GOJIRA『L'ENFANT SAUVAGE』(2012)
2012年6月26日にリリースされた、GOJIRAの5thアルバム。日本盤は『ランファン・ソヴァージュ〜野性の少年〜』の邦題で、同年6月20日に先行発売。
前作『THE WAY OF ALL FLESH』(2008年)から約3年半ぶりの新作。Roadrunner Records移籍第1弾作品であると同時に、全世界へと彼らを広めるきっかけの1枚に。ここ日本でも本作がデビュー作となりました。
本国フランスでは最高7位、アメリカでも34位という好成績を残した本作。プロデューサーにはメンバーのジョー・デュプランティエ(Vo, G)に加え、ジョシュ・ウィルバー(LAMB OF GOD、HATEBREED、TRIVIUMなど)を迎えて制作した意欲作は、リリースから10年経った今聴いてもまったく色褪せない、強烈なテクニカル&ブルータルメタルアルバムです。
オープニングを飾る「Explosia」やタイトルトラック「L'Enfant Sauvage」でのクセの強いピッキングハーモニクスやトレモロリフ、グルーヴィーだけどどこか変則的に感じられるリズムワーク、そしてジョーのパワフルな咆哮からは、プログメタルとテクニカルデスメタルを掛け合わせたような魅力が伝わり、この1曲だけでも魅力が十分に伝わるはず。かと思えば、「The Wild Healer」のように浮遊感の強い楽曲で心洗われたり、それに続く豪快な「Planned Obsolescence」で再び後頭部を殴られた気分に陥ったりと、問答無用の殺傷力を誇る1枚ではないでしょうか。個人的には「Liquid Fire」や「Mouth Of Kala」のような、どこかゴシックテイストを漂わせたヘヴィチューンがど真ん中で、ドスの効いたグロウルと淡々としたメロウなボーカルがミックスされた歌唱パートとの相性も抜群です。
序盤は圧迫感の強いヘヴィさが際立ちますが、後半からは「The Gift Of Guilt」や「Pain Is A Master」などメランコリックさが散りばめられた楽曲がその空気感を一変。特に「Born In Winter」に見られるテイストは、どことなくフランスのバンドらしさが伝わってきます。先のゴシックテイスト含め、僕自身はこのダークなメランコリックさが特に大好物なので、序盤のブルータルさとのバランス感含めて最高の1枚と言えるでしょう。
この後半のスタイルは続く傑作『MAGMA』(2016年)や最新作『FORTITUDE』(2021年)でさらに磨きがかけられ、結果彼らは唯一無二の存在へと成長していくことになります。そういった意味では、初期の彼らと現在の彼らとを結ぶ橋渡し的役割を果たした重要な作品と言えなくもないのかな。何にせよ、大きな転機を作った重要作なわけです。
ちなみに彼らは約3年後の2015年10月、(当時)国内最大級のメタルフェス『LOUD PARK 15』出演を通して初来日が実現。同タイミングにSLAYER東京単独公演のサポートアクトも務めました。僕もこの際に初めて彼らのライブを体験して、一発でノックアウト。ライブと前後してこのアルバムの輸入盤(2009年のフランスでのロックフェス出演時のライブ映像DVD付きスペシャルエディション)を購入したのでした。
Roadrunder移籍後の3作中、アグレッシヴさにおいては本作がマックス。まだGOJIRAに触れたことがない方はこの『L'ENFANT SAUVAGE』から入るのもよいけど、別に最新作から入ってもよし。要はどのアルバムも最高なので、どこから入っても何ら問題なくGOJIRAのことを理解できるはずです。
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