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2022年10月25日 (火)

SKID ROW『40 SEASONS: THE BEST OF SKID ROW』(1998)

1998年11月3日にリリースされたSKID ROWのベスト(コンピレーション)アルバム。日本盤は海外とは異なるオリジナルアートワークで、同年5月13日に先行発売(のちに海外リリースに合わせて、現行のジャケットに変更)。

セバスチャン・バック(Vo)、デイヴ・スネイク・セイボ(G)、スコッティ・ヒル(G)、レイチェル・ボラン(B)、ロブ・アフューソ(Dr)という初期の黄金期メンバー時代の音源をまとめたもので、タイトルの『40 SEASONS』は1stアルバム『SKID ROW』(1989年)リリースから10年経った(=40の季節が過ぎた)ことを表現しています。

内訳的には1stアルバム『SKID ROW』から4曲(「Youth Gone Wild」「18 And Life」「Piece Of Me」「I Remenber You」)、全米1位を獲得した2ndアルバム『SLAVE TO THE GRIND』(1991年)から5曲(「The Threat」「Psycho Love」「Monkey Business」「Quicksand Jesus」「Slave To The Grind」)、3rdアルバム『SUBHUMAN RACE』(1995年)から4曲(「Into Another」「Frozen」「My Enemy」「Breakin' Down」)、そして日本のみでリリースされたライブEP『SUBHUMAN BEINGS OF TOUR』(1995年)から「Beat Yourself Blind」(『SUBHUMAN RACE』収録曲)、未発表テイク2曲(「Forever」「Fire In The Hole」)というもの。このうち、「Frozen」はアルバムバージョンとは異なる1994年のデモテイク(『SUBHUMAN RACE』日本盤ボーナストラック)、「Into Another」「My Enemy」「Breakin' Down」は新たなリミックステイクで収録されています。

『SKID ROW』からの4曲はMVが制作されたシングル4曲がセレクトされていますが、まあ妥当な線ですよね。「Youth Gone Wild」からスタートするのはさすがにアガりますが、その次に「18 And Life」というのがいかにもUS制作のやっつけベスト盤っぽい(苦笑)。で、問題は『SLAVE TO THE GRIND』からの5曲。「Monkey Business」「Slave To The Grind」「Quicksand Jesus」といったシングル/MV制作曲が選ばれるのはわかりますが、なぜに「The Threat」「Psycho Love」なのか。まあどちらもヘヴィ&グルーヴィーで、当時のSKID ROWを表すに最適な2曲ではありますが、個人的には「Wasted Time」がスルーされてしまったのが残念(この曲や「In A Darkened Room」といったシングル曲をすべて収録すると、全体的にバラードばかりになって、バンドの本質とは異なる作風になってしまいますしね)。

『SUBHUMAN RACE』からの4曲(ライブテイクを含めると5曲か)も、「The Threat」「Psycho Love」を経ての方向性的にはまあ妥当かな。個人的にはリミックスと原曲の違いがそこまで感じられないのですが……。

ここで気になるのは、こうした既存曲ではなく、本坊初公開となった未発表テイクですよね。「Forever」は1988年にレコーディングされた『SKID ROW』のアウトテイク。初期らしいポップでキャッチーなアップチューンなのですが、メロディの運び的には既存の『SKID ROW』収録曲と比べると若干弱いかな。何となく漏れたのも納得です。で、もうひとつの「Fire In The Hole」は1991年録音の『SLAVE TO THE GRIND』とのこと。こちらは録音的にはデモ音源らしいのですが、曲調的には『SKID ROW』から『SLAVE TO THE GRIND』への過渡期にあるものかな。やはりこちらのメロが弱く、インパクトに欠ける。特に振り切れっぷりが尋常じゃない『SLAVE TO THE GRIND』の中に入れるには影が薄すぎるので、納得のオミットです。

すバンドとしては大きな動きがない時期に突如リリースされた作品でしたが、この頃にはバズもバンドを抜けるということもあり、「節目にお送りする総決算的な代物」だったのかな。SKID ROWというバンドの入門編として最初に手に取るアルバムというよりは、「こんなアウトテイクや別テイクもあるよ」というファンアイテムの側面が強い気がします。

 


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