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2022年12月 2日 (金)

KISS『MTV UNPLUGGED』(1996)

1996年3月12日にリリースされたKISSのライブアルバム。日本盤は『停電(地獄の再会)~MTVアンプラグド』の邦題で、同年3月2日に先行発売。

本作は1995年8月9日に収録された『MTV Unplugged』の模様を音源化したもの。ライブ作品としては本作と同じくポール・スタンレー(Vo, G)、ジーン・シモンズ(Vo, B)、ブルース・キューリック(G)、エリック・シンガー(Dr, Vo)という布陣で制作された『ALIVE III』(1993年)から4年ぶり、通算4作目となります。

文字通りアンプラグド(アコースティック)形態で演奏されたこの日のライブでは、「Comin' Home」「Goin' Blind」「Do You Love Me」など初期の楽曲から「Sure Know Something」「I Still Love You」といった中期楽曲、そして「Domino」「Every Time I Look At You」という最新楽曲まで幅広くセレクト。中には「A World Without Heroes」といったレア曲も含まれており、この特別な機会をバンド側も楽しんでいる様子が伺えます。

アレンジは基本的に原曲から大きく変わることなく、シンプルにエレキからアコースティックに持ち替えただけといった印象。しかし、これが異様にカッコいい。アンプラグドだからといって変にレイドバックすることなく、楽曲の持つシンプル&キャッチーさがより浮き彫りになり、かつバンドの巧みなコーラスワークの魅力にも改めて気づかせてくれる。正直、「KISSみたいにギミック満載のバンドがアンプラグドってどうなの?」と当時は疑問に思いましたが、こうして音源として聴くことでバンドの軸にある重要なポイントを再確認できたという意味では、この企画は大成功といっていいでしょう。

加えて、本企画最大のサプライズとしてオリジナルメンバーのエース・フレーリー(G, Vo)とピーター・クリス(Dr, Vo)のゲスト参加が挙げられます。2人はTHE ROLLING STONESのカバー「2,000 Man」(エースVo曲)、「Beth」(ピーターVo曲)、そして「Nothin' To Lose」「Rock And Roll All Nite」で当時のメンバーである4人と共演を繰り広げています。特に「Nothin' To Lose」ではピーターとエリックのツインボーカル、「Rock And Roll All Nite」ではオリメン4人のソロ歌唱パートも設けられ、このお祭りにふさわしい饗宴を楽しむことができます。

ここでの共演がきっかけだったのか、あるいはこの時点ですでに決定していたのか(おそらく後者でしょう)、彼らはこのアルバム発売後の1996年4月にオリジナルラインナップでのワールドツアーを発表。と同時に、12年もの長期にわたりKISSを支え続けたブルース、および急逝したエリック・カー(Dr, Vo)に代わりバンドを5年間サポートしたエリック・シンガーとのコラボレーションも解消されることとなります。エリックはその後、ピーターの再脱退によりバンドに再合流することになりますが、ブルースが参加したライブ音源としては本作が最後となってしまいます(スタジオ音源では、のちに発表される『CARNIVAL OF SOULS』(1997年)がラストですが)。

KISSのライブ作品中もっとも肩の力を抜いて聴くことができる本作は、しばらくサブスク未解禁でしたが、つい最近日本でも聴けるようになりました。日本盤CDにのみボーナストラックとして追加収録された「Got To Choose」は未収録ですが、ライブアルバムとしては非常にコンパクト(全15曲/56分)なのでその内容同様、リラックスして楽しんでほしい1枚です。

 


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