MICHAEL SCHENKER GROUP『UNIVERSAL』(2022)
2022年5月27日にリリースされた、MICHAEL SCHENKER GROUP名義での12thアルバム。
MSG名義では約13年ぶりだった前作『IMMORTAL』(2021年)から1年4ヶ月という、とても2020年代とは思えないほど短いスパンで届けられた新作は、MICHAEL SCHENKER FESTからの流れを考えると「おいおいレコード会社さんよ、老体に鞭打ちすぎじゃねえか?」とマイケル・シェンカーが再び心を壊さないかと心配になるほど。だって、MICHAEL SCHENKER FESTの1stアルバム『RESURRECTION』(2018年)から4作連続で1年半に満たないスパンで新作出し続けてますからね。
さて。MSG名義に戻ったからといって、やっていること自体はMICHAEL SCHENKER FESTと一緒。曲ごとにボーカルやリズム隊を変えながら、オムニバス感の強いテイストでアルバムは進行します。前作から引き続き、ロニー・ロメロ(Vo)が大半の曲で歌唱しているものの、例えばM-4「A King Has Gone」ではマイケル・キスク(HELLOWEEN)、M-5「The Universe」ではロニー&初代シンガーのゲイリー・バーデンのデュエット、M-7「Wrecking Ball」には前作にもゲスト参加したラルフ・シーパース(PRIMAL FEAR、ex. GAMMA RAY)、日本盤ボーナストラックのM-15「London Calling (Alternative Vocal Mix)」にはオリジナルバージョンのロニーに代わりマイケル・フォス(マイケル・シェンカーの別バンド・TEMPLE OF ROCKのシンガー)も名を連ねるなど、相変わらず節操なし(マイケル本人なのかレーベル側なのか)。
バリー・スパークス(B, Key)、ボブ・デイズリー(B/ex. RAINBOW、ex. GARY MOORE、ex. OZZY OSBOURNEなど)、バレンド・クルボワ(B/BLIND GUARDIAN)、サイモン・フィリップス(Dr)、ボド・ショプフ(Dr)、ボビー・ロンディネリ(Dr/ex. RAINBOW、ex. BLACK SABBATHなど)、ブライアン・ティッシー(Dr/THE DEAD DAISIES、ex. WHITESNAKE、ex. FOREIGNERなど)、スティーヴ・マン(Key)、トニー・カーレイ(Key/ex. RAINBOWなど)と、演奏陣もクラシックロックファンには豪華な布陣。特に今回は元RAINBOW組が多い印象を受けますが、実際曲/音を聴くとそれも納得といいますか。マイケル・シェンカーらしさが薄まっており、逆にRAINBOW的なカラーが強まっているんですよね。
思えば、ロニー・ロメロも現在RAINBOWのフロントマンですし……かつ、キスクやラルフが歌う曲までもがRAINBOWっぽいという。え、それでいいの? しかも2022年にこれやるの?っていうさ。
いやね、シェンカー自身がリッチー・ブラックモアへ敬意を表してこのアルバムを作ったというのならわかるよ。だとしても、タイミング的になぜ今?というのがまず引っかかるし。もはや、レコード会社の思惑が否が応でも見え隠れするわけです。
まあ、だとしてもこれが世界的に売れるのか?という話ですけどね(日本という特殊なマーケットのみをターゲットにしているのなら、なおさらバカにするな!と思いますが)。
楽曲に関しては、数回聴いて「もういいかな」と思えるものばかり。可もなく不可もなくという仕上がりで、突出した名曲は皆無。すべてが70点台の「よくあるRAINBOWフォロワー」的楽曲ばかりで、そこに申し訳程度にシェンカー節のギターソロが乗る。けど、そのソロ(やリフ)も近作の中ではもっとも精彩さを欠き、まじで印象に残らないものばかり。これだったらMcAULEY SCHENKER GROUPの諸作品を聴いているほうがマシだと思えるほどです。
本サイトでは、基本的に気に入ったものだけを紹介する方針なんですが、好きなアーティストがあまりにもな作品を作ったとあっては、やはり声として記録を残しておかなければと思い執筆しました。これで満足する一定層がここ日本に存在していることは重々承知していますが、今やサブスクで簡単にフル試聴できてしまう時代。昔みたいなハッタリはかませません。
こんな時代だからこそ「短いスパンで新作を」と思いがちですが、本来は逆では? こんな時代だからこそ、時間を気にせずに良作作りに励んでもらいたいところです。シェンカーよ、まだ行けるでしょ?
▼MICHAEL SCHENKER GROUP『UNIVERSAL』
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