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2022年6月27日 (月)

COHEED AND CAMBRIA『VAXIS I: THE UNHEAVENLY CREATURES』(2018)

20018年10月5日にリリースされたCOHEED AND CAMBRIAの9thアルバム。

バンド史上初の“ノン”コンセプトアルバムだった前作『THE COLOR BEFORE THE SUN』(2015年)から3年ぶり、Roadrunner Records移籍第1弾アルバム。バンドがデビュー時から描き続けてきた壮大な物語“The Amory Wars”の新章が描かれたコンセプトアルバムで、5部作の第1章にあたる作品とのこと。

冒頭の「Prologue」から「The Dark Sentencer」、タイトルトラック「Unheavenly Creatures」への流れはSFを題材にした物語らしく、近未来的な空気が伝わるサウンドメイクが施されており、ここから新たな物語が再び始まることを予感させます。序盤こそ若干のスリリングさが伝わるテイストですが、「Toys」というキャッチーさの強い楽曲で適度な緩急を付けつつ、物語は「Black Sunday」や「Queen Of The Dark」をはじめとするヘヴィ&ダークな楽曲で独特の世界観を作り上げていきます。

大半が5分前後の楽曲で構成され、全15曲/79分というアナログならば2枚組に匹敵するボリューミーな内容は1、2度聴いただけでは咀嚼しきれない情報量かもしれません。事実、リリースから4年近く経った今聴いても、筆者は本作の魅力をすべてを理解できたと断言することは難しく、久しぶりに聴き返すと毎回新たな発見があるといった体たらく。年齢的なこともあってか、近年こうした長尺作品にじっくり耳を傾けるだけの集中力が不足し始めているのかな……と不安になることもありますが(苦笑)、聴くたびに発見があるということはそれだけ良い作品なのだと解釈することにします。

このバンドの場合、毎作コンセプトアルバムだという事実やキャリアを通してひとつの物語を描き続けているというスタイルもあって、どこか敷居の高さを感じることもあるのですが、実は変に意識しすぎることなる触れるのが一番ではないかという気もしていて。事実、1曲1曲を取り上げると非常にカッコいいハードロック/プログメタルなわけで、クラウディオ・サンチェス(Vo, G)の声質もあってRUSHと印象が重なる瞬間もあったりして。脳で聴くことが求められているような錯覚に陥ってしまいがちですが、実は頭を使わずに接することも時には必要だなと、これまた本作を久しぶりに引っ張り出して聴いてみて実感したところです。

というのも、初聴時はヘヴィな楽曲にばかり耳が向いていたのに対し、最近は先の「Toys」をはじめ「True Ugly」や「Love Protocol」といったメジャー感の強い楽曲には妙に惹きつけられるものがあるから。このへんの楽曲、どこか80年代のRUSHっぽさがありますよね? 4年前と比べて自分の趣味趣向が少し変化したこともあるとは思いますが、聴くタイミングによって夢中になるポイントが変わるのもそれだけ多彩さに満ちた内容だからこそ。それだけいろんな要素が詰まっているんですよね……そりゃ理解するのに時間がかかるわけだ(苦笑)。

今年6月24日には本作の続編、5部作の第2章にあたる『VAXIS II: A WINDOW OF THE WAKING MIND』(2022年)も発売されたばかり。続編は全13曲で約53分と比較的コンパクトで、3分台の楽曲中心で構成されているとのこと。約4年もの歳月をかけて完成させた次作でどのような変化を遂げたのかについては、続けてレビューする予定です。

 


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