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2022年8月13日 (土)

ITHACA『THEY FEAR US』(2022)

2022年7月29日にリリースされたITHACAの2ndアルバム。日本盤未発売。

紅一点のジャミラ・ボーデン・アゾウズ(Vo)を擁するITHACAは英・ロンドン出身の5人組バンド。2012年の結成以降、『NARROW THE WAY』(2014年)、『TRESPASSERS』(2015年)といったEPを発表してきましたが、2019年2月発売の1stアルバム『THE LANGUAGE OF INJURY』でその知名度は少しずつ高まっていき、3年半ぶりのフルアルバムはその人気を確かなものへと導く決定打になりそうです。

新たにHassle Recordsと契約して1作目となるこのアルバムは、ルイス・ジョーンズ(ROLO TOMASSIEMPLOYED TO SERVEFUNERAL FOR A FRIENDなど)をプロデュース&ミックスに迎えて制作。ぶっちゃけ、前作の比にならないほどの急成長を果たしており、2022年後半における最注目アルバムだと断言できるほどの傑作と言えるのではないでしょうか。

2020年代らしいメタルコアを下地に、要所要所にゴシック要素が散りばめられた楽曲群はどれも非常に優れたもの。タイトルトラック「They Fear Us」を筆頭に、ジャミラの豪快さと繊細さを共存させたボーカル、ラウドさはもちろんのこと、テクニカルもしっかり併せ持つリズミカルなバンドアンサンブル、適度にスペーシーなミキシングなど、聴いていて飽きない作り込みが随所に施されています。

タイプは異なるかもしれませんが、DEFTONESが女性ボーカルで今デビューしていたらこんな音になるんじゃないか……そんなことを想像してしまうくらい、個人的には衝撃度の高い内容。もちろん、ただトリッキーなだけでなく歌メロ、演奏、アレンジもしっかり計算され尽くしているから最初から最後まで飽きることもダレることなく、なんなら何度もリピートしてしまう。全9曲/35分というトータルランニングも的確で、この手のアルバムにしては疲れることなく楽しめてしまうのです。

不穏さとヘヴィさが生み出す独特のアンサンブルがクライマックスに達するのが、ラスト2曲……「You Should Have Gone Back」と「Hold, Be Held」でしょう。「You Should Have Gone Back」でのエモーショナルなギターソロと血涙が溢れてきそうなアグレッションの対比、その流れを引き継ぎつつニューウェイヴ的浮遊感を高めていく「Hold, Be Held」での圧巻の表現力、そしてジャミラの美しい歌声といったら……2022年最高のアルバムクロージングだと断言させていただきます。

映像で観るジャミラの迫力、音だけでも十分に伝わるバンドの多彩な表現力。そのすべてが規格外と言いたくなる、アルバムとしても本年度最高クラスの仕上がり。数ある女性ボーカルバンドの諸作品の中でも、頭5つくらい飛び抜けた本作は、ラウドな音楽を愛するすべてのリスナーに届いてほしい大傑作です。

 


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