HARDCORE SUPERSTAR『NO REGRETS』(2003)
2003年8月27日にリリースされたHARDCORE SUPERSTARの4thアルバム。日本盤は同年8月21日に先行発売。
ポップ&キャッチー度を強めた前作『THANK YOU (FOR LETTING US BE OURSELVES)』(2001年)から1年10ヶ月ぶりの新作。初めてプロデューサーを立てて制作した前作を経て、今作ではバンドとロベルト・ラギー(IN FLAMES、CYHRAなど)の共同プロデュースで制作に臨んでいます。
バブルガムポップ度を強めた前作のカラーをさらに強め、ポップパンク調の味付けでまとめ上げたことで日本デビュー作『BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA』(2000年)での質感は相当希釈されたものに。同じ北欧の大先輩HANOI ROCKSや、そのルーツでもあるRAMONESあたりと共通する軽やかさと軽快さは、もはやグラムメタルやスリージーハードロックというよりはガレージパンク、バブルガムパンクと呼んだほうが正しいものかもしれません。
しかし、楽曲自体はどれも非常によく作り込まれたキャッチーさを保っており、オープニングを飾る「Wall Of Complaint」やリードシングル「Honey Tongue」などからは50'sや60'sのポップチューンとの共通点も見つけることができるほど。思えばHANOI ROCKSやRAMONESのようなバンドもそういったルーツを持つ存在だけに、HCSSにとっては新たな武器を求めて試行錯誤した結果がこの4作目だったのかもしれません。
残念ながら、初期のイメージ(サウンド/ヴィジュアル含め)を求める層にはこの大胆な変化は賛否両論でした。全体を通して、ドラムやギターのミックスが軽いのも原因なのでしょうか。ハードロックバンドとして接するとネガティブな評価になってしまいがちですが、これも今となっては良質なパンクロック/ガレージロックアルバムの1枚。極端なことを言ってしまえば、音だけなら当時のOASISやTHE LIBERTINESあたりと並べて語っても面白いんじゃないでしょうか(ホント極論ですが)。あと、日本盤限定ジャケット(下。海外オリジナルジャケはサブスクなど参照)が非常にカッコよく、このへんも往年のHANOI ROCKSを彷彿とさせて好印象です。
▼HARDCORE SUPERSTAR『NO REGRETS』
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