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2023年2月10日 (金)

BRYAN ADAMS『SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON』(2002)

2002年5月14日にリリースされたブライアン・アダムスの9thアルバム。日本盤は同年6月21日発売。

コンピレーションアルバム『THE BEST OF ME』(1999年)を挟みつつも、オリジナル作品としては『ON A DAY LIKE TODAY』(1998年)から約3年半ぶりとなった本作は、アニメーション映画『スピリット:スタリオン・オブ・ザ・シマロン』のサウンドトラックとして制作されたもの。そういった意味では純粋なオリジナルアルバムとは言えないかもしれませんが、全15トラック中11トラックがブライアンの歌モノ楽曲なので一般的にオリジナルアルバムにも含まれています。

映画のスコアをかのハンス・ジマーが手掛けていることもあり、アルバムのプロデュースや収録された楽曲の制作にも彼の名前を見つけることができます。しかし、すべてがハンスの色というわけではなく、楽曲自体はグレッチェン・ピーターズやロバート・ジョン・“マット”・ラングなどブライアンの楽曲制作には欠かせない面々や、ギャヴィン・グリーナウェイ、エリオット・ケネディ、トレヴァー・ホーンなど英国出身のコンポーザーとのコライトにより生まれたものが中心。演奏にもキース・スコット(G)やミッキー・カリー(Dr)など気心知れたメンツが加わっていることから、ハンスとのサントラ制作というお題の下に完成した1枚と解釈できます。

「Get Off My Back」といったブライアンらしいロックンロールも収録されているものの、基本的には映画を劇的に盛り上げるため、各場面に則した楽曲が中心。ということもあってか、ムーディーなミディアムナンバーや穏やかなバラードがずらりと並ぶ大人な内容となっています。90年代に入ってから「(Everything I Do) I Do It For You」の爆発的ヒットも手伝い、バラードシンガー的な見られ方も強いブライアンですが、彼のそういった側面を愛するリスナーにはうってつけの1枚と言えるでしょう。

また、前作『ON A DAY LIKE TODAY』での内向的な作風を考えると、本作へと続いていく流れはあまり意外とは思えず、当時は「ああ、彼も大人になったし、こうやってどんどん穏やかな方向へシフトしていくんだね」と少しだけがっかりしたものです。もちろん、本作は映画のサントラありきで制作されたものなので、これがずっと続くわけではないのですが。

本作のリード曲であり映画の主題歌的な立ち位置にある「Here I Am」、サラ・マクラクランをフィーチャーした「Don't Let Go」、アコギの弾き語りから徐々に盛り上がっていく「Nothing I've Ever Known」など良質な楽曲は当然のように豊富な本作。あくまで“長いアーティスト史における、1方向に特出した表現のひとつ”として受け取れば、これもアリなのでは。もちろん、ここでの経験があったからこそ続く『ROOM SERVICE』(2004年)で、溜め込んだものが一気に爆発するわけですけどね。

 


▼BRYAN ADAMS『SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON』
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なお、本作はフランスやドイツ、スペイン、イタリア、ブラジルなど、リリースされる国によってボーカルの言語が異なるとのこと。映画自体がそれぞれの上映国の言語でアフレコされていることもあり、劇中で使用される楽曲(ボーカル)も合わせているようです。ブライアンは英語版のほか、フランス語版も歌唱しており、こちらのバージョンもサブスクで聴くことが可能です。なお、日本版の主題歌はZIGGY森重樹一が担当しているので、ぜひ映像で確認してみてください。

 


▼BRYAN ADAMS『SPIRIT: L'ETALON DES PLAINES』
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