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2022年1月19日 (水)

THE USED『THE USED』(2002)

2002年6月25日にリリースされたTHE USEDの1stアルバム。日本盤は同年12月18日発売。

THE USEDは米・ユタ州オレムで結成された4人組ポストハードコア/スクリーモバンド。正式な結成タイミングは2001年となっていますが、実は90年代半ばから前身バンドとして活動を続けており、結成から1年でメジャーデビューというポッと出の新人というわけではないのでした。

適度なハード&ヘヴィさとメロディアスさ、そしてエモの流れを汲む激情的アンサンブルはパンクとモダンメタル/ニューメタルの中間に位置するもので、同時期にシーンを席巻したLINKIN PARKのようなヒップホップからの延長線上にあるニューメタル勢とは一線を画するものでした。が、FINCHらとともにゼロ年代初頭のラウドシーンを牽引するという意味でも、このデビューアルバムは当時非常に高く評価された記憶があります。

今の耳で聴くとそこまでメタリックというわけでもなく、むしろエモやハードコアパンクの進化系のような印象を受けるサウンド/楽曲群は非常に耳馴染みがよく、そりゃヒットするわなと強く感じさせるものばかり。大半の楽曲が2〜3分台というコンパクトさもパンクロック的で、複雑かつ技巧的な演奏でリスナーを圧倒させるというよりも、強弱のダイナミズムで感情をダイレクトに表現するスタイルも、90年代後半以降のポップパンクの流れを汲むものなのかなと感じました。

とはいえ、20年前はこのスタイルこそが新世代のメタルなんだ、時代はどんどん変化していくんだと感じていた筆者は、旧世代のクラシカルなメタルとこれを同じように受け取ろうと必死だった記憶もあり、今思えば無理していたなあ……なんて懐かしくもなったりします(苦笑)。その後、さらなる進化を遂げるメタル/ラウドシーンですが何周もした結果、無理なくこの時代のバンドと向き合うことができるようになった。そんな今だからこそ、この良質なロックアルバムをしっかり評価できたらと思っています。

ヘヴィでメタリックなアレンジの楽曲よりも、「Poetic Tragedy」や「Buried Myself Alive」のような大らかなノリと親しみやすいメロディを持つ楽曲のほうが強く響くのも、今の耳で聴くからこそなのかな。「The Taste Of Ink」の持つグルーヴィーさも、ピアノをフィーチャーした美しい「Blue And Yellow」やアコギ&ストリングスによるサイケデリックな「On My Own」なども非常に素晴らしく、だからこそ「A Box Full Of Sharp Objects」のようなダイナミックな楽曲がより映える。王道感の強いラウドチューン「Maybe Memories」からシークレットトラックを含むラストナンバー「Pieces Mended」まで、スルスルと聴き進められる良質の1枚です。

本作はデビューアルバムにもかかわらず、全米63位まで上昇。最終的にプラチナディスクに認定されています。チャート的には続く2作目『IN LOVE AND DEATH』(2004年。全米6位)、3作目『LIES FOR THE LIARS』(2007年。全米5位)などには劣りますが、2002年というシーン黎明期を語る上ではFINCHの1stアルバム『WHAT IT IS TO BURN』(2002年)同様に外せない代表作です。

 


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