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2022年3月16日 (水)

DREAM THEATER『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』(2002)

2002年1月29日にリリースされたDREAM THEATERの6thアルバム。日本盤は同年1月23日先行発売。

ジョーダン・ルーデス(Key)を迎えた新編成で制作されたバンド初のコンセプトアルバム『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』(1999年)がある一定の高評価を獲得したことで、現在の方向性に確信を持てたDREAM THEATER。この自信を糧に、バンドは同じ方向性を保ちつつ、引き続きコンセプチュアルでトータル性の強いアルバム作りに取り組みます。

前作から2年3ヶ月ぶりとなる新作は、キャリア初となるCD2枚組スタジオアルバム。そのテーマはオープニングトラック「The Glass Prison」で歌われているマイク・ポートノイ(Dr)のアルコール依存症の治療を筆頭に、全6曲を通じて人生における苦しみや心の中にある6つの不穏(乱れ、動揺)が表現されています。また、DISC 1では10分超の楽曲3曲を含む前5曲が、従来のテクニカルかつプログレッシヴなテイストで表現。オープニングの「The Glass Prison」がいきなり約14分もの組曲というのも、前作で得た自信が成せる技かな。でも、この敷居の高い1曲を楽しむことができれば、しの後に続くめくるめくDTワールドを心置きなく楽しめるはずです。

そして、DISC 2は8つのパートで構成された42分にもおよぶ一大組曲「Six Degrees Of Inner Turbulence」を収録。クラシカルかつドラマチックな「I. Overture」からスタートするこの組曲では双極性障害やPTSD、統合失調症、産後うつ、自閉症、解離といったさまざまな精神疾患や状態異常を計6ケース取り上げられており、例えば「II. About To Crash」では爽快感の強いAOR寄りのプログロック、「III. War Inside My Head」では変拍子を多用したヘヴィメタル、「VI. Solitary Shell」では穏やかなフォークロックのように、各パートごとにバンドが影響を受けた音楽がストレートに表現されています。

リリース当時はCD2枚に全6曲で、トータル96分とそのボリュームに若干引いてしまいましたが、個人的には『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』よりも聴きやすい印象を受けたのもまた事実。前作ほどストーリー性が強くないこともあってか、1曲1曲が独立した存在として楽しめるのも本作の良いところで(組曲「Six Degrees Of Inner Turbulence」を除く)、かつこれまでのキャリアを総括するようにさまざまなジャンルの楽曲が詰め込まれているのも聴きやすさに直結しているように感じました。

また、「Blind Faith」や「Misunderstood」のように穏やかな楽曲もあれば、「The Great Debate」のようにスリリングな楽曲もあるし、本作中もっとも短尺(6分50秒前後)でラジオやMTVでのヒットを意識したバラード曲「Disappear」もある。闇を抱えたテーマということもあり、DISC 1は華やかさよりも穏やかでディープな側面が目立つのも聴きやすさの要因ではないでしょうか。

そして、組曲としても単曲としても楽しむことができるDISC 2の「Six Degrees Of Inner Turbulence」は、DISC 1とは異なる趣でバンドの多面性を堪能することができる。モダンなプログメタルは苦手だけどクラシカルなプログレッシヴロックは大好きという旧世代のリスナーにも存分にアピールする内容かと思います。

バンドとしてもここでひとつ、これまでの活動を総括するような傑作をまとめ上げることができたのではないでしょうか。『IMAGES AND WORDS』(1992年)から10年という節目に本作へと到達できたことで、DTは続く『TRAIN OF THOUGHT』(2003年)で次のステップに移ることになります。

 


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