CHIP Z'NUFF『PERFECTLY IMPERFECT』(2022)
2022年3月18日にリリースされたチップ・ズナフ(ENUFF Z'NUFF)の2ndソロアルバム。
元GUNS N' ROSESのスティーヴン・アドラー(Dr)とタッグを組んだEP『ADLER Z'NUFF』収録の5曲をボーナストラックとして追加した全15曲入り1stアルバム『STRANGE TIME』(2015年)から、約2年ぶりの新作。前作がCleopatra Recordsからだったのに対し、今作は本家ENUFF Z'NUFFと同じくFrontiers Musicからのリリースとなり、日本盤もAvalon Lebelから同タイミングに発表されています。
気心知れた仲間たちとスタジオに集まって制作された前作と異なり、今作では多くのパートをチップ自身が担当。ドラムのみリック・ニールセン(G/CHEAP TRICK)の実子であり現在CHEAP TRICKで叩いているダックス・ニールセン、そして元GUNS N' ROSESのスティーヴン・アドラーが大半の楽曲でプレイし、ラストのMOTT THE HOOPLEカバー「Honaloochie Boogie」のみENUFF Z'NUFF現メンバーのダニエル・ヒルが叩いております。また、「Welcome To The Party」ではWHITESNAKEの一員でありJOEL HOEKSTRA'S 13ではレーベルメイトとなるジョエル・ホークストラ(G)がギターをプレイしています。
基本路線は前作『STRANGE TIME』……というか、現在のENUFF Z'NUFFとなんら変化はありません。なので、従来のENUFF Z'NUFFファンおよびチップVo体制移行後の彼らが好きなリスナーなら、問答無用で楽しめる1枚だと思います。それくらい「ソロでやる必要、ある?」って疑問に感じてしまう1枚。
ただ、視点を変えると「曲自体はENUFF Z'NUFFそのものだけど、演奏に関しては地味で突出したものが感じられない」と受け取ることもできる。ドラムは別として、上モノ(ギターなど)で個性を発揮しているのは先のジョエルがゲストプレイヤーとして参加した「Welcome To The Party」くらい。なもんで、優しい曲と優しい演奏(退屈とは言いませんが……)の連続でスルスル聴き進められて、気づいたら終わっている。しかも、特に大きな引っ掛かりもなく。そこだけがマイナスポイントかな。
ただ、そういった緩やかな方向性は今のチップの歌声にフィットしているのも事実。ドニー・ヴィが歌えばトゲの備わった良曲集という趣で楽しめるかもしれませんが、こういうチップらしいテイストもアリっちゃあアリだと思えるようになったのは収穫とも言えるかな。
1986〜7年頃にデモが制作されたENUFF Z'NUFFの未発表曲「Heaven In A Bottle」(当然ドニーとの共作)や、穏やかかつおおらかなメロディが印象的な「I Still Hail You」、ダークさが目立つ「Heroin」、カバーというよりはコピーに近い「Honaloochie Boogie」など特筆すべき楽曲も多く、実はENUFF Z'NUFFの最新作『FINER THAN SIN』(2022年)と対で語られるべき1枚かもしれません。
▼CHIP Z'NUFF『PERFECTLY IMPERFECT』
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