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2022年4月 7日 (木)

WEEZER『SZNZ: SPRING』(2022)

2022年3月20日にデジタルリリースされたWEEZERの最新EP。

2021年は『OK HUMAN』『VAN WEEZER』という2枚のフルアルバムを立て続けに発表したWEEZER。これに続く新作は、“季節(=Seasons=SZNZ)”を題材にした4枚の連作で、その第1弾が“Spring”とサブタイトルの付けられたこの7曲。ヴィヴァルディの「四季」からインスピレーションを受け、魔法、シェイクスピア、異教徒の神話等の影響を強く受けた作品となっているそうです。

プロデューサーは『OK HUMAN』を手掛けたジェイク・シンクレアとスージー・シン、そしてイーサン・グルースカが担当。『OK HUMAN』で試みたBEACH BOYS的ポップ感が全体を覆う、非常に軽やかな作品集に仕上がっています。

アルバムのオープニングを飾る「Opening Night」は、ヴィヴァルディの「四季」より「春」の印象的なメロディを引用したポップな1曲で、冒頭こそキラキラしたポップ感の強いアレンジですが、バンド演奏が加わることでWEEZERらしいパワーポップ感が強まるという、非常に興味深い仕上がり。このEPの世界観を象徴する、象徴的な楽曲と言えるでしょう。

その後もBEACH BOYS直径の厚みあるコーラスが耳に残る「Angels On Vacation」、アコギとマンドリン、鍵盤ハーモニカ、ピアノなどの生楽器を全面に打ち出したアーシーな「A Little Bit Of Love」、冒頭の鳥のさえずりとドリーミーなイントロダクションがちょっとサイケデリック(だけど曲自体は王道ポップス)な「The Garden Of Eden」、タイトルからは想像できないほどに脱力系、しかしサビではしっかりパワーポップしている「The Sound Of Drums」、アコースティック色を強めた序盤の軽やかさとサビでのリズミカルさの対比が面白い「All This Love」、イントロのギターリフとアナログシンセの絡みがたまらない「Wild At Heart」と、どれも従来のWEEZERらしさに『OK HUMAN』での実験をうまい具合に散りばめ、新鮮さを保つことに成功しています。

1曲通してガッツのあるパワーポップ/オルタナティヴロック系ナンバーはありませんが、ここ最近の彼ららしさの延長線上にある作風は決して悪いものではなく、かつ『OK HUMAN』という実験作での手応えがしっかり反映されている点からも、彼らがまだまだ進化を続けていることが伺えます。なので、従来のファンはもちろんのこと、「毎回同じじゃん?」と最近の作品を敬遠しているリスナーにもしっかり届いてほしい1枚かなと思います。

今後、夏〜秋〜冬とどんな内容の作品を届けてくれるのかも楽しみですし、「夏なら王道BEACH BOYS的ポップに振るのかな?」「冬はホリデー作品を意識した内容になるのかしら?」など予想するのも面白そう。フルアルバムにこだわらず、こうしたサブスク視点でのリリースを定期的に続けられるのも彼ららしいかなと思うので、ぜひ企画途中で頓挫することなく最後までやり通してもらいたいところです。

※追記(2022年6月):海外で4月下旬にCD化されたのに続き、日本盤CDのリリースも7月6日に決定しました。

 


▼WEEZER『SZNZ: SPRING』
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