9mm Parabellum Bullet『Termination』(2007)
個人的には、今年一番の衝撃かもしれないなぁ、このバンドとの出会いは。同僚から彼らのインディーズ盤(「Gjallarhorn」と「Phantomime」)を紹介してもらったんだけど、それを聴いたときは正直今ほどは強烈には感じてなくて、まぁカッコイイよなくらいの感想だったんです。その時点でメジャーデビューの話も耳にしていて、プレ・デビュー盤「The World e.p.」を聴いたときも、あぁ音が良くなったな、演奏がこなれてきたなぁ……としか思わなかったのね。いや、確かにカッコイイとは思ったけどさ。実際、好みの音だったし。
だけどね……なんだろう、何か別のバンドに似てるんだけど、それが思い出せなかったんだよね。すごく重要なバンドなはずなんだけど、なんだっけなぁ〜って。
そして、この夏にやっと、彼らのライブを生で観る機会を得て。そこではと気がついたわけです。「あぁ、そうか。AT THE DRIVE-INだ」って。
決してまんまとは言わないし、スタイルも同じだとは言いません。けど、初めて耳にしたとき、ライブを目にしたときに感じる違和感……異物感といったほうがいいのかな? そういった印象が、AT THE DRIVE-INを初めて観たとき/聴いたときと一緒だったんだよね。別にボーカルの髪型とかエモーショナルなハードコアサウンドが似てるとか、そういうことを言いたいんじゃないよ? でも、僕の中では重なっちゃったわけ。
9mm Parabellum Bulletのメンバーはまだ20代前半。バンド結成からまだ4年も経ってないんだよね。実際まだ拙い部分もあるし、決してこれが完成形とは言わないよ。でも、なんだろう……この説得力は。先行シングルの「Discommunication e.p.」がオリコンのシングル・ウィークリーチャート初登場9位ということで、スポーツ新聞にも取り上げられてしまった彼ら。歌謡曲チックでエモーショナルなメロディと、ライブじゃ間違いなく耳をやられるよなぁっていう轟音。このシングルでもその両面は思う存分楽しむことができます。なにしろ、1,000円以下のシングルに30分以上あるライブテイク(新宿LOFTでのイベント出演時の音源をワントラックでまるまる収録)を楽しめるんだから。
そして、いよいよ発売されるフルアルバムでは、これまでの彼らの集大成ともいえる内容に仕上がっています。衝撃度でいったら過去2枚のミニアルバムのほうが上だけど、いよいよバンドとしてまとまりつつあるなぁというのが伺える仕上がりです。これは売れるんだろうなぁ。いや、売れてほしいなぁ。
日本のバンドで誰に似てるとか、誰々が好きな人なら絶対に気に入るというたとえは、しようと思えばできるけど、そういう先入観なしに聴いてほしい1枚です(そういうお前が真っ先にAT THE DRIVE-INとか言うなよ!?って話もありますが。まぁこの際そこは忘れてください)。最初から最後まで、手に汗握りながら、アっという間に聴けてしまう強力なアルバムですよ。
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