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2024年4月 4日 (木)

ACCEPT『DEATH ROW』(1994)

1994年10月4日にリリースされたACCEPTの10thアルバム。日本盤は同年11月2日発売。

ウド・ダークシュナイダー(Vo)、ウルフ・ホフマン(G)、ピーター・バルテス(B)、ステファン・カウフマン(Dr)という黄金期の4人が再び集結し制作した前作『OBJECTION OVERRULED』(1993年)に続く1枚。常にツインギター編成で活動してきた彼らでしたが、再結成後はライブにおいてもシングルギター編成だったこともあり、本作でもそのスタイルは継続。前作以上にシングルギターで聴かせるアレンジが施されています。

しかし、それ以上に本作が独特な作りなのは、その楽曲/サウンドのテイストの違いでしょう。1994年という時代もあってか、本作で聴くことのできる方向性はそれまでのオールドスクールなHR/HMとは一線を画する、グランジ以降のシンプルなアレンジ、およびMETALLICAPANTERAを通過したグルーヴメタルを踏襲した路線。オープニングを飾るタイトルトラック「Death Row」の作風に、多くのリスナーが当時腰を抜かしたものです(笑)。

あれから30年経った今聴くと、これはこれで面白いなと思えるのですが、当時は時代に迎合したと思われても仕方ないくらいに“今(90年代前半)風”に寝返っており、かつ彼らがこういうスタイルをやっても曲自体が面白くならないという事実が重くのしかかるだけでした。続くアップチューン「Sodom & Gomorra」もそういった傾向を踏襲しつつも、無理に80年代的疾走感を取り入れようとして、メロディにいまいち高揚感が足りない。お家芸といえるクラシックからの引用ギターソロ(ここではハチャトゥリアン「剣の舞」をフィーチャー)はあるものの、全体的にモノトーンで盛り上がりに欠けるアレンジが足を引っ張っている感は否めません。

では、本作が完全なる失敗作かと言われると、まったくそうも言えないんですよ。3曲目「The Beast Inside」では前作までの黄金サウンドが復調している。メロディラインや野郎臭いシンガロングなど含め、彼らに必要な要素がすべて揃っているんです。かと思えば、モダン色を強めつつも従来の彼ららしさが感じられるミドルヘヴィ「Dead On!」、軽快なファストチューン「Guns 'R' Us」、80年代にやっていたことをモダン化させたような「Like A Loaded Gun」と佳曲が続く……「意外」と言っては失礼かもしれませんが……「意外と聴き進めることができる」んです、このアルバム。

アルバム後半もグルーヴメタル的リフを用いながらも従来のACCEPTらしさも混在する「What Else」や「Stone Evil」、のちにカウフマンの健康上の理由からツアーに参加することになるステファン・シュヴァルツマン(Dr)が叩いた「Bad Habits Die Hard」や「Prejudice」、個人的には本作で「The Beast Inside」に次いでお気に入りのアップチューン「Bad Religion」、ジム・ステイシー(Vo)期の楽曲をリメイクした「Generation Clash II」、憂に満ちた泣きのバラード「Writing On The Wall」と、バラエティに富んだ楽曲が揃っている。ただ、ここで終わらせておけばよかったものの、ダメ押しで泣きの「Drifting Apart」とエドワード・エルガー「威風堂々」のカバーというインスト2連発をぶち込み、トータル71分強という我慢大会が展開されるわけです(苦笑)。

本作を駄作にしてしまっている最大の原因は、「歌メロやリフの弱さ」以上に「曲数が多い」ことではないでしょうか。正直、この15曲中5曲は削って、曲順を変えれば平均的な仕上がりにはなったはず(メロやリフの弱さはどうしようもないからね)。オープニングのタイトルトラックで聴き手をふるいにかけるのはいいんですが、そこからダラダラと山場のない楽曲群を聴かされ続けたら、そりゃ誰だって駄作って呼びたくなります。

曲単位では5点中4点を与えられるものがいくつか存在し、残りは2〜3点という残念な1枚ではありますが、先に述べたように嫌いにはなれないし、意外と面白いなという気づきも見つけられる、時間が経ったことで評価が変わりつつある“不運な時代の、不運なアルバム”ではないでしょうか(かといって傑作、良作とも言い難いんだけどな)。

 


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