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2026年7月

2026年7月31日 (金)

2026年7月のお仕事

2026年7月に公開されたお仕事の、ほんの一例をご紹介します。(※7月30日更新)

 

[WEB] 7月30日、「音楽ナタリー」にてライブレポート ORANGE RANGEが25周年をかりゆし58、[Alexandros]と祝福 4時間の熱狂ライブで「もっと大きいバンドになります」 が公開されました。

[WEB] 7月30日、「音楽ナタリー」にてライブレポート スガシカオ30周年キックオフライブでソウルフルに熱唱「これからも歌い続けるぜ!」 が公開されました。

[WEB] 7月29日、「リアルサウンド」にてライブレポート Smash Into Pieces、13年ぶり来日ステージで作り上げた刺激的な空間 LiLiCoも駆けつけた日本初単独公演 が公開されました。

[WEB] 7月27日、「秋田魁新報 電子版」にて連載 新曲「是非に及ばず」は“かわカッコいい”パフォーマンスに注目! 乃木坂46矢田萌華・わたしの居場所(7) の構成を担当しました。全文読むには無料会員登録が必要となります。

[WEB] 7月24日、「音楽ナタリー」にてライブレポート さとう。26歳の誕生日に迎えた全国ツアーファイナル、オーディエンスと音楽を通して心を重ね合う が公開されました。

[WEB] 7月20日、「billboard JAPAN」にてライブレポート Suchmos エネルギッシュでグルーヴィーな演奏で対バンツアー閉幕 Fujii Kazeとステージコラボも が公開されました。

[WEB] 7月17日、「リアルサウンド」にてインタビュー GALNERYUSが到達したヘヴィメタルの新たな地平 中国・中南米ツアーの成功、『A CRY FROM THE SKY ABOVE』を語り尽くす が公開されました。

[WEB] 7月15日、「billboard JAPAN」にてインタビュー 清春 なぜ今名盤を録り直すのか――黒夢が2026年のサウンドで蘇らせた『Drug TReatment 2026』『CORKSCREW 2026』リリース が公開されました。

[WEB] 7月14日、Suspended 4thのニューアルバム「Goodbye My Roots」特設サイトにて オフィシャルインタビュー Vol.3が公開されました。

[WEB] 7月14日、「リアルサウンド」にてライブレポート yosugala、結成4周年ライブで作り上げた音楽のテーマパーク 喜びと悔しさを胸にーー1歩ずつ未来へ が公開されました。

[WEB] 7月8日、Suspended 4thのニューアルバム「Goodbye My Roots」特設サイトにて オフィシャルインタビュー Vol.2が公開されました。

[WEB] 7月3日、「音楽ナタリー」にてインタビュー HAPPY CREATORS|自分を励ます応援歌&アイドル界の名曲カバー、最強の両A面を携え挑む二度目の夏 が公開されました。

[WEB] 7月3日、Suspended 4thのニューアルバム「Goodbye My Roots」特設サイトにて オフィシャルインタビュー Vol.1が公開されました。

[紙] 7月3日発売 日経エンタテインメント!2026年8月号 にて、櫻坂46大園玲 連載「ミステリアスな向上心」および日向坂46平尾帆夏 連載「頭の中はおもちゃ箱」の各構成を担当しました。(Amazon

[WEB] 7月1日、「音楽ナタリー」にてインタビュー lynch.「CLIMAX」インタビュー|トータル29分に込めた攻め続ける姿勢 が公開されました。

[WEB] 7月1日、「音楽ナタリー」にてインタビュー FANTASTIC◇CIRCUS特集|難病にも負けず、たぎらせる不屈のロックスピリット が公開されました。

 

2026年7月25日 (土)

「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説④(1996〜1999年)

このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。第1回はこちら第2回はこちら第3回はこちらからご覧ください。

第4回はワーナーとの決別から新天地を求めていろんな動きを見せた、1990年代後半の9枚についてです。

 

 

PRINCE『GIRL 6: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』(1996)

1996年3月19日にリリースされたコンピレーションアルバム。サブスク未配信。

本作はスパイク・リー監督による同名映画のサントラ盤で、殿下の新曲及び未発表曲3曲にTHE NEW POWER GENERATIONやTHE FAMILY、VANITY 6の既発曲を交えた構成。『GRAFFITI BRIDGE』(1990年)にも似た構成だけど、書き下ろし新曲は1曲のみなのでオリジナルアルバム扱いはされていないようです。

どれも殿下が書いた楽曲なので、「殿下とその仲間たち」によるレアなカタログ盤と捉えれば難しいこと考えずに楽しめる。リリース当時は1、2回しか聴かなかったけど、あれから30年を経て引っ張り出して聴き返すと意外と良かった。自分も歳を取ったということか。それはそれでいいじゃないか。

ちなみに、映画のほうはマドンナとかタランティーノ、ナオミ・キャンベルなどセレブが多数出演していたようですが未見。FODで観れるらしいけど内容的にはそこまで惹かれないかな。

 


▼PRINCE『GIRL 6: MUSIC FROM THE MOTION PICTURE』
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PRINCE『CHAOS AND DISORDER』(1996)

1996年7月9日にリリースされた“プリンス名義”の18thアルバム。

ワーナーと最後の仕事として制作されたオリジナルアルバムは、意外にも殿下のギターを前面に打ち出したロック色濃厚な1枚(本当は契約上もう1枚残っているのですがそれは数年後に発売)。派手でわかりやすくてカッコいいんだけど、そういう豪快な曲より穏やかめの楽曲のほうが印象に残る不思議。いや、それ以上に「混沌と無秩序」と銘打ったタイトルや意味深なジャケのほうが印象的なんですが。これはこれでありだけど、そんなにリピートはしないかもなと、30年後も特に感想変わらずでした。

 


▼PRINCE『CHAOS AND DISORDER』
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PRINCE『EMANCIPATION』(1996)

1996年11月19日にリリースされた19thアルバム。

混沌と無秩序から解放へ。ようやくワーナーから解放された殿下が放ったのは、12曲60分のアルバム3枚組と大ボリュームの大作。それぞれにテーマがあるものの、基本的には多幸感な溢れた内容で、これはワーナーとの関係解消以上に自身の結婚が大きく影響しているよう。

それもあってキレはさほど強くはない。殿下に何を求めているかで評価は変わりそうですが、個人的にはDISC2と3が好みかな。あと、初めてカバー曲(THE STYLISTICS「Betcha By Golly Wow!」、ボニー・レイット「I Can't Make U Love Me」、THE DELFONICS「La-La (Means I Love You)」、ジョーン・オズボーン「One Of US」)を採用したのも興味深かった(殿下、意外とメジャー感の強い曲を選ぶのね)。解き放たれたあとの創作欲はここからさらに向上していくものの、それと同時にゼロ年代に向けた黎明期にも突入することになります。

 


▼PRINCE『EMANCIPATION』
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THE NPG ORCHESTRA『KAMASUTRA』(1997)

1997年2月14日にオフィシャルサイト限定でリリースされた、THE NPG ORCHESTRA名義による唯一のアルバム。国内サブスク未配信。

当初、カセットテープのみで販売され、翌1998年1月に『CRYSTAL BALL』5枚組BOXの1枚として一部流通。現在はTidalのみで単独作品として聴けるようです。

殿下がピアノやシンセで参加し、THE NEW POWER GENERATIONホーン隊やオーケストラチームとともに制作したインストゥルメンタル作品で、内容的にはクラシックを下地にしたジャズ。若干前衛音楽的な側面が感じられるのは殿下ならではか。もともと当時の恋人のバレエ演舞のために制作された組曲で、その後彼女と結婚した際には自身の結婚式で演奏されることを想定していたんだとか。それを踏まえて聴くとなるほどなと納得するものもあるかな。

印象的なメインリフを軸に展開していく約12分におよぶタイトルトラックは圧巻の一言で、これ1曲のために聴いてもいいと思えるほど。とはいえ普段の殿下らしさはそこまで色濃くないので、殿下の作品と意識して触れると肩透かしを食らうかも。個人的にはこういうジャンル/テイストも好みなので最後まで安心して楽しめました。このあたりの作品もTHE NPG諸作品とともに一般解禁(再発)されたらいいのに。

 


▼THE NPG ORCHESTRA『KAMASUTRA』
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PRINCE『CRYSTAL BALL』(1998)

1998年1月29日にリリースされた20thアルバム

CD3枚組の大作『EMANCIPATION』から1年強で届けられたのは、同じくCD3枚からなる同タイトルの新作と、ギター弾き語りアルバム『THE TRUTH』、そして先のTHE NPG ORCHESTRA『KAMASUTRA』を同梱したCD5枚組BOXセットとして、オフィシャルサイトで限定販売。現在は各タイトルが単品で販売(配信)されているので、ここでは同タイトルの3枚組について触れます。

本作はいわゆるアウトテイク集で、録音時期も80年代前半から90年代半ばまでさまざま。海賊盤で耳にしていた曲も含まれているものの、そこは殿下のこと、どれも流石のクオリティ。アルバムとしてのトータル性は薄いものの、今の耳ならプレイリスト感覚で楽しめるはずです。そういう意味では裏ベスト的な作品でもあるのかな。

そ10分強のタイトルトラックはじめ、必聴曲多し。全30曲とボリューミーすぎてなかなか反芻しきれないのが難点ですが。

 


▼PRINCE『CRYSTAL BALL』
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PRINCE『THE TRUTH』(1998)

当初は1998年1月29日に、『CRYSTAL BALL』BOXセットの一部としてリリースされた21thアルバム。殿下逝去後に単独作品として配信開始。

本来は『EMANCIPATION』に続く単独作品としてリリースする予定だったんだとか。ですが、作風としては『EMANCIPATION』とは一線を画するもので、殿下のギター弾き語りが軸。曲によってパーカッションなどの他楽器やエフェクトが加わっていて、そういう作風もあってか音楽的にはブルース的要素強め。が、それがいいんですよね。ライブ感も強くてスリリングさもある。この時期の作品は軽視されがちだけど絶対に聴いておくべき1枚。特にロックな殿下が好きな方は絶対にハマるはず。

 


▼PRINCE『THE TRUTH』
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THE NEW POWER GENERATION『NEWPOWER SOUL』(1998)

1998年6月30日にリリースされたTHE NEW POWER GENERATION名義の3rdアルバム。

当初はチャカ・カーン『COME 2 MY HOUSE』とGRAHAM CENTRAL STATION『GCS 2000』との抱き合わせ3枚組仕様で販売されたほか、日本では単品CD化もされたので、THE NEW POWER GENERATION名義過去2作と比べると比較的入手しやすく、「これは知ってる。聴いた」という方も多いのでは。殿下の諸作品と比べてジャケがチープなので、当時は「えっ、ブート?」と敬遠したことも今では懐かしい思い出です。

今作はジャケットから見てもわかるように、殿下が前に出る形で制作されており、ボーカルも過去2作とは異なり殿下が歌唱。「なら別に殿下名義でいいんじゃないか」という気もしますが、アレがアレなのでしょう(プリンス名義の云々)。内容的にはタイトルを地でいく殿下流最新型ファンク中心で、非常に聴きやすいものばかり。THE NPGの面々が刷新されていることもあってか、生き生きとした感はより強まっている印象も。同時期にリリースされた『CRYSTAL BALL』よりは万人受けする1枚じゃないかな。だからこそ、殿下名義で出せばよかったのに……と思わずにはいられません。勿体ない。

 


▼THE NEW POWER GENERATION『NEWPOWER SOUL』
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PRINCE『THE VAULT... OLD FRIENDS 4 SALE』(1999)

1999年8月24日にリリースされた“プリンス名義”の22ndアルバム。

1996年の『CHAOS AND DISORDER』でワーナーとの契約は完全終了していたかと思いきや、もう1枚残っていたのかと当時驚いた記憶が。で、例によって今回も未発表曲をかき集めた編集盤なのですが、そこは殿下のこと。しっかりとトータル性の強い1枚に昇華されています。

プリンス名義でのワーナー末期は『COME』(1994年)でダークなファンク、先の『CHAOS AND DISORDER』ではロックと、それぞれ異なるカラーでしたが、今作はジャジーなソウルといったところでしょうか。刺激こそ薄いものの、これが実に心地よくて直近の新作よりも優れているんじゃないかと思うほど。リリース当時は寄せ集めという思い込みであんまりリピートしなかったけど、こうやってキャリアを振り返りながら1枚1枚聴いてきたことで改めてその魅力を再発見できたのは嬉しい限り。

 


▼PRINCE『THE VAULT... OLD FRIENDS 4 SALE』
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PRINCE『RAVE UN2 THE JOY FANTASTIC』(1999)

1999年11月2日にリリースされた23rdアルバム。

新たにArista Recordsと契約して発表したオリジナル新作。しばらくチャート的にも低迷していたこともあり、移籍とともにヒットを意識した作品にトライ。それもあってか直近のボリューミーな作品やテーマを絞ったアルバムと異なり、『THE GOLD EXPERIENCE』(1995年)的雑多感のある作風に。かつ、チャック・Dやグウェン・ステファニー、シェリル・クロウなど珍しく外部ゲストも多数参加。そのおかげか1曲1曲の仕上がりは非常にキャッチーなものばかり。なのにトータルで聴くと不思議と地味に聴こえるという。いい曲多いのにインパクトに欠ける、なんとも微妙な1枚。昔も今も大して印象は変わりませんでした。

 


▼PRINCE『RAVE UN2 THE JOY FANTASTIC』
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2026年7月 9日 (木)

「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説③(1991〜1995年)

このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。第1回はこちら第2回はこちらからご覧ください。

第3回はレーベルとの関係がこじれた最初の過渡期である1991年〜1995年に発表した10作品についてです。

 

 

PRINCE & THE NEW POWER GENERATION『DIAMONDS AND PEARLS』(1991)

1991年10月1日リリースの13thアルバム。前作の一部でお披露目されていたTHE NEW POWER GENERATIONを携えての1作目。

過去2作での過渡期を経て新時代に突入した感の強い、ポップで開放的な楽曲多数。それもあってか本作からは生前最後のシングル1位を獲得した「Cream」を筆頭に「Diamonds And Perls」(3位)、「Gett Off」(21位)、「Money Don't Matter 2 Night」(23位)、「Insatiable」(77位)と久しぶりにヒット曲を量産。アルバム自体も最高3位、200万枚以上を売り上げる、新たなディケイドの幕開けに相応しい1枚となりました。

刺激は少ないかもしれないけど気づくと手を伸ばしている良盤。『PURPLE RAIN』同様の入門編的作品かな。

 


▼PRINCE & THE NEW POWER GENERATION『DIAMONDS AND PEARLS』
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PRINCE & THE NEW POWER GENERATION『LOVE SYMBOL』(1992)

1992年10月13日リリースの14thアルバム。正式タイトルはジャケットにデカデカと掲載されている記号なので表記できず。一般的には「LOVE SYMBOL」などと呼ばれており、日本盤も『ラヴ・シンボル』と銘打って発売されました。

THE NEW POWER GENERATIONを携えての2作目となりますが、前作と比べたら大衆性は薄いのですが、だがそこがいい。だってオープニングからある種のジャイアニズム炸裂の「My Name Is Prince」(36位)、2曲目が「Sex MF」(66位。MFはもちろんMother Fxxkerのこと)ですからね(笑)。嫌いになる要素がまったくない。大衆性が薄いものの、しっかりと「7」(7位)というポピュラリティの高いヒット曲もしっかり用意されている。全体的にノリで気持ちよく楽しめる1枚ではないでしょうか。

しかし、これ以降再び模索の時期に入るんですよね。1年に新作1枚ペースはひとまずここまで。

 


▼PRINCE & THE NEW POWER GENERATION『LOVE SYMBOL』
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THE NEW POWER GENERATION『GOLD NIGGA』(1993)

1993年8月31日リリースの、THE NEW POWER GENERATION名義の1stアルバム。当時、ライブ会場などで限定販売されたレアな作品。

この年、プリンスはデビューから所属してきたワーナーとの関係を終え、6月には「シンボルマーク(The Artist Formerly Known as Prince)」を新たな名前として掲げます。『LOVE SYMBOL』と前後して制作されたものの、リリースは1年後。ということは、タイミング的にプリンスという名前を一時的に捨てていた頃。PRINCE & THE NEW POWER GENERATION名義ではないので、本作では殿下の名前はクレジットされていませんが、楽曲はほぼ殿下が手がけたものでギターやコーラスなどのレコーディングにも参加しています。

空気感的には先の『LOVE SYMBOL』やその前作『DIAMONDS AND PEARLS』の延長線上にあるジャズファンク/ヒップホップサウンドなので、殿下ファンはもちろんこの頃の彼の作品が好きな方なら安心して楽しめる内容。ただ、殿下のあの声あってこそと感じる方には物足りなさもあるかも。THE TIMEなどファミリー作品として触れるのが一番かな。

ちなみに本作はサブスク配信なし。CD自体も廃盤状態で、殿下の関連作品ではもっとも入手困難な1枚と言われています。

 


▼THE NEW POWER GENERATION『GOLD NIGGA』
(amazon:海外盤CD

 

 

PRINCE『THE HITS / THE B-SIDES』(1993)

1993年9月14日にリリースされた、プリンス初のベストアルバム。

その一方で、ワーナー側は契約消化の意味も兼ねて1978年から1992年までのプリンスのキャリアを総括する、『THE HITS 1』『THE HITS 2』と題した2枚のベスト盤を制作。それぞれにヒット曲を振り分けつつ、各アルバムに未発表曲/テイクを2曲ずつ収録。また、その2枚をまとめた『THE HITS / THE B-SIDES』はシングルでしか聴けなかったアルバム未収録曲をまとめ、さらに未発表を2曲を追加したボーナスディスク付きCD3枚組仕様。要は3枚組を買えってことですねわかります(笑)。プリンス本人が望んでないベストであることは当時から理解できていたけど、やはりB面集欲しさに買っちゃいますよね。

本作の目玉はようやく世に出た本人歌唱の「Nothing Compares 2 U」(ライブバージョンだけど)。これだけで十分です。シングル曲は「Kiss」のシングルバージョン(フェードアウトするやつ)が初収録なのが嬉しいくらいで、あとは無駄に短縮されたエディットにイライラするので無理して聴かなくてもいいかな。部屋で流しっぱなしにする分にはちょうどいいアルバムですが。

 


▼PRINCE『THE HITS / THE B-SIDES』
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PRINCE『THE BEAUTIFUL EXPERIENCE』(1994)

1994年5月17日にリリースされたEP。番外編的な1枚。サブスク未配信。

ワーナーと揉めまくってるタイミングの1994年は、真の意味での過渡期。プリンス名義ではなくあの変な記号(笑)名義で自身のレーベルから発表されたこのEPは、当時のヒット曲「The Most Beautiful Girl In The World」(3位)をネタにいろんなバージョンを作って1枚にまとめたもの。サビの名フレーズだけは共通しているものの、どれもらしいアレンジが施された似て非なるものに仕上がっていて、かつシームレスな構成なのでちょっとしたコンセプトアルバムのようにも聞こえる。なので最後にオリジナルバージョン(シングルと同テイク)がくると、なぜかホッとするという。全7トラックで33分というトータルランニングもちょうどいい。

日本盤は当時(確か)エイベックスから出ていて、さらに2曲追加されて44分くらいの尺なので、もはやフルアルバム並み。ただ、追加されたテイクは蛇足気味の内容かな。

そもそもこの曲、盗作疑惑でしばらくデジタル配信されてなかったんですよね(現在は解決済み)。それもあって本作は現在も復刻企画やサブスク配信をスルーされてるのかな。まあそこまで重要な1枚ではないという判断もあったんだろうけどね。

 


▼PRINCE『THE BEAUTIFUL EXPERIENCE』
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V.A.『1-800-NEW-FUNK』(1994)

1994年8月12日にリリースされたコンピレーションアルバム。サブスク未配信。

殿下がシンボルマークへ改名した際に立ち上げたNPG Recordsのカタログ的コンピ。当時は日本盤もリリースされました(海外盤にリミックス数曲追加した仕様)。プリンス名義の楽曲は当然ながら未収録で、ジョージ・クリントンやマイテ、メイヴィス・ステイプルズのほか、殿下が携わるTHE NEW POWER GENERATIONやMADHOUSEの楽曲、さらにはMINNEAPOLISという謎のユニットの新曲も収録。実はこのMINNEAPOLIS、殿下や彼と関わりの深いメンバーたちによる覆面ユニットだったりします。

あと、「Love Sign」はノーナ・ゲイと殿下のデュエットソングですし、それ以外にも多くの楽曲を殿下が執筆しているので、90年代半ばの殿下(とその仲間たち)の空気に触れるという意味では副読本として役立つかも。必聴盤とは言い難いものの、全オリジナルアルバムを網羅し、なおも殿下を掘り起こしたいという方にはオススメしてもいいのかな。なお、例によって本作も国内サブスク未配信。海外でもTidalでしか確認できないですが、CD自体は中古盤屋をこまめに回れば意外と簡単に(かつ安価で)見つけられるはずです。

 


▼V.A.『1-800-NEW-FUNK』
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PRINCE『COME』(1994)

1994年8月16日にリリースされた15thアルバム。

オリジナルアルバムとしては『LOVE SYMBOL』から2年振りですが、プリンス名義で発表された本作はジャケットにある「1958 / 1993」の表記が示すように、ある種の遺作(契約消化のための1枚)。実際、内容はかなりダーク&エロティシズム全開で、当時は「あれっ?」と思った記憶が。ただ、今聴くと11分超のオープニングトラック「Come」からしてシビれる展開。殿下がリアルタイムでやりたい・表現したいものとは乖離していたのかもしれないけど、時間が経過して何周もしたことで不思議とジャストで響いているような気が。今回の全作振り返りで一番の収穫でした。

 


▼PRINCE『COME』
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PRINCE『THE BLACK ALBUM』(1987 / 1994)

1994年11月22日にリリースされた16thアルバム。サブスク未配信。

1987年末発売予定だった幻の1枚が、『COME』の3ヶ月後にようやくリリースに。とはいえ、これも先のワーナーとの契約消化によって正式リリースが実現したのかなと。実際、当初の発売スケジュールから7年も経っていたため、1994年当時すでに若干の古臭さもあったし、散々騒がれたもののそこまで名盤か?という疑問もあったなあ。そういう意味では、あえて限定リリースにしたのは納得かも。

とはいえ、昨今の再発ムーブの中に本作が含まれていないのは如何なものかと。早くサブスクでも聴けるようにして、西新宿を回って海賊盤を探した90年代初頭の記憶を決していただきたい(笑)。

 


▼PRINCE『THE BLACK ALBUM』
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THE NEW POWER GENERATION『EXODUS』(1995)

1995年3月27日にリリースされた、THE NEW POWER GENERATION名義での2ndアルバム。サブスク未配信。

全21トラックと一見ボリューミーながらも、歌モノは10曲(残りはインタールード)。発売は半年近く早いものの、制作は『THE GOLD EXPERIENCE』と並行して実施されており、それもあってか音的にはオーソドックスなファンクやソウルが中心。殿下の名前は再びクレジットされていないものの、全曲のソングライティングとベース(さらに一部楽曲の加工ボーカル)で参加しています。当たり前だけど、どれも殿下が歌っても成立する曲ばかりで、前作ほどの弾けっぷりは感じられないこともあり、聴きやすさは前作以上。ということもあり、前作が気に入った方には少々物足りないかも。

前作同様、今作も一般流通しなかったので現在は入手も非常に困難。そろそろここへんのワークスも配信解禁してほしいんだけどねえ。

 


▼THE NEW POWER GENERATION『EXODUS』
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PRINCE『THE GOLD EXPERIENCE』(1995)

1995年9月26日にリリースされた17thアルバム。

本人が望んだ純粋なオリジナルアルバムとしては『LOVE SYMBOL』l以来3年振りか。ということもあって、かなりバランスに優れた内容でキャッチーな良曲満載。ダーク期をようやく抜けた印象もあるんだけど、まだ前レーベルからの流通とあってか全力全開にまでは至ってないかな。

前年のヒット曲「The Most Beautiful Girl In The World」(3位)が正式にアルバム収録されたほか、「Eye Hate U」(12位)や「Gold」(88位)といったヒットシングルも含まれており、比較的聴きやすい内容にも関わらず大きなヒットに繋がらなかったのは、一連の揉め事も影響したか。ただ、日本では「Endorphinmachine」が某格闘技中継で使用されたこともあって。それなりに売れた記憶が。

 


▼PRINCE『THE GOLD EXPERIENCE』
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2026年7月 7日 (火)

「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説②(1984〜1990年)

このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。第1回はこちらからご覧ください。

第2回はセールス/内容ともに黄金期と呼べる1984年以降、1990年までの7作品についてです。

 

 

PRINCE & THE REVOLUTION『PURPLE RAIN』(1984)

アメリカ本国で1984年6月25日発売の6thアルバム。個人的にはプリンスへの入り口となった1枚です。

殿下の自伝的同名映画のサウンドトラックの役割も果たした作品で、前作『1999』(1982年)でのロング&大ヒットも手伝って初の全米1位を獲得。アルバム自体、アメリカだけで1000万枚を超えるメガヒットに。本作からは「When Doves Cry」「Let's Go Crazy」が1位、「Purple Rain」が2位、「I Would Die 4 U」が8位、「Take Me With U」が25位とヒットシングルも多数生まれました。

初めてPRINCE & THE REVOLUTION名義で発売された本作は、バンド録音中心ということもあってか全体的にロック色が濃厚。パーティ感の強いハードロックな「Let's Go Crazy」、泣きのロックバラード「Purple Rain」を筆頭にとにかく聴きやすい。加えて前作での大作志向が減退し、どれも4分前後とコンパクトかつキャッチー(タイトルトラックのみ約9分もありますが)。なので、どれをシングルカットしたとしてもそれなりのヒットが約束されたようなもの。ノリにノるってこういうことなんですよね。だってMTV(いや、『ベストヒットUSA』かも)で「When Doves Cry」のMVを観て(曲を聴いて)、最初こそあのビジュアルにたじろいだ自分が「それでも聴きたい」と思ってしまうほどの魅力を放っていたんですから。

今ではそこまで聴くアルバムではないけど、この入門編があったからハマれたのだから大きな意味がある。前作『1999』とあわせて聴くと、より当時の状況を理解してもらえるかも。

なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。

 


▼PRINCE & THE REVOLUTION『PURPLE RAIN』
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PRINCE & THE REVOLUTION『AROUND THE WORLD IN A DAY』(1985)

1985年4月22日リリースの7thアルバム。前作『PURPLE RAIN』のメガヒット(現在アメリカのみで1000万枚超)を受けて、10ヶ月という短いスパンで届けられたTHE REVOLUTIONとの2作目。

実は、レコーディング自体は『PURPLE RAIN』とほぼ同時期に行われたものが多数なんだとか。サウンドのテイスト的には共通するものが多いものの、曲調はポップでロックだった前作とは異なり、いわゆるサイケデリックロック/ポップが中心。冒頭のタイトルトラックなんて、中近東の民族音楽テイストですからね。

もちろん「Paisley Park」や「Raspberry Beret」みたいなポップチューンもあるけど、それもサイケ味が散りばめられていてストレートだった前作とは異なる印象。しかし、これが非常にクセになるんですよね。そんな中で異彩を放つ「Tamborine」「America」あたりのハードファンク、次作への布石とも言える「Condition Of The Heart」や「Temptation」でのジャズ風味が非常にいい味を出しています。

本作は自分がプリンスにハマるきっかけの1枚。彼の全キャリアの中でトップ3クラスで好きなアルバム。

 


▼PRINCE & THE REVOLUTION『AROUND THE WORLD IN A DAY』
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PRINCE & THE REVOLUTION『PARADE』(1986)

1986年3月31日リリースの8thアルバム。殿下が手がける主演映画『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』のサントラ的立ち位置の、THE REVOLUTION名義での3作目にしてラスト作。

全米1位を記録した名曲「Kiss」や無機質ファンク「Girls & Boys」、前作の流れを汲むサイケソウル「Mountains」(全米23位)といった個性的なシングル曲を含むも、全体的には前作でのサイケ色にジャズサウンドを散りばめた大人なテイスト。音のおもちゃ箱的側面もあった前作や前々作とは異なり、音数も意識的に減らしている印象もあり(「Kiss」なんてその最もたるや)、初めて聴いたときは子供ながらに地味に映ったものです。が、ある程度大人になってから触れてみると……気持ちいいのなんの。組曲的に進む冒頭から緩急に飛んだ中盤、そして感動的なジャズバラード「Sometimes It Snows In April」で締めくくる流れは完璧の一言。

『1999』から始まった快進撃といいますか、ここらへんの流れは本当に神がかってる。映画は思い切りコケたけんだけどね(実際に観たのは20年以上経ってから)。

なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。

 


▼PRINCE & THE REVOLUTION『PARADE』
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PRINCE『SIGN O' THE TIMES』(1987)

1987年3月20日リリースの9thアルバム。再びソロ名義に戻ったかと思えば、いきなりアナログ/CDともに2枚組でやりたい放題(『1999』はCDではギリ1枚に収録)。

しかも『1999』とは異なり、今作は全16曲入りで含まれる楽曲のジャンルもバラバラ。『AROUND THE WORLD IN A DAY』がビートルズにおけるサージェント・ペパーズだとすると、本作はホワイト・アルバムか。ただ、ビートルズと違って殿下はこれをたったひとりで作り上げてしまったところが恐るべし。

だって、ミニマルサウンドの無機質ファンクなタイトルトラックから始まり、ゴージャスなパーティロック、クールなラップ、不穏なソウル、サイケポップ、王道ロック&ポップ、セクシャルなR&B、さらにはシリアスなハードロックまで入ってるんだから。当時はびっくりしたけど、いろんなジャンルが詰まってるからこそ一番好きなのかも。殿下のアルバムはそれまでレンタルで済ませてきたけど、初めてCDで購入した作品がこれでした。

なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。

 


▼PRINCE『SIGN O' THE TIMES』
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PRINCE『LOVESEXY』(1988)

1988年5月10日発売の10thアルバム。前作『SIGN O' THE TIMES』から半年強で、『BLACK ALBUM』と題された謎の新作リリースがアナウンスされるも突如中止に。地元のショップでも予約告知してたからよく覚えてる。

で、その代わりに前作から1年後にこの問題作が登場(内容はまったく問題作じゃない)。先行の8センチCDシングルは2トラック入りだったけど、CDアルバムは9曲1トラック(意味わかりますか? 9曲分が40数分のひとつのトラックとして収録されていたということです)。初めての経験に戸惑いながらも、当時は編集点を見つけてカセットにダビングしてそっちばかり聴いてた(笑)。10年くらい前にサブスク配信が始まった当初はまだ1トラックだった記憶があるけど、気づいたら9トラックに分割されたバージョンも出回るように。作品の良し悪しには関係ないかもしれないけど、ある意味一番インパクトのあったCDかも。

あ、内容的には前作『SIGN O' THE TIMES』ほどの実験性はなく、軸が絞れている印象。『BLACK ALBUM』収録予定だった楽曲もいくつか含まれておりますが、それを抜きにしても非常にポップで楽しい1枚。自分的黄金期はここまでかな。

なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。

 


▼PRINCE『LOVESEXY』
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PRINCE『BATMAN』(1989)

1989年6月20日リリースの11thアルバム。実写/イラスト含め殿下本人の欠片すら存在しないジャケットはこれが初めてか。

それもそのはず、本作はティム・バートン監督の同名映画のサントラ的立ち位置なのだから。が、実際には劇中で使われた曲は少なく、どちらかというとイメージアルバム的な1枚。そういう意味では『PURPLE RAIN』に近しいものがあるかな(ロックとヒップホップ寄りという違いはありますが)。全米1位を記録した「Batdance」は歌モノではないサウンドコラージュ的ダンスチューンだし、そのほかの歌モノもスルッと聴けてしまうくらい薄味。映画の相乗効果もあって『AROUND THE WORLD IN A DAY』以来の1位に輝いたけど、前作までの好調ぶりを考えると肩すかすを喰らうかも。

そこも含めて好き嫌い分かれそうだけど、当時10代後半の自分は『LOVESEXY』からの流れでよく聴いた記憶が。ただ、バットマン効果とはいえ、日本人の感覚だとなぜそこまでヒットしたのか当時は謎でした(笑)。

なお、本作に関しては過去により深く触れておりますので、こちらも合わせてチェックいただけるとありがたいです。

 


▼PRINCE『BATMAN』
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PRINCE『GRAFFITI BRIDGE』(1990)

1990年8月20日リリースの12thアルバム。またもや映画のサントラ。しかし、今回は殿下自身が手がける同名映画のサントラ的1枚なので、前作『BATMAN』とはちょっと意味合いが異なるか。

今作は自身の歌唱曲のみならず、THE TIMEなどプリンスファミリーの楽曲(制作には殿下が関与)、テヴィン・キャンベルやジョージ・クリントンとのコラボ曲も多数含まれていて、最初こそ「?」でしかなかった。そりゃサントラなんだから、こういう作風もあるわなと今ならスッと理解できるけど、これまで全部自作自演してきたのになんで?と思わずにはいられなかった。かつ、約70分と非常に長尺。それらの理由もあって、当時もそこまで聴き込まず、敬遠した記憶も。

が、今聴くとそこまで悪いわけでもなく、なんなら前作よりも好き。とはいえ1曲1曲のインパクトは相当薄く、アルバムとしてあまり印象に残らないのも事実。

 


▼PRINCE『GRAFFITI BRIDGE』
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2026年7月 4日 (土)

「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説①(1978〜1982年)

このエントリーは今年1月から6月にかけて筆者のインスタアカウントで不定期連載してきた、ハッシュタグ「#プリンス三昧」付きのプリンス全スタジオアルバム(一部関連作品やコンピ盤、リミックス盤なども含む)55回分の投稿を、時系列(リリース年月)順に再構成してまとめたものです。最初は自分自身が殿下(=プリンス)の初作品を振り返る意味で始めたもので、そんなに気構えていなかったので気持ちが途切れることもありましたが、数ヶ月経つ頃には知人数人から「プリンスレビュー、いつも楽しみにしてます!」と嬉しい言葉をもらうようになり、なんとか最後までやり通すころができました。

なもんで、時期/作品によっては文字数が極端に多かったりする作品もありますが、これは決してそのアルバムが個人的思い入れが強いからというわけではなく、変なスイッチが入ってしまったことによるもの(笑)。本来は80年代後半から90年代前半あたりの作品で見られるツイッター(X)で投稿できる程度の文字数をイメージしていたんですが……(苦笑)。

ということで、ここから数日、何回かに分けてこちらで更新していきます。基本的には本文はインスタ投稿時のままです(その時々の駄文はカットしてます)。第1回は初期の5作品についてです。

 

 

PRINCE『FOR YOU』(1978)

アメリカ本国で1978年4月7日リリース。19歳(当時)の殿下がほぼセルフプロデュースで(名目上はトミー・ヴィカリをエグゼクティブプロデューサーに置いて)完成させた、デビュー作にして傑作。

1978年というと『サタデーナイトフィーバー』を筆頭に空前のディスコブーム。そんな中、殿下はありきたりなソウル/ディスコアルバムとは一線を画する斬新なファンクアルバムで世に出ていくわけですから圧巻です(もちろん時代を読んでそういったテイストも適度に含まれていますが)。オープニングのタイトルトラックは1分少々ながらも40以上の声を重ねた力作。デビューヒットとなった「Soft And Wet」の非凡さ、アコギ弾き語りテイストはのちのスタイルにも通ずる「Crazy You」、エロいファルセットがたまらない「Baby」など聴きどころ満載。

大きなヒットとはならなかったものの(当時最高163位、没後に138位まで上昇)本作の原型を18歳の時点でほぼ完成させていたと思うとその末恐ろしさに気づくはずです。

 


▼PRINCE『FOR YOU』
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PRINCE『PRINCE』(1979)

本国で1979年10月19日発売の2ndアルバム。日本では『愛のペガサス』の邦題でお馴染みの本作、実はこのアルバムで本邦初リリースを果たします(発売は翌1980年)。

本作からは名曲「I Wanna Be Your Lover」(11位)や、のちにチャカ・カーンがカバーした「I Feel For You」、殿下のハードロックギターが炸裂する「Bambi」、セクシーなスローバラード「Still Waiting」など前作以上に佳曲が豊富。デビュー作の時点で異彩を放っていたファルセットもより磨きがかかり、すでに殿下以外の何者でもない個性をたっぷり楽しめます。

なお、本作はシングルヒットが生まれたこともありアルバム自体も最高22位まで上昇。現在までに100万枚以上のセールスを記録しています。

 


▼PRINCE『PRINCE』
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PRINCE『DIRTY MIND』(1980)

1980年10月8日リリースの3rdアルバム。『LOVESEXY』(1988年)並みにジャケットのインパクトが半端ないですね(笑)。『PURPLE RAIN』(1984年)がバカ売れした際、過去作を漁っていたらこのアルバムにぶち当たりマジで退いた思い出よ……。

前2作が同系統の作風でより磨きをかけていったのに対し、今作ではタイトルトラックや「When You Were Mine」、組曲的な「Head」〜「Sister」など当時主流になりつつあったニューウェイヴからの影響が感じられ、常に最先端なものに惹かれながらそれらを独自の解釈で取り入れて、独自のサウンドへと昇華させていくというのちの殿下らしさがここで芽生え始めます。そういう意味でも個人的には初期4作の中でもこれが一番好きかもしれない。だって一番ロックだもんね(ジャケも中身も)。

 


▼PRINCE『DIRTY MIND』
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PRINCE『CONTROVERSY』(1981)

1981年10月14日リリースの4thアルバム。邦題は『戦慄の貴公子』。

アバンギャルドなアートワーク含め、前2作からテイストが変化し始めた『DIRTY MIND』は2ndアルバムほどヒットしなかったけど、より“らしさ”を追求した結果、前作以上に濃いのに不思議と聞きやすい1枚が完成。本作ではオープニングのタイトルトラックがいきなり7分超え、セクシーなソウルバラード「Do Me, Baby」も約8分とのちの作風に繋がるスタイルを見せていたり、「Sexuality」や「Let's Work」などわかりやすくセックスをイメージさせるタイトルがあったりと殿下ノリノリです。過去3作で積み重ねてきたものがここで極まりつつあり、いよいよ次作で爆発……という未来が見えますね。

ちなみに本作は最高21位、100万枚越えのヒット作となっています。しかしこの頃の殿下といえば、THE ROLLING STONESの全米ツアーで前座を務めてブーイングを受けていたタイミング。それでもまだ早すぎたか?

 


▼PRINCE『CONTROVERSY』
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PRINCE『1999』(1982)

1982年10月27日リリースの5thアルバム。いよいよここまできました。僕が最初に触れた殿下の作品は次作『PURPLE RAIN』なので本作は後追いではありますが、中学生の頃よく聴いた思い出があります。

過去4作での経験が一気に花開いた本作は、初のアナログ2枚組アルバム。全11曲なのに2枚組なの?と思いきや、前作からその傾向が見え始めていた大作志向が本作では大爆発。半数以上が6分以上あり、8〜9分台なんて3曲も。のちのTHE REVOLUTIONの原型となるバンドとのセッションということもあり、密室でひとり制作するのとは違った楽しみ方があったのでしょう。あと、時代的にも12インチリミックスが流行っていた頃でもあるので、そうしたフロアライブなダンスミックス的長尺曲を自然と提供していたというのもあるかもしれませんね。

楽曲的にはとにかく充実しまくり。頭4曲のヒットシングル連発はもちろん、それ以外も良曲ばかり。実は『PURPLE RAIN』以上に入門編としての役割を果たしてくれるであろう、最初に聴くべき殿下の1枚。

ただ、当時はあのルックスに腰が引けてしまい、ロック色濃厚な『PURPLE RAIN』しか聴いてないって若いリスナーも多かった記憶が。

 


▼PRINCE『1999』
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