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2022年8月 2日 (火)

ARCH ENEMY『ANTHEMS OF REBELLION』(2003)

2003年7月23日にリリースされたARCH ENEMYの5thアルバム。日本盤は同年7月30日発売。

前作『WAGES OF SIN』(2001年)から加入したアンジェラ・ゴソウ(Vo)を含む布陣での2作目。当時のメンバーはアンジェラのほか、マイケル(G)&クリストファー(G)のアモット兄弟、シャーリー・ダンジェロ(B)、ダニエル・アーランドソン(Dr)という黄金期の布陣。

「Silent Wars」を筆頭に、前作で築き上げたドラマチックなメロディックデスメタルスタイルはそのままに、スピードよりも重さを重視することでミドルテンポの楽曲に力が入り始めたのはこの頃からでしょうか。リードシングル「We Will Rise」や「Dead Eyes See No Future」あたりはまさにその真骨頂で、どちらも歌う/泣くギターが耳に残る良曲です。特に後者は、そのドラマチックな構成/アレンジ含め第2期ARCH ENEMYのひとつの型が完成に近づきあることを感じさせてくれます。

そうした変化も影響し、初期からの武器であったスピード感を求めるリスナーには当時あまり好意的に受け入れられなかった印象があります。1曲1曲を取り上げると(多少の実験的要素こそあれど)その完成度は非常に高いものばかりなのですが、いざアルバムとして10数曲並べられると、前編通して聴くにはちょっと厳しい……そういう声が多かったような。

確かに、それ以前/それ以降の作品と比べると全体的にミドルテンポの楽曲がベースになっていることもあり、若干の違和感を覚えるかもしれません。「We Will Rise」「Dead Eyes See No Future」ときて、その次が「Instinct」ですもんね。悪くないんだけど、今聴くと「もうちょっと工夫できかもしれないよな?」とも思ったり(だからこそ、「Instinct」のあとに「Leader Of The Rats」が来ると、ちょっとだけホッとするんですよね)。

後半の幕開けを飾る美しいメロディのアコギインスト「Marching On A Dead End Read」から、2分少々のファストチューン「Despicable Heroes」へと続く構成には“らしさ”を覚えるものの、その後も再びミドルテンポ中心。不思議なメロディを持つ「Dehumanization」あたりはフックとしては面白いけど、「Anthem」「Saints And Sinners」というドラマチックな組曲もなぜか効果的に作用していない印象を受ける。なんででしょうね?

これ、もう1曲くらいアップテンポの楽曲を入れて、ミドル曲を1曲削ったらまた印象が違ったんじゃないかな。ドラマチックな要素は十分なほど含まれているんだから、あとはアルバムをいかにスムーズに聴かせるか。そこに勝負を賭けてほしかったなあ。ミドルヘヴィ曲自体は悪くないんだけど、ここまで続くと差別化や印象に残すことが難しくなると思うんですよ。

だからなのかこのアルバムって、極端な話シングル2曲の印象しかないんですよ。数歩譲っても、冒頭の「Tear Down The Walls」「Silent Wars」とラストの「Anthem」「Saints And Sinners」が増える程度。やりたいことは理解できるんだけど、それがうまく機能し切れていない/完全には消化できていない感が否めない、そんな「あと一歩」なアルバムです。

 


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