BLOODYWOOD『RAKSHAK』(2022)
2022年2月18日にリリースされたBLOODYWOODの1stアルバム。日本盤未発売。
BLOODYWOODはインド・ニューデリー出身のニューメタルバンド。メンバーはジャヤント・バドゥーラ(Vo)、ラウル・カー(Rap)、カラン・カティヤール(G, Flute)の3人で、ツアーではリズム隊+ドーラク奏者を加えた6人でライブを行っているそうです。自らを“インディアン・フォーク・メタル”と称する彼らは2016年から活動を開始し、ネット上を中心に話題を集めてきました。
そんな彼らの全世界デビュー作となる初のフルアルバム。西洋のモダンメタルにインドの土着的サウンドが散りばめられたスタイルは、かつてSEPULTURAが名盤『ROOTS』(1996年)で確立させた独特の方向性をさらに進化させたもののように映ります。もちろん、ブラジルとインドという違いがあるので一概に比較できない点もあるにはあるのですが、それでもこうした土着的メタルサウンドが2022年にインドから登場したという事実が非常に興味深いのです。
おそらく民族楽器のひとつであるドーラクを多用したパーカッシヴなリズムと、フルートなどのフォーキーな音色がこのバンド最大の武器だと思うんです。現代的なメタル特有の硬いリズムと、民族音楽チックな肉感的なリズムが融合することで生み出されるグルーヴはひたすら気持ち良く、ラップボーカルのパーカッシヴさもそのリズミカルさをさらに強調する手助けになっている。
もちろん、ただリズムに特化したバンドというだけではなく、“フォーク・メタル”を掲げるだけあってメロディラインも非常にキャッチー。フルートなどの繊細な生楽器が乗ることで耳障りの良さも増し、「Dana-Dan」あたりには民謡チックな節回しも見つけることもできる。「Jee Veerey」や「Endurant」あたりのアレンジはこのバンドならではと言えるのではないでしょうか。
使用される楽器や独特な節回しにインドという国ならではの個性を見つけることができるものの、もはやメタルは世界共通言語なんだと再確認できる1枚。このコロナ禍でライブを体験できないという難点はあるものの、当初からSNSを通じて知名度を高めてきたバンドだけに、このアルバムもサブスクを通じて広く浸透するのではないでしょうか。難しいことは考えずに、無心でその音に身を委ねたい極上のグルーヴメタルアルバムです。
▼BLOODYWOOD『RAKSHAK』
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