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2022年7月13日 (水)

NIGHT RANGER『HIGH ROAD』(2014)

2014年6月10日にリリースされたNIGHT RANGERの10thアルバム(“MOON RANGER”と呼ばれる特殊編成で1995年にリリースした『FEEDING OFF THE MOJO』を含めると11枚目)。日本盤は同年5月21日先行発売。

ジャック・ブレイズ(Vo, B)、ケリー・ケイギー(Vo, Dr)、ブラッド・ギルス(G)、ジョエル・ホークストラ(G)、エリック・レヴィー(Key)という布陣による、『SOMEWHERE IN CALIFORNIA』(2011年)に続く2作目のスタジオアルバム。原点回帰ともいえる王道アメリカンハードロックが展開された前作の流れを汲む作風で、前作の79位には及ばなかったものの全米で最高105位という数字を残しています。

タイトルトラック「High Road」に見られるように、全体を通してミディアムテンポ中心で若干落ち着いた感が強いテイストですが、1曲1曲の作り込みは前作以上。どの曲も基本的にジャック/ブラッド/ケリーのオリメン3人によるもので、ジョエルは「I'm Coming Home」「L.A. No Name」の2曲のみ、エリックは「Don't Live Here Anymore」「Only For You Only」「Brothers」の3曲に名を連ねています。

王道感の強いポップロック調のタイトルトラック、ミドルテンポのハードロック「Knock Knock Never Stop」と序盤はアゲるテイストではないものの、3曲目「Rollin' On」での起伏に富んだアレンジで一気に熱量が高まる。バラードとまではいかないムーディーな「Don't Live Here Anymore」、比較的アップテンポ寄りのポップロック「I'm Coming Home」と、前半はかなりバラエティに富んだ楽曲が並びます。なんとなくですが、印象的には3作目『7 WISHES』(1985年)に似ているような。ただ、バラードで勝負している感があまり前面に出ていないところは今作の良いところかな。

後半は豪快なロックチューン「X Generation」で勢いを付けたかと思うと、彼ららしいピアノバラード「Only For You Only」でワンクッション起き、ミドルヘヴィの「Hang On」、流麗なギターフレーズが耳に残るハードチューン「St. Bartholomew」、ビートルズチックなサイケさをはらんだポップバラード「Brothers」とジョエルのアコギプレイを全面にフィーチャーしたインスト「L.A. No Name」でしっとりと締めくくります。

全体を通して「あれ、このフレーズ聴いたことあるぞ?」と思う瞬間が多々あるものの、どれも単なる焼き直しでは済まない良質な仕上がりで、前作で再び手に入れた“NIGHT RANGERらしさ”を見事に更新できているのではないでしょうか。今聴くと、実は何気に完成度の高い良盤であることに気付かされます。

ただ、リリースから間もなくしてジョエルが突如バンドを脱退し、WHITESNAKEに移籍するというひと波乱が起こり、このアルバムやジョエルに対してネガティブな感情が付いて回るようになりました。それもあって、しばらく本作に対して正当な評価を下せていなかった気がします。これは再結成後のアルバムで3本指に入る良作。ごめんよジャック、ケリー、ブラッド、エリック(ジョエルには謝らないスタイル)。

 


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