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2022年3月 2日 (水)

SCORPIONS『VIRGIN KILLER』(1976)

1976年秋に発表されたSCORPIONSの4thアルバム。日本では『狂熱の蠍団〜ヴァージン・キラー』の邦題で知られる1枚です。

当時のメンバーはクラウス・マイネ(Vo)、ルドルフ・シェンカー(G)、ウリ・ジョン・ロート(G, Vo)、フランシス・ブッフホルツ(B)、ルディ・レナーズ(Dr)。前作『IN TRANCE』(1975年)を携えた初のイギリス公演も成功を収め、本国・西ドイツ(当時)以外にも確実にその名を広め始めたタイミングに、その人気を決定づける1枚を完成させます。

アルバムのオープニングナンバー「Pictured Life」は、哀愁味を帯びたマイナートーンのメロディライン含め、初期の彼らを代表する1曲。初期の彼らのスタイルがひとつ完成したと言っても過言ではないでしょう。かと思えば、「Catch Your Train」「Virgin Killer」のように爆発力の強い疾走チューンもこの時期の彼らの特徴的な楽曲で、特に後者はガナるようなクライス・マイネの歌唱スタイルと相まってどことなくパンキッシュさも伝わってきます。

かと思えば、ブルージーなミディアムスローナンバー「In Your Park」、LED ZEPPELIN的なスタイルの「Backstage Queen」といった70年代的な楽曲も存在。そしてなにより、ウリがボーカルを担当する「Hell-Cat」や「Polar Nights」の存在。これが非常に大きい。特に前者の放つ独特の空気感は今のSCORPIONSには存在しないもので、ウリが影響を受けたジミ・ヘンドリクス色が濃厚。その個性的なギタープレイ含め、最初に耳にしたときはなかなか受け付けがたかったですが、今となっては良いアクセントとして受け止めています。

そのほか、クラウスの伸びやかな歌声とブルージーなウリのギタープレイが絶妙なハーモニーを生み出す「Crying Days」や「Yellow Raven」といったスローナンバーも聴きどころのひとつ。マティアス・ヤプス(G)以降のポップ路線には存在しない、アダルトな香りはこの編成ならでは。この時期のほうが好きという初期にこだわるファンが少なくない理由も、わからないでもありません。それくらい唯一無二の空気感が、ここには存在するのですから。

初期SCORPIONSの大まかなスタイルはこのアルバムでほぼ完成。続く『TAKEN BY FORCE』(1977年)がダメ押しとなり、翌1978年春にはついに初来日公演まで実現し、かの名ライブアルバム『TOKYO TAPES』(1978年)へとつながっていくのでした。

にしても本作、その内容以上に初期のアートワークのほうが話題になりすぎて、正当な評価が下しにくくなっているような気がしてなりません。今所持していたら児ポにひっかかりそうなあのジャケット、以前CDで所持していたものの、ある時期を境に手放したことを付け加えておきます。さすがにあれが今突然目の前に現れたら、気が気じゃないですものね(苦笑)。

 


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