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2022年5月31日 (火)

DEPECHE MODE『101』(1989)

1989年3月13日にリリースされたDEPECHE MODE初のライブアルバム。日本盤は同年3月10日先行発売。

本作は1987年秋に発表された6thアルバム『MUSIC FOR THE MASSES』を携え、1987〜88年に開催されたワールドツアーから、101本目にして最終公演に当たる1988年6月18日の米・カリフォルニア州パサディナRose Bowlでのスタジアムライブの模様を収めたもの。アナログ盤は2枚組/全17曲、CDは2枚組/全20曲と収録容量の違いで差ができてしまっています(アナログ盤でカットされたのは「Sacred」「Nothing」「A Question of Lust」)。

当時、このライブ盤を聴いて驚いたのは、その歓声の凄まじさとデイヴ・ガーン(Vo)のアッパーさ。SE的な「Pimpf」を経てスタートする「Behind The Wheel」での熱狂的な歓迎されっぷりは、当時日本でMTVを通じてでしかDEPECHE MODEを知らなかった自分にとってかなり衝撃なものでした。実際、スタジアムでライブをできるほどの人気をアメリカで獲得していたことを考えると、この大歓声が仕込みでもなんでもないことに気付かされるわけですが。

当時はアラン・ワイルダーを含む4人編成で、ライブも1990年代以降のサポートメンバーを迎えた大編成とは異なるもの。だからこその(良くも悪くも80年代的な)音数の少ないエレクトロニックサウンドが、スタジアムという大会場でどんな音量で鳴らされていたのか、非常に気になります。「Something To Do」みたいな80年代前半の楽曲は特にね。

ちなみに本作、同名の映像作品を制作されており、音源よりも尺は長いものの、披露されている楽曲数はかなり少ないです。ライブ映像を含むドキュメンタリー作品的なテイストなので、あくまで1988年当時の熱狂ぶりを補足するためのアイテムとして捉えていただけると。2021年12月にはリマスタリングされた映像版と、CDも同梱したボックスセットもリリースされたので、そのクリアな映像と合わせてお楽しみいただくのも一興かと。

選曲的にはもちろん『MUSIC FOR THE MASSES』からの楽曲が中心で、そこに『BLACK CELEBRATION』(1986年)や『SOME GREAT REWARD』(1984年)といったアメリカでのブレイク作を交えた内容といったところでしょうか。さすがに「Leave In Silence」や「See You」は選出されていませんが、ラストに「Just Can't Get Enough」「Everything Counts」という初期楽曲が用意されているあたりは微笑ましかったりします。

ここのツアーで得た経験が次作『VIOLATOR』(1990年)や次々作『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』(1993年)でのアメリカナイズにつながったことは、間違いでしょう。それくらい、このツアーでの成功はバンドに良くも悪くも影響を与えたはずですから。

このライブアルバムと当時の最新作『VIOLATOR』をじっくり聴き込んで、浪人中にもかかわらず日本武道館公演(1990年9月)に足を運んだんだよなあ。思えば、あれが最初で最後の“生”DEPECHE MODEだったし、以降32年も来日していないんですよね。そして、アンディ・フレッチャーを生で観た最初で最後のライブでもあったわけですが……。

近作ではツアーごとにライブアルバム/映像作品を毎回リリースしてくれている彼らですが、できることなら『VIOLATOR』〜『SONGS OF FAITH AND DEVOTION』期のライブフル映像(音源でも可)を体験したいものです。

最後になりましたが、アンディ・フレッチャーのご冥福をお祈りいたします。

 


▼DEPECHE MODE『101』
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