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2023年3月 5日 (日)

BRYAN ADAMS『ROOM SERVICE』(2004)

2004年9月10日にリリースされたブライアン・アダムスの10thアルバム。日本盤は同年10月21日発売。

アニメーション映画『スピリット:スタリオン・オブ・ザ・シマロン』のサウンドトラックとして制作された前作『SPIRIT: STALLION OF THE CIMARRON』(2002年)から2年4ヶ月ぶりの新作。純粋なオリジナルアルバムとしては、『ON A DAY LIKE TODAY』(1998年)から6年ぶりとなります。

日本盤は過去作同様ユニバーサルミュージックからのリリースですが、本作ではデビューから在籍したA&M Recordsから新たにPolydor UKと契約。心機一転で制作された今作は過去2年にわたり実施してきたヨーロッパツアーの合間に、滞在先のホテルで大半のレコーディングしたそうです。ストリングスなどの上物はあとからオーバーダビングしたんでしょうかね。

それもあってか、プロデュースはブライアン自身が担当。フィル・ソーナリー(G, Key)やヨード・ネヴォ(Programming)がサポートしつつ、キース・スコット(B)やミッキー・カリー(Dr)などツアーで活動をともにする気心知れたメンツと制作を進めた、非常にリラックスしたノリの1枚に仕上がっています。

近作は内省的な質感のアルバムが続きましたが、本作もその延長線上にある作風で、「East Side Story」を筆頭にアルバム冒頭は穏やかで落ち着いた楽曲が続きます。『RECKLESS』(1984年)での溌剌としたイメージが強いブライアンですが、今作の時点ですでに44歳。人生折り返しに差し掛かるタイミングということもあって、こうしたミディアムテンポで落ち着いた作風の楽曲中心になるのは致し方ないのかな。

ミディアム中心とはえ、すべてがバラードというわけではないので、そこはご安心を。「East Side Story」にしろ「The Side Of Paradise」にしろ大陸的なおおらかなノリを持つ楽曲で、じわじわ熱が高まっていく感じはとにかく聴いていて心地よいですし、「Not Romeo Not Juliet」「Flying」のバラード2連発を経てアップテンポ寄りの「She's A Little Too Good For Me」で従来の彼らしさが強まる。続く「Open Road」も「Run To You」をよりアダルトにした作風で好印象。さらに、タイトルトラック「Room Service」での軽やかなロックサウンドも高揚感を高めてくれる。アルバム中盤にロックサイドを強めた楽曲を固めたことで、全体のメリハリが強まって最後まで飽きずに楽しめるのではないでしょうか。

アルバム後半はセンチメンタルな「I Was Only Dreamin'」、開放感の強い「Right Back Where I Started From」、哀愁味漂う「Nowhere Fast」とタイプの異なるミディアムナンバーが続き、最後は枯れ具合が抜群な大人のバラード「Why Do You Have To Be So Hard To Love?」で締めくくり。日本盤やデジタル版ではこのあとに、ロカビリー調のロックンロール「Blessing In Disguise」が追加されていますが、アルバムの流れとしては「Why Do You Have To Be So Hard To Love?」で終わるのが綺麗かもしれませんね。

トータルで35分強という程よい尺も、近年の彼に通ずるものがあり、デジタル全盛になり始めたこのタイミングにこれくらいで収めるのは潔い。結局は根っからのロックンローラーなのかもしれませんね。アルバムの制作過程同様、旅先などでリラックスしながら楽しむのにも最適な1枚です。

 


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