FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002)
2002年3月12日にリリースされたFINCHの1stアルバム。日本盤は同年8月7日発売。
FINCHは1999年に結成された、米・カリフォルニア州出身の当時5人組のポストハードコアバンド。2001年にDrive-Tru Recordsから発表したEP『FALLING INTO PLACE』で注目を集め、翌年にこのアルバムでメジャーデビューを果たします。なお、本作にはその1st EP収録の「Letters To You」「Perfection Through Silence」の再録バージョンも含まれています。
ハードコアパンクやポップパンクの要素を織り交ぜつつ、随所からエモやスクリーモ的な香りも漂わせているスタイルは非常に2000年代初頭ならではと言えるもので、オープニングを飾る「New Beginnings」あたりから伝わるグルーヴィかつメタリックな質感は90年代後半のニューメタル的と受け取ることもできる(彼らは前身バンドでDEFTONESのカバーをしていたんですよね。納得)。そういったミクスチャー感が時代の節目っぽくもあり、新世代というよりは90年代からゼロ年代への流れを正しく受け継ぐ正統派バンドのようにも感じられます。
メロディは非常にキャッチーで親しみやすいものが多く、適度にスクリームを織り交ぜたボーカルスタイルも耳障りが悪くなる寸前のギリギリを攻めている。そういった意味ではとてもメジャー感が強く、変にアンダーグラウンド臭が強くないのも好印象。「Ender」のように13分超の実験的なナンバーも含まれているものの、全体的にはメタル系リスナーも親しみやすいコンパクトなラウドチューン中心の、スクリーモ入門編にふさわしい1枚です。
本作のプロデュースを担当したのは、JIMMY EAT WORLDの諸作品やBLINK-182、MINERAL、MIDTOWNなどを手がけてきたマーク・トロンビーノ。ポップパンクやポストハードコア、エモなどを中心にプロデュースしてきた方で、アルバムではエフェクティブなプログラミングも担当しています。また、ゲストシンガーとしてGLASSJAWのダリル・パルンボ(Vo)が「Grey Matter」「Project Mayhem」に参加。こういった人選もバンドの当時の立ち位置を表しており、興味深いものがあります。
チャート的には全米99位止まりでしたが、ド新人のわりには成功したほうではないでしょうか。数字的な成功を果たすのは続く『SAY HELLO TO SUNSHINE』(2005年。全米24位)でのことですが、FINCHというバンドの軸を知る上で欠かせないのはこの1stアルバムではないでしょうか。とはいえ、彼らのフルアルバムは3枚しかないので、どうせならその3枚をリリース順に聴いていただきたいものです。
あと、この『WHAT IT IS TO BURN』を完全再現したライブアルバム『WHAT IT IS TO BURN: X LIVE』(2014年)も製作されているので、あわせてチェックしてみることをオススメします。
▼FINCH『WHAT IT IS TO BURN』
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