2016/08/26

「一番好きなHR/HMギターソロ」について考える(80年代〜90年代前半編)

仕事の合間だけど、現実逃避ついでに「一番好きなギターソロ」について考えてみた。あくまで主観だが、HR/HMにおけるギターソロはライブで一緒に「口ギターソロ」ができる、つまり口ずさめるものがベストだと思ってる。

最初に思いつくのはやっぱりオジー・オズボーン「Mr.Crowley」だろうか。適度に速弾きしていて、かつ口ずさめるメロディ。これ以上速くても、音数が多くてもダメ。だって弾けないもん。俺が。

そういう意味じゃEUROPE「The Final Countdown」もベスト候補。いや、こっちはシンセのメインリフのほうが印象的か。シンセのフレーズは口ずさんでも、ギターソロを口ずさむことは少な……いや、そんなことはなかった。口ずさむ。好き。

主メロ自体がリフ?なゲイリー・ムーア「Wild Frontier」も、個人的には「Mr.Crowley」と同じくらい好きな楽曲&ソロ。結局、こういうマイナーコードで泣きのメロを持つ楽曲が好きんなんだろうな。ザ・日本人。

泣きメロかつ「誰もが知ってるフレーズの引用」というドーピング感満載のACCEPT「Metal Heart」は反則。これこそ全力で日本人泣かしにかかってるだろと。

「Mr.Crowley」と同じくらい重要かつベストだと思ってるのが、KISS「Detroit Rock City」。あのクソシンプルなのに最強なツインリードは、この先何百年も語り継がれるべきだと思う。結局「コピーできそうだけどちょっと難しい」くらいの、あの絶妙なレベル感が自分の求めるギターソロなのかもしれない。あと、長すぎてもダメ。2分とか続いちゃうようなのはね、覚えられない。

……ってよくよく考えたら70年代じゃん、「Detroit Rock City」。却下却下。代わりにKISSのコピーバンド始めた頃にやってた「Crazy Crazy Nights」を挙げとく。このコンパクトだけど印象に残り、口ずさめて適度なテクニックが凝縮されてるというのは非常に重要。そういう意味じゃBON JOVIのこの時代の楽曲はほとんどこれに当てはまる。選ばないけど。

もうちょっとヘヴィな方面についても。

METALLICA「One」は随所にソロが登場するけど、後半の畳み掛けるようなソロパートは難しいながらも覚えやすいメロディがちゃんと備わっているし、この手のバンドのものとしてはベストクラスなんじゃないかなと。

逆にMEGADETH「Tornado Of Souls」までいくと、ちょっとやりすぎ感が。もちろんこれは個人的なさじ加減の問題だけど。リスニング的にはMEGADETHのほうだけど、「コピーしたくなる」という点においてはMETALLICAかなと。なかなか共感しづらいだろうけど。

PANTERAのギターソロも実はすごくメロウなものが多くて、個人的にはリフ以上に推していきたいと思ってる要素。スローな曲はもちろんなんだけど、「Mouth For War」はあのリフとグルーヴにこのソロが乗るから最強なんだと。

最後に国内のバンドからも。

80年代半ばに青春時代を過ごした人なら、きっと誰もがコピーをしたんじゃないだろうかっていうLOUDNESSから選ぶならば、やっぱり「Crazy Doctor」だろうか。「In The Mirror」も捨て難いけど。って、どっちも弾けないんだけど。

で、結局最後はEARTHSHAKER「More」に行き着くと。この呪縛から逃れられないんだな、あの時代に10代を過ごしてしまった者は。でもイントロのアルペジオのほうが印象深い? かもしれない。

以上10曲。KISS以外は結局泣きメロなんだな。わかりやすいぞ自分。

……でもさ、ああだこうだ考えたけど、結局この曲のこのソロがいろんな意味で最強かもしれないと思うんだよ。

グランジ以降、ギターソロの重要度が低くなったと言われたけど、ここまでシンプルで印象的なソロは逆にメタル脳では作れなかっただろうな。だって歌メロをそのまま弾いてるだけだし。その後の歴史を変えてしまったという意味ではとても皮肉な1曲。

90年代後半以降についても、いつか考えてみたい。10曲も挙げられるかどうか微妙だけど。

投稿: 2016 08 26 11:56 午前 [Accept, Earthshaker, Europe, Gary Moore, KISS, Loudness, Megadeth, Metallica, Nirvana, Ozzy Osbourne, Pantera] | 固定リンク

2015/05/09

ACCEPT『Objection Overruled』(1993)

昨年リリースされた通算14枚目のオリジナルアルバム「Blind Rage」が本国ドイツで初のチャート1位を獲得するという快挙を成し遂げたAccept。残念ながらPanzerを結成したハーマン・フランク(G)とステファン・シュヴァルツマン(Dr)が脱退してしまうというアクシデントがあり、成功を掴んだ3度目の再結成に不穏な空気が……と思ってたら、先月末にようやく新メンバーが発表され、今後も変わらず活動を続けていくことが明かされたばかり。バンドに2度目の黄金期をもたらした布陣の終焉は悲しいものがありますが、きっとAcceptは今後もそのスタイルを崩すことなく、男らしい正統派ヘヴィメタルを聴かせてくれることでしょう。

……と書いてみたものの、今日の主役は3代目ボーカル、マーク・トーニロ加入後の作品ではなく、現在のAcceptへとつながるきっかけを作った最初の再結成の際に制作された9thアルバム「Objection Overruled」についてです。


1993年初頭に再びウド・ダークシュナイダー(Vo)を含む布陣で制作された本作。デイヴィッド・リースを迎えた8thアルバム「Eat the Heat」(1989年)には発売当時「こんなのAcceptじゃない!」とがっかりしたファンも多かったようですが(僕もその1人)、今聴くとそこまで悪くないと思えるのは自分だけでしょうか。それよりも再結成後の……いやなんでもないです。

1993年というと海外ではすでにNirvana、Pearl Jamといったグランジ勢、Panteraをはじめとするヘヴィ / ラウド勢の台頭により正統派ヘヴィメタル / ハードロックバンドは瀕死の状態に陥ってた時期。そんな状況下でこういったストレートなメタルアルバムを制作した心意気は、今思うと素晴らしいものだと思うし(次作以降の変化はこの際無視する)、発売から22年経った今聴いてもちゃんと「聴ける」1枚なんですよね(上から目線でごめんなさい)。

先日CDショップを覗いた際、リマスタリングされ海外で再発売されていることを知りました。再発モノでおなじみ「Cherry Red Records」内のメタル専門レーベル「HNE Recordings」からのリリースですが(※参照)、日本盤に入っていた「Rich & Famous」など追加要素は一切なし。同レーベルから再発されている他の作品と比較すると内容としては弱いですが、自宅でダンボールの片隅に眠っている当時のアルバムを引っ張りだすのも面倒だし、それに昨年新作を聴いて「このへんのアルバムも久しぶりに聴いてみたいな」と思ってたところだったので、思わず手を出してしまったわけです。

いやあ、改めて聴くと発売当時の感情がよみがえってきますね……やっぱりオープニングのタイトルトラックの疾走感。ここでガッツポーズを取ったファンは多かったはずだし、まんまなタイトルに苦笑いを通り越して感動すら覚えるヘヴィナンバー「Slaves To Metal」、アルバム中盤に位置するアンセム感の強い「All Or Nothing」、泣きのバラード「Amamos La Vida」から流れるように続くファストナンバー「Sick, Dirty And Mean」、同じく泣きのインスト「Just By My Own」からエンディングを飾るファストチューン「This One's For You」などなど、今も色褪せない王道メタルチューン満載の展開はマーク・トーニロが参加した「Blood of the Nations」以降の作品に通ずるものもあれば、そこともまた違った「80年代からの流れ」もあったりとなかなか感慨深いもの。とはいいながらも、ちょっと弱いな……と感じてしまう楽曲も少なからずあったりして。特にシングルカットされた2曲目「I Don't Wanna Be Like You」や本作の中では唯一、現在もライブで披露される機会のある「Bulletproof」あたりはちょっと弱いような気もしていて(今聴くとですが)。MVが制作された「Protectors Of Terror」もかな……「Balls To The Walls」での成功をそのまま引き継いだ流れだとは思うんですが、リフ含めもうひと工夫欲しかったかもと思ってしまうわけです。

あと、これは非常に重要な要素だと思うんですが……当時(90年代の2度目の再結成時)はシングルギター編成だったこと。やっぱり「Acceptといえばツインリード」という人も多いと思うんです。少なくとも制作時は4人編成だったものの、ライブはもう1人ギターを入れて5人編成で活動していくんだろうなと考えていたのに……。

実はAcceptのライブを観たのは唯一この「Objection Overruled」に伴う来日公演のときだけ。その際の印象があまり良くなくて、個人的にはその後Acceptに対する印象がどんどん薄くなっていったんですね。80年代はライブに間に合わず、解散後に発表されたライブアルバム「Staying A Life」でこのバンドに対する熱がどんどん上がっていき、そして発表された再結成。なのにあのツインリードが聴けない……そりゃがっかりですよ。しかも期待していたアルバムタイトルトラック「Objection Overruled」が演奏されず(「This One's For You」はやってた記憶がありますが)……

と、ネガティブな思い出までもがよみがえってきてしまった「Objection Overruled」ですが、決して悪いアルバムではないですよ。あくまで個人的な思い出ばかりですので。Accept史の中では弱い作品かもしれないけど、時代背景を考えると非常に重要な1枚かもしれないし。この勢いで、さらにネガティブな思いしかない「Death Row」(1994年)、「Predator」(1996年)も改めて聴いてみようかしら。さすがに20年経てば当時とは違った楽しみ方もできるかもしれないしね。



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投稿: 2015 05 09 10:43 午前 [1993年の作品, Accept] | 固定リンク

2004/07/01

ACCEPT『METAL HEART』(1985)

つうか何を今更ACCEPTなのよ!?って突っ込まれそうですが。実は数年前からこのアルバム、ずっと取り上げたかったんだよね。ま、でも辰さんのところでウルフ・ホフマンが現在写真家として活躍している、という話題を振られるまで忘れてたりもしたんですが。

そういえば数週間前にウルフがたまたま訪れたドイツの若手バンドのフラットで一緒にセッションした、という話を目にしたりもしましたが、結局彼は2度目のACCEPT解散後、完全に写真家として生計を立てているようですね(1回目の解散後も写真家として活動してたんですよね確か。再結成の話が出るまでギターを一切触らなかった、という話を昔『BURRN!』のインタビューで読んだ記憶がありますが)。ウド・ダークシュナイダーはU.D.O.として活躍、先日来日したばかりですしね。ピーター・バルテスって今何やってんですかね? 一番メタル向きな気がするんですが(1回目の解散後は当時DOKKENを解散したドン・ドッケンのソロバンド、DON DOKKENに参加してたっけ)。

とまぁ懐かしい話題でお茶を濁したところで、本題に。名盤中の名盤『METAL HEART』は、ACCEPTが1985年に発表した通算6枚目のオリジナル・アルバム。前作『BALLS TO THE WALL』でアメリカでそこそこの成功を収めたドイツ出身のメタルバンドは、時代の波に乗るわけでもなく、かといってアメリカナイズするわけでもなく、我が道を行くとばかりに頑固一徹なメタルサウンドを追求したわけです。世間がLAメタルだ何だと盛り上がってる中、「エリーゼのために」をモチーフにしたギターソロを含む名曲「Metal Heart」からアルバムはスタートするわけですよ。思いっきりダサイと言い切れるこのセンス。けど、だからこそ信用できた。当時の俺にとってはそうだったわけ。SCORPIONSが良くも悪くも垢抜けていく中、サウンド的には多少ゴージャスになったものの、やはり基本はAC/DCをよりバタ臭くしたかのようなコテコテメタルサウンド。何も変わらないし、変われない。だから日本ではこのアルバムでブレイクして、初来日まで果たせたわけですよ。残念ながら俺は初来日、というか1980年代の彼らを生で観る事はなかったわけですが(1990年代の再結成時は観てますが)、その伝説に残るような来日公演の様子は当時の音楽雑誌等で目にしていたので、よく覚えてますよ。

ウド・ダークシュナイダーのクセが強過ぎるボーカルに退いてしまう人が多いと思うんだけど、でもこれこそがメタルボイス。AC/DCにおけるボン・スコットやブライアン・ジョンソン、JUDAS PRIESTにおけるロブ・ハルフォードみたいなもんですよ。決して世界的に大成功を収めたとはいえないけど、この声じゃなければいけない。'80年代後半、ウドが脱退してアメリカ人シンガーを迎えてACCEPTは存続したことがあったけど、やっぱり別物だったし。どこかスマート過ぎてダサさが足りない。それじゃダメなのにね。

「ジャーマンメタル」の定義。実はそんなもん、あってないようなもの。1980年代末辺りからHELLOWEENやBLIND GURDIAN、RAGEやGAMMA RAYといったバンドが日本で支持されるようになり、アニメの主題歌みたいに判りやすいメロディーと適度な疾走感と重量感を持った、みたいな定義が定着しつつあったけど、でもこのアルバムがリリースされた頃はまだ別の定義だったはず。アメリカで成功する前までのSCORPIONSや、カイ・ハンセンがボーカルだった頃のHELLOWEEN、そしてこのACCEPT。共通する「ダサカッコよさ」こそが、我々がよく知るジャーマンメタルだったんじゃないかな。違う?

「Fast As A Shark」だったり「Balls To The Wall」だったり「TV War」だったり、曲単位で好きなのは数あるけど、アルバム単位で気に入っているのは、実はこの『METAL HEART』だけ。何故か知らないけど、これが一番気に入ってるのね。最初にこのアルバムを手に取ったというのも大きいんだろうけど。表題曲の他にも、PVにもなった「Midnight Mover」や「Screaming For A Love-Bite」のポップさ、「Wrong Is Right」の疾走感、感動的な「Bound To Fail」のエンディング、全てが記憶に残ってる。リリースから約19年。こんなに鮮明に覚えてるアルバムって数少ないよね。まぁこれを手にした頃、一番メタルとか真剣に聴いてた頃だからなぁ。

今の若いメタルファンに、このアルバムがどういう風に評価されているのか知らないけど、それでもやっぱり聴いて欲しいよね。METALLICAの初期作品と同じ感覚で聴いてくれたら嬉しいな。



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投稿: 2004 07 01 12:00 午前 [1985年の作品, Accept] | 固定リンク