BLEED FROM WITHIN『SHRINE』(2022)
2022年6月3日にリリースされたBLEED FROM WITHINの6thアルバム。日本盤未発売。
地元スコットランドのアルバムチャートでは最高6位を記録したセルフプロデュース作『FRACTURE』(2020年)から約2年ぶりの新作にして、Century Media Recrodsから新たにNuclear Blast Recordsへ移籍しての第1弾アルバム。引き続きバンドのセルフプロデュースにて制作され、ミックスには前作同様に元PERIPHERYのアダム・ゲットグッドが携わったほか、新たにセバスチャン・センドン(ANEANANI、ELEPHANT RIDERS、ENDSTAGEなど)も名前を連ねています。
基本的な路線、楽曲スタイルは前作『FRACTURE』の延長線上にあるものが多く、特にアルバム中盤の「Stand Down」や「Death Defined」などからはPANTERAやLAMB OF GODなどに通ずるグルーヴメタル感に、LINKIN PARK以降のニューメタルのしなやかさ、メロディアスさが重ねられた近年のモダンメタル的カラーを見つけることができます。
かと思えば、リード曲「I Am Damnation」「Levitate」や「Flesh And Stone」、ゴシック調のラストナンバー「Parasise」あたりはブレイク後のBRING ME THE HORIZONや近年のARCHITECTSあたりとイメージの重なる、ミドルテンポのグルーヴィーなバンドアンサンブルにシンフォニックなサウンド、キャッチーなメロディとシンガロングを乗せた王道スタイルを、完璧に自分たちのモノにしてしまっていることにも気付かされる。このメジャー化を良しとするか否かで評価は大きく二分するとは思いますが、個人的には「Sovereign」や「Shapeshifter」みたいなカッコいいグルーヴメタルもまだまだ健在であることからポジティブに受け取っています。
攻撃性の強いアップチューン、ヘヴィナンバーもしっかり健在ながらも、先のようなキャッチーな路線も増え始めている。ある意味では過渡期と受け取ることもできるかもしれませんが、僕個人はこれくらいのバランス感がこの手のバンドとしてはギリギリのラインなのかなと思っています。これ以上キャッチーさやポップさが勝ってしまうと、セルアウト感が浮き上がってしまう。けど、ここまで触れてきたグルーヴメタル的方向の楽曲がしっかり残されており、しかもそれらのカッコよさがしっかりキープされていることを考えると、実はこのギリギリのラインがベストな選択だと思えてならないのです。
バンド的にはオーバーグラウンドに踏み込みたい気持ちもあるでしょう。と同時に、これまでのファンベースを壊してまでそこに進むべきかも悩みどころ。そう考えると、やっぱりバランスって大事なんですよね。BMTHぐらいまで突き抜けてしまい、完全に売れてしまえば別次元のファンベースを獲得することも可能ですが、あれは稀な例。現実的に考えれば考えるほど、難しい問題なんですよ。
本作がどのような評価を獲得するのかわかりませんが、僕はこのアルバムでの成果を好意的に受け入れ、高く評価したいと思います。デスコアから始まったバンドがセルアウトするかしないかギリギリのラインを死守した、非常によく作り込まれたメタルコアアルバムの良作です。
▼BLEED FROM WITHIN『SHRINE』
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