NOVA TWINS『SUPERNOVA』(2022)
2022年6月17日にリリースされたNOVA TWINSの2ndアルバム。日本盤未発売。
前作『WHO ARE THE GIRLS?』(2020年)から約2年4ヶ月ぶりの新作。『WHO ARE THE GIRLS?』がコロナ禍突入前に制作/リリースされたものなのに対し、「未知の世界に飛び込んだ私たちにとって、このアルバム制作は激動の時代を乗り切るための薬。私たちがどこにいて、どこまでたどり着いたかが反省され、自分たちのイメージするファンタジーの世界に包み込まれている」とメンバーが語るように今作はコロナど真ん中を通過して完成させた1枚。全体を通じてポジティブな空気と同時に怒りも混在する、陰陽のバランス感に優れた完全無欠の傑作ではないでしょうか。
ラップコアをベースにしつつも、随所にキャッチーさが散りばめられており、前作以上に聴きやすい内容に仕上がっていおり、全11曲/約31分があっという間に感じられる。楽曲のバラエティ豊かさも前作以上の広がりを見せ、トラップ以降のヒップホップやR&B、あるいはパンクやモダンメタルをイメージさせつつも、現代的なポップスとしても十分に通用する魅力に満ちており、コアな層からライト層まで幅広いリスナーにアピールする、充実度の高い内容にまとめ上げられてます。
本作でのNOVA TWINSハ決して目新しいことにチャレンジしているわけでもないし、かといって古臭いわけでもない。その“ジャスト”感も非常に的確なものであり、2022年というこのタイミングに鳴らされるべき音がぎっしり詰め込まれている。また、それは叫ばれるべきメッセージに関しても同様で、多様性が求められながらも差別がいまだに横行する今この瞬間にこそ強い意味を持つものばかり。すべてを完全に理解できているわけではないかもしれませんが、それでも要所要所でしっかり響くものがあるから、聴いているこちらも心動かされるわけです。
もう一方で、BRING ME THE HORIZONが築き上げたひとつの雛形を、この5年ほどでさまざまなアーティストたちが拡大、あるいは解体&再構築してきましたが、ここで鳴らされている音/楽曲/メッセージはそれに対するひとつの答えと受け取ることもできる。特にここ1、2年でさらなる解体/再構築が進んでいるジャンルではありますが、ここで示されている音は2022年現在における新たな到達点ではないでしょうか。個人的にはHo99o9の最新作『SKIN』(2022年)に匹敵する、本年度上半期におけるベストアルバムのひとつだと断言します。いやあ、痛快ったらありゃしない。
ただ、こうした優れた作品群が依然日本のレーベルからスルーされ続けている事実も悲しいやら、情けないやら。前作と合わせて、ぜひこのタイミングに歌詞・対訳を付けて流通させていただきたいものです。
▼NOVA TWINS『SUPERNOVA』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3)
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