MÅNESKIN『CHOSEN』(2017)
2017年12月8日にリリースされたMÅNESKINの1st EP。日本盤は2022年8月3日発売予定。
2021年3月にイタリアの音楽祭『サンレモ音楽祭(Festival della canzone italiana)』で優勝したほか、同年5月にはヨーロッパ最大の音楽の祭典『Eurovision Song Contest 2021』でも優勝したのを機に、世界中で注目を集めることとなったMÅNESKIN。本作にはそんな彼らのルーツが凝縮された、原点的な1枚となっています。
本国最高2位を記録したデビュー曲「Chosen」のほか、「Recovery」という2曲の英詞オリジナル曲以外は、すべてカバー曲という内容ですが、そういった意味でもバンドの軸にあるものが見え隠れするのではないでしょうか。とにかく、「Chosen」というはじまりの1曲の時点で、その後の彼らにも通ずる“跳ねた”リズムのファンキーなハードロックが展開されていることは非常に興味深いですし、「Recovery」含めどちらも曲冒頭で自己紹介的なラップ(セリフ)が入っているのも初々しい(笑)。そうそう、名前を知ってもらうことから始めないとですしね。
カバー曲はイタリアのラッパー:カパレッツァの2003年のヒット「Vengo dalla Luna」、フランキー・ヴァリ率いるTHE FOUR SEASONSの名曲「Beggin'」に加え、BLACK EYED PEAS「Let's Get It Started」、THE KILLERS「Somebody Told Me」、エド・シーラン「You Need Me, I Don't Need You」といった2000年代以降のヒット曲が取り上げられています。イタリア語のラップボーカルをフィーチャーしたファンクチューン「Vengo dalla Luna」は、その後の彼らの個性確立に多いな影響を与えた1曲と言えるのでは。最新作『TEATRO D'IRA: VOL.1』(2021年)からさかのぼっていくと、ここが原点なのかと気付かされるはずです。
また、「Beggin'」はもともとの良メロぶりも大きく影響し、ブレイク後に再注目される結果に。それにより、全英6位/全米13位という好記録を樹立。ロック不毛のアメリカでもしっかりシングルヒットにつながっています。YouTubeに上がっているライブ映像を観ると、この曲のアンセム感を再認識することでしょう。
BLACK EYED PEASをピックアップするのも非常に興味深いですし、そこにニューウェイヴ感強めのTHE KILLERSを絡めるのも面白い。本作リリース当時、メンバーはみなティーンエイジャーだったとのことで、このへん(2000年代前半)のヒット曲は幼少期に耳にしていたものなんでしょうかね。このへんの曲、筆者にとってはつい昨日流行った印象ですが(苦笑)。さらに、現役感の強いエド・シーランを選ぶセンスも、イマドキって感じなんでしょうか。メインストリームのど真ん中にいる彼のヒット曲を何の衒いもなく選ぶあたりに、10代ならではの素直さも伝わります。
オリジナル曲がたった2つという点ではその才能は未知数といったところかもしれませんが、今となっては非常に資料価値の高い内容。初来日にあわせてようやく日本盤もリリースされるので、この機会にしっかり聴き込んでみてはいかがでしょう。
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