BANDの10thアルバム。日本盤は同年8月23日発売。

1989年に再結成を果たし、翌1990年に再始動後初のアルバム『SEVEN TURNS』をEpic Recordsから発表。今作はその再結成アルバムから1年という短いスパンで届けられた、トム・ダウドのプロデュースによる充実作です。

序盤は「End Of The Line」「Bad Rain」と比較的シンプルな楽曲で固められていますが、M-3「Nobody Knows」は彼ららしいインプロビゼーションをたっぷりフィーチャーした11分にもおよぶ大作。ディッキー・ベッツ(Vo, G)と再始動から加入したウォーレン・ヘインズ(G)の、それぞれの個性が際立つプレイは圧倒的の一言で、10分超の長尺にもかかわらずまったく飽きることなく、むしろゾクゾクした緊張感を保ちながら楽しむことができます。

一方、アルバム終盤に配置された「Kind Of Bird」はジャズミュージシャンのチャーリー・パーカー(Sax)に捧げられた、ジャズ的アプローチのインストゥルメンタルナンバー。パーカッシヴなリズムとフュージョンを彷彿とさせるギター&キーボードプレイの数々は、カントリーやブルースを通過した「Nobody Knows」とも異なる魅力を放っており、気持ちよく堪能できるはずです。

さらに、アルバムラストを飾るのはロバート・ジョンソンのカバー「Come On In My Kitchen」。ディッキー・ベッツ&ウォーレン・ヘインズによるスライドギタープレイのカッコよさといったら、たまらないものがあります。ブルージーなんだけどソウルフルというアレンジも完璧で、完全に自身のものとして成立させています。

デュエイン・オールマン(G)亡き後、彼を彷彿とさせるようでまったく異なる個性を発揮させるウォーレン・ヘインズのプレイこそ、実は本作最大の聴きどころ。ねっとりしたフレージングやスライドプレイは、ただただ圧倒的の一言で、当時31歳という若手に属する彼に触発されて他のメンバーのプレイも輝きを取り戻している。グレッグ・オールマンのボーカル&オルガンプレイも味わい深さが増しており、フレッシュさと芳醇さが程よくミックスされた、傑作と呼ぶに相応しい仕上がりではないでしょうか。

デュエイン時代の70年代の諸作品はもちろん名盤ばかりですが、聴きやすさという点においては本作こそビギナー向け。ここを入り口に、70年代の名作たちに手を出してみてはいかがでしょう。

 


▼THE ALLMAN BROTHERS BAND『SHADES OF TWO WORLDS』
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2022年1月10日 (月)

祝ご成人(2001年4月〜2002年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さんおめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画も、今年で8回目。しかし、この春から成年年齢が18歳になることから、今回で最後かなと思っております(さすがに18年前って区切り悪いですしね)。この企画は「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に貴重な機会でもあり、同時に「どれを20枚に含めるか?」というセレクトにおいても非常に頭を悩ます良いタイミングとなっていたので、成人式抜きで続けてもいいんですけど……まあ、そのへんは1年後に考えます(笑)。

改めて趣旨説明を。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2001年4月〜2002年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちら、2019年度の新成人編はこちら、2020年度の新成人編はこちらです)

以下、サブスクを通して名盤20選をお楽しみください。

 

ANDREW W.K.『I GET WET』(2001年11月発売)(Spotify)(レビュー

 

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(日本:2001年4月発売、海外:2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

ASH『FREE ALL ANGELS』(2001年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

BASEMENT JAXX『ROOTY』(2001年6月発売)(Spotify

 

BJORK『VESPERTINE』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE CHEMICAL BROTHERS『COME WITH US』(2002年1月発売)(Spotify)(レビュー

 

CONVERGE『JANE DOE』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

INCUBUS『MORNING VIEW』(2001年10月発売)(Spotify

 

JIMMY EAT WORLD『BLEED AMERICAN』(2001年7月発売)(Spotify

 

KYLIE MINOGUE『FEVER』(2001年10月発売)(Spotify

 

MUSE『ORIGIN OF SYMMETRY』(2001年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

RADIOHEAD『AMNESIAC』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

RYAN ADAMS『GOLD』(2001年9月発売)(Spotify

 

SLIPKNOT『IOWA』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE STROKES『IS THIS IT』(2001年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

SUM 41『ALL KILLER NO FILLER』(2001年5月発売)(Spotify

 

SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

TOOL『LATERALUS』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

WEEZER『WEEZER (GREEN ALBUM)』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

残念ながらセレクトから漏れた作品も多く。以下に主だった作品をピックアップしておきました。

AIR『10000 HZ LEGEND』
ALICIA KEYS『SONGS IN A MINOR』
...AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF DEAD『SOURCE TAGS & CODES』
AUTECHRE『CONFIELD』
THE BLACK CROWES『LIONS』
BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(レビュー
BLIND GUARDIAN『A NIGHT AT THE OPERA』
BLINK-182『TAKE OFF YOUR PANTS AND JACKET』
BRITNEY SPEARS『BRITNEY』
THE CHARLATANS『WONDERLAND』
!!!『!!!』
THE CULT『BEYOND GOOD AND EVIL』(レビュー
DEPECHE MODE『EXCITER』(レビュー
DREAM THEATER『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』
EMPEROR『PROMETHEUS: THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE』
FANTOMAS『THE DIRECTOR'S CUT』
FEAR FACTORY『DIGIMORTAL』
FEEDER『ECHO PACK』
GARBAGE『BEAUTIFULGARBAGE』
HATEBREED『PERSEVERANCE』
HOOBASTANK『HOOBASTANK』
THE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACY『A NEW MORNING, CHANGING WEATHER』(レビュー
JAMIROQUAI『A FUNK ODYSSEY』
JOEY RAMONE『DON'T WORRY ABOUT ME』
KREATOR『VIOLENT REVOLUTION』
LENNY KRAVITZ『LENNY』
MACHINE HEAD『SUPERCHARGER』
MEGADETH『THE WORLD NEEDS A HERO』(レビュー
MERCURY REV『ALL IS DREAM』
MICHAEL JACKSON『INVINCBLE』
MICK JAGGER『GODDESS IN THE DOORWAY』(レビュー
MISSY ELLIOTT『MISS E... SO ADDICTIVE』
MOGWAI『ROCK ACTION』(レビュー
MOUSE ON MARS『IDIOLOGY』
MR. BIG『ACTUAL SIZE』(レビュー
N*E*R*D『IN SEARCH OF...』
NEW ORDER『GET READY』
NICKELBACK『SILVER SIDE UP』
OCEAN COLOUR SCENE『MECHANICAL WONDER』
OZZY OSBOURNE『DOWN TO EARTH』(レビュー
PUDDLE OF MUDD『COME CLEAN』
R.E.M.『REVEAL』
RAMMSTEIN『MUTTER』
ROB ZOMBIE『THE SINISTER URGE』
SLAYER『GOD HATES US ALL』(レビュー
SOILWORK『NATURAL BORN CHAOS』
SPIRITUALIZED『LET IT COME DOWN』
STAIND『BREAK THE CYCLE』
STATIC-X『MACHINE』
STEREOPHONICS『JUST ENOUGH EDUCATION TO PERFORM』
STONE TEMPLE PILOTS『SHANGRI-LA DEE DA』
SUGAR RAY『SUGAR RAY』
SUPER FURRY ANIMALS『RINGS AROUND THE WORLD』
TRAVIS『THE INVISIBLE BAND』
THE WHITE STRIPES『WHITE BLOOD CELLS』
YEAH YEAH YEAHS『YEAH YEAH YEAHS』

……多い(笑)。セレクトしまくったらこうなった。というか、2001〜2002年ってすでにこのサイトの前身「とみぃの宮殿」のアクセスがそこそこ増え始めた時期で(理由:ハロプロ)、更新意欲もかなり強くて新譜にも積極的に触れていたタイミングなんですよね。当然あの頃はサブスクなんてなかったので(海外にはNapsterがありましたけどね)、CDを闇雲に購入しまくっていたのですが(しかも、当時はライターになる前で、東京住まいではなかったこともあり、月に数度、週末にCD漁りったりクラブ遊びしたりライブ行ったりするために上京していたのでした)、今回選んだ20枚は完全に今の自分の趣味と、客観的に見て名盤として通用する作品を意識しています。

2001年というと、9月11日のアメリカ同時多発テロが忘れられない出来事でしたよね。当時は追悼イベントもいくつか開催されましたが、こうした事実が作品に反映されたのは2002年以降の作品だったので、今回ピックアップした作品の中には911について歌った曲は含まれていないんじゃないかな。

あと、ジョーイ・ラモーン(4月15日)やジョン・リー・フッカー(6月21日)、ジョージ・ハリスン(11月29日)が亡くなったのも2001年のことでした。

ちなみに、当時の日本の音楽シーンには以下のような出来事がありました。

■三波春夫、死去(2001年4月)
■中澤裕子がモーニング娘。を卒業(2001年4月)
■Coccoが音楽活動休止(2001年4月)
■野猿、撤収(2001年5月)
■三木道三、「Lifetime Respect」でオリコン1位獲得(2001年7月)
■サザンオールスターズから大森隆志(G)が脱退(2001年8月)
■EE JUMPのユウキ、活動自粛(2001年8月)
■モーニング娘。に5期生加入(2001年8月)
■SPEED、阪神淡路大震災復興イベントで一夜限りの再結成(2001年10月)
■access、7年ぶりに活動再開(2001年12月)
■第43回日本レコード大賞、浜崎あゆみ「Dearest」が大賞受賞。最優秀新人賞はw-inds.が受賞(2001年12月)
■SIAM SHADE解散(2002年3月)
■エイベックスがコピーコントロールCD(CCCD)発売(2002年3月)
■DREAMS COME TRUEから西川隆宏が脱退(2002年3月)

なお、2001年の年間アルバムランキング1位は宇多田ヒカル『Distance』、2位が浜崎あゆみ『A BEST』という時代。懐かしいですね……。

最後に、今回選出した20作品をまとめたプレイリストも用意しましたので、掲載しておきます。

 

2022年1月 9日 (日)

TIN MACHINE『TIN MACHINE II』(1991)

1991年9月2日にリリースされたTIN MACHINEの2ndアルバム。日本盤は同年9月4日発売。

ソロキャリアを一旦ストップさせて、バンドの一員に徹することで新たな“ムーブ”を求めたデヴィッド・ボウイ。1989年に1stアルバム『TIN MACHINE』を発表するも、イギリスで3位、アメリカでは28位とそこまで大きな成功を収めることはできませんでした。その後、1990年のソロキャリアを総括するツアー(および、ソロ時代のカタログリイシュー)を経て、それまで在籍したEMIを離れて新興レーベルのVictory Musicと新たに契約し、本作を完成させます。

バンドメンバーはボウイ(Vo, G)、リーヴス・ガブレルス(G)、トニー・セイルス(B)、ハント・セイルス(Dr)と前作と同様。プロデューサーには前作から引き続きティム・パルマー(TEARS FOR FEARSオジー・オズボーンU2など)が参加し、「One Shot」のみヒュー・パジャム(THE POLICEGENESISピーター・ガブリエルなど)がプロデュース&ミックスを手がけています。また、前作では全14曲中5曲がボウイ単独で書き下ろされた楽曲でしたが、今作はボウイ単独は「A Big Hurt」1曲のみ。「Sorry」に至ってはハント単独名義での楽曲ですし、この曲と「Stateside」ではハントがリードボーカル担当と、完全にボウイが4分の1に徹しようと務めていることが伺えます。

楽曲は前作よりもより産業ロック/ハードロック的な質感が増しており、ボウイのソロ作でいえば直近の『NEVER LET ME DOWN』(1987年)にもっとも近いんじゃないでしょうか。ただ、あのアルバムが80年代半ば的な音だったのに対し、こちらはより1990年前後の質感に近付いており、感触的にはそこまで悪い印象は受けません。

ただ、曲から“ボウイらしさ”が伝わらない。大半の楽曲はボウイとリーヴスの共作で、演奏もリーヴスの派手なギターが目立つアレンジ。ボウイはお膳立てされたトラックの上で好きに歌っている……といったところでしょうか。「Baby Universal」や「You Belong In Rock N' Roll」など、確かに今聴いても水準以上の仕上がりだと思います。だけど、ボウイがキャリアを総括する際にここからどの曲を選ぶかと言われると非常に困ってしまう。そんな歯痒い1枚とも言えるのです。

あと、個人的に一番グッときたのがROXY MUSICのカバー「If There Is Something」というのもどうかと思いました。ボウイ以外が歌うヌルいブルースロック「Stateside」や「Sorry」は、純度の高いボウイを求めて本作に触れるのならば蛇足以外の何ものでもないですし、やはり全体的に「無理して聴かなくていいかな」という空気が漂っているのは否めないかな。うん、ボウイのカタログで最後に聴くべき番外編だと思っておけば間違いありません。

そんなこと書いてますが、このアルバム。日本では現在廃盤状態。海外では2020年7月にMusic On CDを通じて最初されていますが、デジタル配信は現在まで未解禁。日本のみならず海外のSpotifyにもApple Musicでも聴くことができない状況です。これに関しては随分前から海外でも話題になっており、本作だけがISO/Parlophone(現在カタログを管理するレーベル)以外からのリリースであることなどがデジタル配信未解禁の理由ではないかと言われています。もしデジタル解禁するならリリース30周年の2021年に踏み切ったはずですが、そんな噂一切なかったですしね。この先、気軽に聴くことができる日が来るのかどうか……まあ中古CDなら安価で入手可能なので、気になる方はAmazonなりディスクユニオンなりで探してみてはどうでしょう。

 


▼TIN MACHINE『TIN MACHINE II』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ

2022年1月 8日 (土)

DAVID BOWIE『ALADDIN SANE』(1973)

1973年4月13日にリリースされたデヴィッド・ボウイの6thアルバム。

前々作『HUNKY DORY』(1971年)を経て、よりグラマラスなサウンド&ビジュアルに特化させたコンセプトアルバム『THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS』(1972年)でひとつの答えへとたどり着いたボウイ。同作を携えたツアーでは、アルバムの主人公である架空のロックスター、ジギー・スターダストになりきってステージに立つことでカリスマ的人気を手中にします。

その勢いのまま制作に突入した今作には、前2作から引き続きTHE SPIDERS FROM MARSの面々……ミック・ロンソン(G)、トレヴァー・ボルダー(B)、ウッディ・ウッドマンジー(Dr)に加え、ジャズ方面のピアニストであるマイク・ガーソンが全面参加。THE ROLLING STONESのカバー「Let's Spend The Night Together」や「The Jean Genie」など豪快なロックンロールに、「Aladdin Sane (1913–1938–197?)」を筆頭とした排他的な空気を強めた楽曲が加わることで“何かの終焉”を匂わせる作風に仕上がっています。

全体を通して前作よりもワイルドさが強まったのは、前作のツアーで初めて実現した本格的USツアーでの経験が大きく作用したものと思われます。イギー・ポップとの出会いも、たしかこの前後(もうちょっと前?)でしたし、「Panic In Detroit」なんてタイトルの楽曲もあるくらいですから、いろいろな影響を得たのでしょう。とにかく全体を通して“バンド感”がより強まっており、全体の流れの心地よさはぶっちゃけ前作以上ではないでしょうか(それもあって、個人的にはこちらのほうがダントツに好きだったりします)。

「Drive-In Saturday」や「Time」のようにそれまでの流れを汲むドラマチックなミディアム/スローナンバーもしっかり用意されているし、王道のグラムロック「The Prettiest Star」もしっかり存在する。だけど、このアルバムでもっとも印象的な曲って、結局マイク・ガーソンのピアノを全面にフィーチャーした「Aladdin Sane (1913–1938–197?)」や「Lady Grinning Soul」なんですよね。中でも、後者の流れるようなピアノのフレーズ/メロディは圧巻の一言で、この1曲を聴くためだけに本作に手を伸ばしても損させないだけの魅力が備わっていると思うんです。

このしっかり作り込まれた傑作アルバム発売から数ヶ月後、ボウイはワールドツアー最終日にジギー・スターダストという架空のキャラクターを葬り去り、グラムロック時代に終止符を打ちます。音楽的にも臨界点を迎えたというのもあるし、借りの姿を演じることにも疲れた(というか飽きた)んでしょうね。だけど、最初のピークを経て、ボウイの新しい音楽探求の旅がここから40年以上にわたり続くことになるとは、当時は思いもしなかったでしょうけど……。

 


▼DAVID BOWIE『ALADDIN SANE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

2022年1月 7日 (金)

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(2001)

1月2日から数日更新をお休みしましたが、本日から再び連日更新を再開します。改めまして、本年もよろしくお願いいたします。

さて、2022年最初に取り上げる作品は、2001年4月25日に日本先行リリースされたARCH ENEMYの4thアルバム。海外では1年遅れの2002年3月18日に発売されました。

3rdアルバム『BURNING BRIDGES』(1999年)で初期ARCH ENEMYのスタイルを確立させるも、翌2000年にはフロントマンのヨハン・リーヴァ(Vo)が力量不足を理由に解雇に。バンドは新たなシンガー加入を発表しないまま次作の制作に突入します。そして、2001年に入ると突如ニューアルバムからの楽曲が公開され、新シンガーが誰なのかに注目が寄せられます。しばらくすると、新たなアーティスト写真が公開されるのですが、そこには女性シンガーであるアンジェラ・ゴソウの姿が。「これ、女性が歌ってたのかよ!!!!!」と多くのメタルファンが驚愕することになります。

今でこそ女性メタルシンガー、特にメロデスやメタルコアを歌うフロントウーマンは珍しくありませんが、20年前に彼女が登場したときはそのビジュアルと歌声との落差(という表現が正しいのかわかりませんが)に僕自身も腰を抜かしたことをよく覚えています。だって、どこからどう聴いても女性の片鱗が皆無でしたからね。

こうして海外より先に日本のファンに向けて届けられた本作。バンドは新たなシンガーとともに、ヨハン・リーヴァ時代のスタイルをより正統派ヘイメタル側に寄せる形で、メロディックデスメタルがさらにひとつ進化させることに成功するわけです。だって、ドラマチックな「Enemy Within」からスタートするアルバム冒頭や、小気味良いテンポを持つキャッチーな「Burning Angel」、過去3作のメロウなスタイルをより強化させた「Ravenous」、のちに自身のレーベル名にも用いられるグルーヴィーなミドルチューン「Saage Messiah」など、とにかく一寸の隙もない楽曲がずらりと並ぶのですから。悪いわけがないですよ。

ヨハンのボーカルスタイルはデスメタルというよりはもっとハードコア寄りな印象を受け、それが当時のARCH ENEMYのオリジナリティにつながっていたわけですが、このアルバムで聴くことができるアンジェラのボーカルはよりデスメタルサイドに振り切ったもので、スクリームというよりはグロウルという表現が最適なもの。その迫力は性別を超えた凄みがあるものの、突出した個性という点ではもう一歩というところ(それは作品を重ねることで解消されていくわけですが)。この時点では、楽曲の完成度をさらに強化させることで第2期ARCH ENEMYとしての個性を固めていこうとしていたんじゃないでしょうか。各曲の作り込み、主にマイケル&クリストファーのアモット兄弟によるギターのメロディラインや、シャーリー・ダンジェロ(B)&ダニエル・アーランドソン(Dr)による鉄壁かつ変幻自在なアンサンブルからもそういった傾向が伝わってきます。

アンジェラ時代のARCH ENEMYはその後も名曲の数々を、アルバムに最低でも1つは用意し続けましたが、アルバムトータルでの完成度という点においては実は本作が最高ではないか?という気がしています。ここで枠/雛形をほぼ完成させ、あとはブラッシュアップさせていく作業の連続だった……というのは言い過ぎでしょうか。

 


▼ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

2022年1月 2日 (日)

TMQ-WEB: 2021年の年間アクセスランキングTOP50

このエントリーでは2021年1月1日から同年12月31日までの1年間における、アクセス上位50エントリーを紹介します。内訳はトップページやアーティスト別カテゴリーへのアクセスなどを省いた上位50エントリーです。今回は過去記事すべてを集計した総合ランキングと、2021年リリースの新譜レビュー記事に限定した上位50エントリーの2つを紹介。まだ読んでいない記事などありましたら、この機会に読んでいただけたら幸いです。

まずは、2021年リリースの新譜レビュー記事に限定した上位50エントリーからです。

 

■2021年 年間アクセスランキングTOP50(2021年リリース作品限定)

1位:GASTUNK『VINTAGE SPIRIT,THE FACT』(※2021年6月13日更新)

2位:楠木ともり『narrow』(※2021年11月13日更新)

3位:FLOTSAM AND JETSAM『BLOOD IN THE WATER』(※2021年6月7日更新)

4位:THE DEAD DAISIES『HOLY GROUND』(※2021年2月5日更新)

5位:METALLICA『METALLICA: DELUXE EDITION』(※2021年9月14日更新)

6位:BORN OF OSIRIS『ANGEL OR ALIEN』(※2021年7月3日更新)

7位:WEEZER『OK HUMAN』(※2021年2月7日更新)

8位:FEAR FACTORY『AGGRESSION CONTINUUM』(※2021年6月19日更新)

9位:WHITESNAKE『THE BLUES ALBUM』(※2021年2月20日更新)

10位:GUNS N' ROSES『ABSUЯD』(※2021年8月6日更新)

 

11位:MICHAEL SCHENKER GROUP『IMMORTAL』(※2021年2月2日更新)

12位:MOTLEY CRUE『THEATRE OF PAIN (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』(※2021年6月26日更新)

13位:IRON MAIDEN『SENJUTSU』(※2021年9月16日更新)

14位:HELLOWEEN『HELLOWEEN』(※2021年6月17日更新)

15位:ENUFF Z'NUFF『NEVER ENUFF: RARITIES & DEMOS』(※2021年9月7日更新)

16位:CHARLIE BENANTE『SILVER LININGS』(※2021年5月16日更新)

17位:MOTLEY CRUE『GIRLS, GIRLS, GIRLS (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』(※2021年6月26日更新)

18位:ACCEPT『TOO MEAN TO DIE』(※2021年2月1日更新)

19位:GUNS N' ROSES『HARD SKOOL』(※2021年9月25日更新)

20位:LOVE AND DEATH『PERFECTLY PRESERVED』(※2021年2月12日更新)

 

21位:CARCASS『TORN ARTERIES』(※2021年9月17日更新)

22位:LEPROUS『APHELION』(※2021年9月18日更新)

23位:MOTLEY CRUE『DR. FEELGOOD (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』(※2021年9月5日更新)

24位:THUNDER『ALL THE RIGHT NOISES』(※2021年3月14日更新)

25位:MR. BIG『LEAN INTO IT (30TH ANNIVERSARY EDITION)』(※2021年7月17日更新)

26位:CHEAP TRICK『IN ANOTHER WORLD』(※2021年4月10日更新)

27位:BLACK MIDI『CAVALCADE』(※2021年6月1日更新)

28位:OUR HOLLOW, OUR HOME『BURN IN THE FLOOD』(※2021年6月3日更新)

29位:THE PRETTY RECKLESS『DEATH BY ROCK AND ROLL』(※2021年2月14日更新)

30位:TRIVIUM『IN THE COURT OF THE DRAGON』(※2021年10月9日更新)

 

31位:RONNIE ATKINS『ONE SHOT』(※2021年3月18日更新)

32位:MOGWAI『AS THE LOVE CONTINUES』(※2021年2月19日更新)

33位:JOEL HOEKSTRA'S 13『RUNNING GAMES』(※2021年2月21日更新)

34位:BUCKCHERRY『HELLBOUND』(※2021年6月23日更新)

35位:THE WiLDHEARTS『21ST CENTURY LOVE SONGS』(※2021年9月4日更新)

36位:WEEZER『VAN WEEZER』(※2021年5月8日更新)

37位:WIG WAM『NEVER SAY DIE』(※2021年2月4日更新)

38位:MANIC STREET PREACHERS『THE ULTRA VIVID LAMENT』(※2021年9月12日更新)

39位:DURBIN『THE BEAST AWAKENS』(※2021年2月17日更新)

40位:MOTLEY CRUE『SHOUT AT THE DEVIL (40TH ANNIVERSARY REMASTERED)』(※2021年10月10日更新)

 

41位:WITHERFALL『CURSE OF AUTUMN』(※2021年3月9日更新)

42位:LOVEBITES『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』(※2021年3月10日更新)

43位:ARCHITECTS『FOR THOSE THAT WISH TO EXIST』(※2021年3月1日更新)

44位:DEE SNIDER『LEAVE A SCAR』(※2021年8月2日更新)

45位:V.A.『THE METALLICA BLACKLIST』(※2021年9月11日更新)

46位:RICKY WARWICK『WHEN LIFE WAS HARD & FAST』(※2021年2月22日更新)

47位:THE CROWN『ROYAL DESTROYER』(※2021年3月13日更新)

48位:HACKTIVIST『HYPERDIALECT』(※2021年6月22日更新)

49位:MIDNITE CITY『ITCH YOU CAN'T SCRATCH』(※2021年6月10日更新)

50位:EVILE『HELL UNLEASHED』(※2021年5月4日更新)

 

1位、2位はダントツのアクセス数で、3位以下とは倍近くの差がついています。どちらもアーティストご本人が紹介してくれた結果。本当にありがとうございます。

一方で、3位以下はいつもどおりの当サイトらしいセレクト。BORN OF OSIRISのアクセスが毎月地味に集まっていることが、こうした上位入りにつながったのは興味深いです。あと、今年は周年タイミングのリイシューも多く(METALLICA、MR.BIG、チャートインは逃しましたがNIRVANA。そしてバンド40周年で続発したMOTLEY CRUE初期作の再発)、これに該当する作品も多数ランクインしました。

続いて、総合ランキングを紹介します。ちなみに記事タイトルの後ろにある「(※XXXX年XX月XX日更新/↑●位)」の表記は、「更新日/2020年 年間アクセスランキング順位」を表しています。

 

■2021年 年間アクセスランキングTOP50(全期間)

1位:NAILBOMB『POINT BLANK』(1994)(※2018年5月12日更新/→1位)

2位:KISS THE FAREWELL TOUR JAPAN 2001@東京ドーム(2001年3月13日)(※2001年3月25日更新/Re)

3位:THUNDERPUSSY『THUNDERPUSSY』(2018)(※2018年6月28日更新/→3位)

4位:GASTUNK『VINTAGE SPIRIT,THE FACT』(2021)(※2021年6月13日更新/NEW!)

5位:AVENGED SEVENFOLD『DIAMONDS IN THE ROUGH』(2020)(※2020年2月8日更新/↑21位)

6位:楠木ともり『narrow』(2021)(※2021年11月13日更新/NEW!)

7位:元METAL CHURCHのデヴィッド・ウェイン、死去。(※2005年5月13日更新/Re)

8位:NINE INCH NAILS『BROKEN』(1992)(※2018年10月5日更新/↑39位)

9位:PRIDE & GLORY『PRIDE & GLORY』(1994)(※2017年5月10日更新/↑32位)

10位:BRING ME THE HORIZON『Music to listen (中略) to-GO TO』(2019)(※2019年12月31日更新/↓2位)

 

11位:PRINCE『BATMAN』(1989)(※2019年2月13日更新/↑40位)

12位:NIRVANA『NEVERMIND』(1991)(※2017年8月14日更新/↑15位)

13位:SOILWORK『A WHISP OF THE ATLANTIC』(2020)(※2020年12月9日更新/NEW!)

14位:NINE INCH NAILS『THE FRAGILE』(1999)(※2019年1月25日更新/↓10位)

15位:「FUJI ROCK FESTIVAL '01」DAY 1@苗場スキー場(2001年7月27日)(※2001年8月8日更新/↓6位)

16位:WHITESNAKE『WHITESNAKE (1987)』(1987)(※2017年2月3日更新/↓11位)

17位:BRYAN ADAMS『WAKING UP THE NEIGHBOURS』(1991)(※2016年12月16日更新/↑47位)

18位:FLOTSAM AND JETSAM『BLOOD IN THE WATER』(2021)(※2021年6月7日更新/NEW!)

19位:JERUSALEM SLIM『JERUSALEM SLIM』(1992)(※2017年4月10日更新/↑27位)

20位:PENPALS解散に寄せて/PENPALS『RIGHT NOW』(1999)(※2005年10月21日更新/Re)

 

21位:エレファントカシマシ@渋谷公会堂(2002年5月30日)(※2002年6月29日更新/Re)

22位:UFO『WALK ON WATER』(1995)(※2017年8月10日更新/→22位)

23位:SLAYER『REIGN IN BLOOD』(1986)(※2018年3月8日更新/↓12位)

24位:STING『...NOTHING LIKE THE SUN』(1987)(※2019年1月3日更新/Re)

25位:L.A. GUNS『RENEGADES』(2020)(※2020年12月12日更新/NEW!)

26位:涙がこぼれそう(追悼、アベフトシ)(※2009年7月23日更新/↓25位)

27位:THE STONE ROSES『SECOND COMING』(1994)(※2019年9月2日更新/↑46位)

28位:CRY OF LOVE『BROTHER』(1993)(※2019年6月19日更新/↓7位)

29位:THE DEAD DAISIES『HOLY GROUND』(2021)(※2021年2月5日更新/NEW!)

30位:MOTLEY CRUE『TOO FAST FOR LOVE』(1981 / 1982)(※2018年3月11日更新/Re)

 

31位:2020年総括(※2021年1月1日更新/NEW!)

32位:BRING ME THE HORIZON『LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL』(2016)(※2020年12月21日更新/NEW!)

33位:THE CULT『ELECTRIC』(1987)(※2017年9月22日更新/↓17位)

34位:METALLICA『METALLICA: DELUXE EDITION』(2021)(※2021年9月14日更新/NEW!)

35位:Cocco@日本武道館(2000年10月6日)(※2000年10月8日更新/Re)

36位:FAITH NO MORE『ANGEL DUST』(1992)(※2017年7月11日更新/↑50位)

37位:SUEDE『DOG MAN STAR』(1994)(※2019年6月7日更新/Re)

38位:BORN OF OSIRIS『ANGEL OR ALIEN』(2021)(※2021年7月3日更新/NEW!)

39位:BLUR『THE GREAT ESCAPE』(1995)(※2021年3月27日更新/NEW!)

40位:DEFTONES『OHMS』(2020)(※2020年9月28日更新/↓38位)

 

41位:2021年上半期総括(※2021年7月4日更新/NEW!)

42位:WHITESNAKE『LOVE SONGS』(2020)(※2020年11月9日更新/NEW!)

43位:ANDY TAYLOR『THUNDER』(1987)(※2017年9月28日更新/↑44位)

44位:WEEZER『OK HUMAN』(2021)(※2021年2月7日更新/NEW!)

45位:FEAR FACTORY『AGGRESSION CONTINUUM』(2021)(※2021年6月19日更新/NEW!)

46位:FOO FIGHTERS『THERE IS NOTHING LEFT TO LOSE』(1999)(※2017年9月11日更新/Re)

47位:WHITESNAKE『THE BLUES ALBUM』(2021)(※2021年2月20日更新/NEW!)

48位:CINDERELLA『LONG COLD WINTER』(1988)(※2015年4月29日更新/↓18位)

49位:GUNS N' ROSES『ABSUЯD』(2021)(※2021年8月6日更新/NEW!)

50位:MICHAEL SCHENKER GROUP『IMMORTAL』(2021)(※2021年2月2日更新/NEW!)

 

総合1位は、2020年度から引き続きNAILBOMB『POINT BLANK』。同作のレビューは詳しい解説って、ネット上に少ないんですかね。毎月安定したアクセスがあり、気づけば2021年も一番アクセスを集める記事となりました。本当に興味深い結果です。

2位は、2001年3月に公開した同月開催のKISS来日公演のレポート記事。オリジナルは「とみぃの宮殿」時代に執筆したものですが、20年前に初めて掲載したテキストが今もこうしてアクセスを集めているのは非常に興味深い結果です。実はこのライブ、2021年6月に『OFF THE SOUNDBOARD: TOKYO 2001』と題してライブアルバム化されたことも大きく影響しているようです。事実、同作のリリースが発表されて以降、じわじわとアクセス数を伸ばしてきたのですから。こういう効果も20年以上サイトを続け、データを蓄積してきた結果なんでしょう。エレカシやCocco、フジロックの約20年前のライブレポートにアクセスが集まるのも、同様の理由なんでしょうかね。

今年から前年の記録からの推移を記載しているので、2020年から引き続きアクセスを集めているエントリーがどれか明確になったかと思います。NINE INCH NAILS『BROKEN』『THE FRAGILE』、NIRVANA『NEVERMIND』、WHITESNAKE『WHITESNAKE』、SLAYER『REIGN IN BLOOD』などの歴史的名盤レビューが安定して読まれているのもなるほどと頷けるものがあります。

なお、過去のアクセスランキング結果が気になる方は、こちらもあわせてご覧ください(2019年度はこちら2020年度はこちら)。

2022年1月 1日 (土)

2021年総括

昨日のエントリー(2021年総括:HR/HM、ラウド編)にも書いたように、2021年は前年から引き続き新型コロナウイルスの影響が響いた1年でした。夏くらいまでは一喜一憂の日々を過ごしてきたものの、ワクチン接種など少しずつ動きもあったことで、秋から年末にかけて感染者数も1年前と比べると少し落ち着きを見せています。そういったポジティブな要素が影響し、エンタメ界も少しずつ明るい兆しを見せ始めています。もちろん、2年前と比べたら明らかに違った日常にはなってしまいましたが、それでも新たなスタンダードを確立させようと我々も日々奮闘し続けているところ。さて、この状況が春、そして夏場のフェスシーズン、年末までにどう変わっていくのか、じっくり見届けたいと思います。

2021年の総括に関してです。今年も昨年同様に「アルバム/シングル/楽曲と枠にこだわらず、20作品に縛る」形でまとめさせてもらいました。また、サブスクの普及により、数年がかりでヒットする(リスナーにまで浸透する)ケースも顕著になってきているので、セレクトする作品に関しても特に2021年発売には拘っておりません。それと、ヘヴィ/ラウド系は先に紹介したエントリーにて総括しているので、こちらでは省いております。

こちらも特に順位付けをせず、アルファベット→50音順で掲載しております。

 

ABBA『VOYAGE』(Apple Music)(アルバム/レビュー

 

THE ANCHORESS『THE ART OF LOSING』(Apple Music)(アルバム/レビュー

 

ARLO PARKS『COLLAPSED IN SUNBEAMS』(Apple Music)(アルバム)

 

BTS「Butter」(Apple Music)(楽曲)

 

DAVE GAHAN & SOULSAVERS『IMPOSTER』(Apple Music)(アルバム/レビュー

 

FAYE WEBSTER『I KNOW I'M FUNNY HAHA』(Apple Music)(アルバム)

 

Liella!「始まりは君の空」(Apple Music)(楽曲)

 

Little Glee Monster「REUNION」(Apple Music)(楽曲)

 

MÅNESKIN「I Wanna Be Your Slave (with IGGY POP)」(Apple Music)(楽曲)

 

MANIC STREET PREACHERS『THE ULTRA VIVID LAMENT」(Apple Music)(アルバム/レビュー

 

SUPER BEAVER『アイラヴユー』(Apple Music)(アルバム)

 

WAVVES『HIDEAWAY』(Apple Music)(アルバム)

 

WEEZER『OK HUMAN』(Apple Music)(アルバム/レビュー

 

ウマ娘「うまぴょい伝説」(Apple Music)(楽曲)

 

からあげ姉妹「1・2・3」(Apple Music)(楽曲)

 

楠木ともり『narrow』(Apple Music)(EP/レビュー

 

櫻坂46「流れ弾」(Apple Music)(楽曲)

 

鞘師里保『DAYBREAK』(Apple Music)(EP)

 

ドレスコーズ『バイエル』(Apple Music)(アルバム)

 

22/7「ヒヤシンス」(Apple Music)(楽曲)

 

海外アーティストに関しては、メタル/ラウド以外は相変わらず女性ボーカルものを聴く機会が多く、あとは旧譜のリイシューばかり。最新のポップスはヒットチャートものをまとめたプレイリストなどで触れているものの、やっぱり耳に残ったのはBTSと、それ以外だとMÅNESKINあたりかな。DRY CLEANING『NEW LONG LEG』は最後までギリギリ入れるか悩みましたが。

特に国内アーティストに関してもいろいろ悩みましたが、こんな感じでしょうか。楠木ともりさんは上半期総括では2nd EP『Forced Shutdown』をセレクトしましたが、常に最新作がベストを更新している印象もあるので(かつ年末のライブも素晴らしかったので)3rd EPを選出。日向坂46「君しか勝たん」もギリギリまで悩みましたが、それ以外の楽曲/アルバムが素晴らしすぎてこういう結果となりました。ここから漏れた作品だとGuilty Kiss『Shooting Star Warrior』(アルバム)、INORAN『ANY DAY NOW』、鈴木愛奈『Belle révolte』、矢野顕子『音楽はおくりもの』、和田彩花『私的礼讃』、楽曲単位だとOfficial髭男dism「Universe」、toku「ずるいよ、桜 feat. 神田沙也加」、アネモネリア「巣立ちの歌」、伊藤美来「No. 6」、乃木坂46「最後のTight Hug」などなど。

明日は、本サイトのエントリーにおける総括を実施予定。年末年始はこういう形の更新で、ここ1年を振り返ることができたらと思います。

 

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