ENUFF Z'NUFF『FINER THAN SIN』(2022)
2022年11月11日にリリースされたENUFF Z'NUFFの16thアルバム。
新作スタジオアルバムとしては日本未発売の『HARDROCK NITE』(2021年)からちょうど1年ぶり、オリジナルアルバムとしては同じく日本未発売の『BRAINWASHED GENERATION』(2020年)から2年4ヶ月ぶり。ここ2年はボリューム満点のデモ&未発表曲集『NEVER ENUFF: RARITIES & DEMOS』(2021年)もあったので供給過多な気もします。
そんな中届けられた本作はチップ・ズナフ(Vo, B)、トリー・ストッフリーゲン(G)、ダニエル・ヒル(Dr)という2016年から不動の3人に、2019年に一度脱退していたトニー・フェンネル(G)が復帰。「Steal The Light」などドニー・ヴィ(Vo, G)在籍時を彷彿とさせるスタイルと、「Catastrophe」などチップ体制になってからの路線を上手にミックスした、近作の中でも非常に良質の1枚に仕上がっています。
オープニングの「Sound Check」は文字通り、ライブやレコーディングのサウンドチェックで軽くセッションしているようなインストナンバー。ここから徐々にエンジンがかかり、「Catastrophe」「Steal The Light」と新旧の方向性を代表するような楽曲でアルバムは盛り上がりを見せます。「Steal The Light」、これめちゃめちゃ良いじゃないですか。やればできるのね。
その一方で、スピード感の強いスリリングな「Lost And Out Of Control」で新鮮さを感じさせつつ、再び従来のスタイルをなぞった「Intoxicated」で聴き手のハートを鷲掴み。なにこの起伏に富んだ、リスナーを見事に惹きつける作風。これドニーが歌ってたら(以下略。
アルバム後半は7分近くにおよぶヘヴィ&サイケデリックな「Hurricane」、メロディ&ハーモニーが上質で軽快なパワーポップ「Trampoline」「Temporarily Disconnected」、SEX PISTOLSの名曲をド直球でカバーした「God Save The Queen」からオープニングトラック「Sound Check」へ再び戻る「Reprise」で締めくくり。アルバムとしてのストーリーも感じさせ、バラエティ豊かさもしっかり備わっている。かつ、1曲1曲の個性がしっかり立っており、「これドニーが歌ってたら(以下略」なんて冗談はいいながらもチップの歌もしっかり馴染んでいる。さらっとリリースされた本作ですが、実は何気にチップ・ズナフ体制、いや、ここ20年くらいにおいてのベストアルバムではないでしょうか。
そこまで期待していなかったからこそ、余計に驚かされた本作の素晴らしさ。このタイミングに日本盤がリリースされてよかったです。でも、日本盤はボーナストラックの「Intoxicated」リミックスは蛇足かな。流れが完璧すぎるだけに、ちょっと勿体なかったです。
▼ENUFF Z'NUFF『FINER THAN SIN』
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