KISS『DOUBLE PLATINUM』(1978)
1978年4月2日にリリースされたKISS初のグレイテストヒッツアルバム。
当時、アナログ2枚組で発表された本作には、新たにレコーディングし直された「Strutter」や、リミックスが施された「Hard Luck Woman」「Calling Dr. Love」「Firehouse」など半数におよぶ10曲が未発表テイクで構成。原曲を知る人にはその斬新なリミックスに、当時はかなり驚かされたのではないでしょうか。後追いの自分にとっては、本作が初めて聴いたKISSのクラシックアルバムということもあり、ここで聴ける楽曲群が原点。なので、初めて「Strutter」のオリジナルバージョンを聴いたときはそのテンポの速さに驚きましたし、「Black Diamond」のエンディングの違いに動揺したことをよく覚えています。
「Strutter '78」と題されたリメイクバージョンはテンポダウンすることで、当時流行していたディスコビートに接近。思えば、のちの「I Was Made For Lovin' You」の布石はこの時点で存在していたことにも気づかされます。
その一方で、「Hard Luck Woman」はアコギのみをバックに歌唱するパートが増えていたり、「Detroit Rock City」では中盤がコンパクトにまとめられていたりと、リメイクに近いリミックスとなっています。そりゃあ、このバージョンの耳馴染みが強ければ、オリジナルバージョンを聴いたたら違和感覚えますわな。
本作で圧巻なのは、「Rock Bottom」のイントロ(アルペジオパート)に「She」をくっつけた新解釈。エンディングのリピート含め、これを先に聴いたら(以下同文)。あと、アルバムラストを飾る「Black Diamondのイントロとエンディングのアイデアも、様式美然としていてカッコいい。こういったアイデアどこから生まれたんだろう。ズルイわ。
いわゆる初期6作の代表曲はほぼ網羅されており、シンプルなロックンロールから華やかなハードロックへと進化する過程、さらにはHR/HMの原点でありグランジのオリジネーターである理由もこの20曲からしっかり感じとることができるはずです。
ちなみに本作、そのタイトルのように本国でダブルプラチナム(200万枚のセールス)は記録することはできず。最高22位、100万枚(2枚組なので50万セット)という結果を残しています。この年はメンバー4人がソロアルバムを同時リリースするなど、バンドとしても小休止状態だったので、つなぎにしては上々だったのではないでしょうか。ここでひと区切りつけたからこそ、続く『DYNASTY』(1979年)で本格的にディスコサウンド/ビートに取り組むことができたわけですしね。
▼KISS『DOUBLE PLATINUM』
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