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2023年3月15日 (水)

IRON MAIDEN『PIECE OF MIND』(1983)

1983年5月16日にリリースされたIRON MAIDENの4thアルバム。日本盤タイトルは『頭脳改革』。

ブルース・ディッキンソン(Vo)が加わって最初のアルバム『THE NUMBER OF THE BEAST』(1982年)は、本国イギリスで初の1位を獲得。アメリカでも初のTOP40入り(最高33位)を果たすなど、バンドの知名度を世界中に向けて一気に広めることに成功しました。そんな好機の中、クライヴ・バー(Dr)がバンドを脱退。代わりにパット・トラヴァースやTRUSTと音楽活動を積み重ねてきたニコ・マクブレインが、新ドラマーとしてIRON MAIDENに加わることになります。ここで1989年まで続く黄金期メンバー……ブルース、スティーヴ・ハリス(B)デイヴ・マーレイ(G)、エイドリアン・スミス(G)、ニコという布陣が完成するわけですね。

作風的には前作で顕著だった、ブルースのボーカルを軸にしたハードロックナンバー中心。そこにスティーヴらしさの伝わるプログレッシヴなテイストのアレンジを散りばめた長尺曲も配置し、アルバムとしてはバランス感に優れた1枚。「Die With Your Boots On」や「The Trooper」「Sun And Steel」といったアップチューンもしっかり用意されているものの、初期のような前作までにあったパンキッシュなやけくそ感はだいぶ後退し、アルバムとしての完成度を高める方向にシフトしている印象もあります。そのへんは、ドラマーの交代も大きく影響しているのかもしれませんね。

そう考えると、グルーヴ感を重視した楽曲で固められたアルバム序盤の作風も、ある意味特徴的と言えるかもしれません。オープニングを飾る「Where Eagles Dare」やライブでも披露される機会も多い「Revelations」、シングルカットもされた「Flight Of Icarus」あたりはまさにその好例ですよね。そこから後半に入ると、ムーディーな「Still Life」やギャロップリズムとシャッフルの中間みたいな「Quest For Fire」、スティーヴの気合いが一番入ったであろう7分半の大作「To Tame A Land」と、従来のカラーを絡めながら前半のテイストに合わせた楽曲群を並べる。言い方が正しいかどうかわかりませんが、IRON MAIDENにしてはちょっと「お行儀の良い」内容のような気がしてなりません。

そういうこともあってか、実は個人的にはあまり印象が強くない1枚なんですよね。聴く頻度もほかの80年代のアルバムと比べると一歩劣ると言いますか。たまに聴くと「意外といい曲多いんだよね」と思うものの、全体的に地味に思えてしまって、そこまでリピートすることなく、またしばらく時間が経ってから引っ張り出すみたいな。欧米での高評価と比べると、僕の中ではそんなポジションの1枚です。

で、今回久しぶりに聴いてみたら「……やっぱりいいじゃん!」といいうことに(笑)。ただ、このアルバムってオープニングとエンディング(最後の締め)がインパクト弱で、どうしても「また続けて聴いてみよう」という気持ちになれなくて(「このあと、まだ続くの?」っていう終わり方だし)。なので、特にラストに関してはマイナスポイントかな。

なお、本作はイギリスで最高3位と前作から数字を落とすものの、アメリカでは最高14位と初のTOP20入り。「Flight Of Icarus」(英11位)、「The Trooper」(英12位)というヒットシングルも生まれ、続く名盤『POWERSLAVE』(1984年)まで続く最盛期のとっかかりを作ることに成功します。

 


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