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2023年3月 6日 (月)

BRYAN ADAMS『11』(2008)

2008年3月17日にリリースされたブライアン・アダムスの11thアルバム。日本盤は同年3月19日発売。

オリジナルアルバムとしては前作『ROOM SERVICE』(2004年)から約3年半ぶり。その間に新曲入りベストアルバム『ANTHOLOGY』(2005年)を挟んでいるので、そこまで空いた感覚はなかったですよね。制作に関しては2005年頃からスタートし、2007年までじっくり時間をかけて続けられたようです。

前作同様、基本的にはブライアンのセルフプロデュースにて制作。オープニングトラック「Tonight We Have The Stars」と5曲目「We Found What We Were Looking For」のみプロデュースに盟友ロバート・ジョン・“マット”・ラングが関わっています。また、ソングライティングに関してもジム・ヴァランスやマット・ラングのほか、グレッチェン・ピーターズ、エリオット・ケネディ、トレヴァー・ラビンといった錚々たる面々が名を連ね、レコーディングにはキース・スコット(G)、ミッキー・カリー(Dr)などブライアンと縁の深いミュージシャンが多数参加しています。

作風的には『ON A DAY LIKE TODAY』(1998年)や前作『ROOM SERVICE』の流れを汲む、落ち着いた“大人のロックンロール”が中心。内省的な質感は引き続きですが、ロック感は前作よりも強まっている印象も強く、個人的には最初に聴いたときに『RECKLESS』(1984年)をより大人にさせた空気感」という感想を持ちました。そういった意味では、『INTO THE FIRE』(1987年)にも似ているのかな。ただ、あちらが背伸びをした大人感だったのに対して、こっちは2008年当時のブライアンの等身大という空気感なのが大きな違い。自然体だからこそ、聴き手側もナチュラルに受け取ることができる。そういう1枚ではないでしょうか。

序盤3曲はリラックスした演奏と歌が楽しめるミディアムロック中心ですが、4曲目「Oxygen」でギアが一段高く入り、80年代後半のU2にも通ずるテイストの5曲目「We Found What We Were Looking For」で表現により広がりが加わる。その後はアコースティックギターを軸にした楽曲がいくつか続きますが、打ち込みと同期させたM-9「She's Got A Way」をフックに、続く「Flower Grown Wild」で終盤に向けた盛り上がりを見せつつ、最後は3分にも満たない「Walk On By」でしっとりと締めくくります。アルバムタイトルにちなんだ全11曲/約44分(ボーナストラック除く)という適度な聴きやすさ含め、前作同様にロックアーティストとしての潔さが伝わる1枚です。

なお、日本盤やデジタル版では「The Way Of The World」などのボーナストラックが追加されており、アルバム自体が持つ“11”というコンセプトが崩れてしまっています。「The Way Of The World」自体はアルバム本編に足りなかった豪快なハードロックナンバーなので、これを本編に入れていたらまた流れや感じ方も違ったのかなという気もしますが、やっぱり「Walk On By」のあとに置くにはちょっと場違いかなという印象も。

本国カナダでは『WAKING UP THE NEIGHBOURS』(1991年)以来17年ぶりにオリジナルアルバムでの1位獲得、アメリカでも『SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON』(2002年)ぶりとなるTOP100入り(最高80位)を記録するなど、やはり世間は彼にこういった力強いロックンロールとセンチメンタルなバラードを求めていることが伺えます。どちらか一方だけが突出したものではなく、双方がバランスよく混在してこそのブライアン・アダムスなのだということですね。

 


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