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2024年5月 2日 (木)

TESLA『BUST A NUT』(1994)

1994年8月23日にリリースされたTESLAの4thアルバム。日本盤は同年9月21日発売。

全米13位まで上昇し、100万枚以上を売り上げた前作『PSYCHOTIC SUPPER』(1991年)から約3年ぶりの新作。BAD COMPANYやGIANT、3 COLOURS REDなどを手がけたテリー・トーマスを初めてプロデューサーに迎えて制作された、メジャーレーベルGeffen Recordsからの最終作となります。

前々作『THE GREAT RADIO CONTROVERSY』(1989年)からのバラードシングル「Love Song」、およびアコースティックライブアルバム『FIVE MAN ACOUSTICAL JAM』(1990年)の大ヒットの反動からか、前作『PSYCHOTIC SUPPER』は全体を通じてハードな仕上がりでしたが、続く今作も基本的な作風はその延長線上にあると言っていいでしょう。ただ、前作は「Edison's Medicine」といったファストチューンがリードシングルであったりアルバム序盤に配置されていましたが、今回はひたすらヘヴィなミドルテンポで攻めるという潔さ。時代的に80年代後半に登場したヘアメタルバンドが駆逐され、代わりにグランジ勢やPANTERAをはじめとするモダンヘヴィネスが台頭したことも、そうした作風に影響を与えたのかもしれません。

ドラマチックな組曲「The Gate / Invited」、転調からのツインリードソロという王道ヘヴィメタル的アレンジの「Shine Away」など、序盤からかなり熱のこもった楽曲がずらりと並び、「これは軽く前作超えでは?」と掴みもバッチリ。個人的には1stアルバム『MECHANICAL RESONANCE』(1986年)や2ndアルバム『THE GREAT READIO CONTROVERSY』をよりモダンに進化させた、という印象を当時持った記憶があります。

LED ZEPPELIN的なヘヴィグルーヴの「She Wants She Wants」や「Mama's Fool」、彼ららしいクセの強いコード使いが印象的な「Action Talks」や「Earthmover」、正統派ハードロックバンドらしいアップチューン「Cry」、エピカルな側面を強めた「Rubberband」、そして単なるパワーバラードで終わらない「Try So Hard」や「Need Your Lovin'」「Alot To Lose」など、1曲1曲のクオリティは非常に高い。過去3作での経験をより高い純度で昇華させた、充実度の高い楽曲群を前にしたら、本作こそTESLAの最高傑作と言いたくなってしまはずです。

もし、本作に対して難癖を付けるとしたら、全14曲/約70分の大作であること(日本盤はさらにLED ZEPPELIN「The Ocean」カバーを追加)。全14曲中7曲が5〜6分台と長尺で、かつ1曲の密度も高い。前作『PSYCHOTIC SUPPER』も全13曲で約68分と長尺な作品でしたが、今作も同様にすべてを咀嚼するまでに相当の時間を要しました。特に、よりシンプルな方向へとシフトしていた90年代半ばにおいては、時代に反した1枚だったこともあり、セールス的には過去3作には及ばず。全米20位/50万枚と彼らにしては低調で終わり(それでも、この手のバンドにしては当時大健闘だったのですが)、先に述べたようにデビューから在籍したGeffen Recordsとの契約はここで終了してしまい、トミー・スキーオ(G)もバンドを脱退。1996年にはバンド解散を余儀なくされます。

前作のときにも「これ、10曲に絞ったらもっとキュッと絞まったいいアルバムになったのに」と感じましたが、それは今作も同様でした。ただ、今回は前作以上に捨て曲皆無の仕上がりだっただけに、本当にそこだけが残念なんですよね。

 


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