THE SMASHING PUMPKINS『MONUMENTS TO AN ELEGY』(2014)
2014年12月9日にリリースされたTHE SMASHING PUMPKINSの9thアルバム。日本盤は翌2015年2月25日発売。
前作『OCEANIA』(2012年)から約2年半ぶりの新作。再結成以降、Warner(『ZEITGEIST』)〜EMI(『OCEANIA』)とアルバムごとに移籍を繰り返しているスマパン。それは今作も同様で、新たにBMGと契約(日本では新たにソニーからリリース)。ニコール・フィオレンティーノ(B)、マイク・バーン(Dr)と新メンバーが相次いで脱退する中、ビリー・コーガン(Vo, G)はジェフ・シュローダー(G)という再結成後の新たな右腕に、ゲストドラマーとしてMÖTLEY CRÜEのトミー・リーを迎えて制作に取り組みます。
全9曲、大半の楽曲が4分に満たないコンパクトな構成で、トータル32分強という彼らのオリジナルアルバムとしてはもっとも短尺。その後に訪れるサブスク中心の音楽シーンを予兆するような内容と言えなくもありません。また、楽曲の作風自体も前作『OCEANIA』で確立した“新生スマパン”らしさの延長線上と言えるものではなく、キャッチーなオルタナロックという装いの楽曲が中心。どこか『MELLON COLLIE AND THE INFINITE SADNESS』(1995年)前後の作風を彷彿とさせるものがあるも、かといって焼き直しというわけでもない。もちろん、聴きやすさという点においては前作にも負けず劣らずの仕上がりだと思います。
確かに、前作は名手ジミー・チェンバレンの後釜としてハタチそこそこの若手ドラマーを迎えたことで、リズム面に関しては若干地味だったのは否めません。そこを考慮して、今回は80'sスタジアムロックの象徴といえるMÖTLEY CRÜEのメンバーを迎えたのだとしたら、なるほどと言わざるを得ません。実際、リズム面に関しては前作よりも強調されている印象がありますし、そのノリのよさや軽やかさはトミーのドラミングによるものが大きいと思います。
また、サイケ色が強めに出ていた前作と比較すると、今作はニューウェイヴ的な色合いが強い。それはアレンジやサウンドメイクに顕著で、過去の『ADORE』(1998年)のようなゴシックテイストとはまた異なるものでもある。そう、ダークさよりも陽の印象が強い質感なんですよね。『ZEITGEIST』はビリー&ジミーの2人が中心となって作り上げたものでしたが、今作もビリー&ジェフの2人が中心と同じ傾向。しかし、そこにトミー・リーといよ陽の塊のような存在が加わることでこの軽やかさが生まれたのだとしたら、そのコラボレーションは大成功だったと言えるでしょう。ただ、バンドの新作というよりはスピンアウト的な実験作という印象も否めないので、個人的には評価が難しいところです。
個人的には前作の方向性がツボで、ここからどんな方向へと進化していくのかと楽しみにしていたのですが、結果は短命に終わってしまったため、また新たな形で仕切り直すことに。バンドって難しいですね。
▼THE SMASHING PUMPKINS『MONUMENTS TO AN ELEGY』
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